王様の耳はロバの耳

横浜在住の偏屈爺が世の出来事、時折の事件、日々の話、読書や映画等に感想をもらし心の憂さを晴らす場所です

「過失致死罪」適用 福岡3児死亡判決

2008-01-09 07:45:15 | 社会
「過失」の判断、やりきれなさ残す 福岡3児死亡判決(朝日新聞) - goo ニュース

昨日の夕刻のTVニュースは各社とも冒頭にこの事件の判決を持ってきていました

06年8月の夜、橋の上で起きた交通事故で3児がなくなるという事件の判決です
事前に「危険運転」ではなく「過失」が適用になりそうだとの状況がありましたがやはり「業務上過失致死」の適用でした。
ご両親は「判決にまかせる」お考えの様ですが検察が控訴するでしょうか?
法律家の判断はそれとして、「危険運転致死傷罪」が出来たのですから飲酒の上、わき見運転、時速100キロで追突で事故を起こし幼児3人を殺し、両親は泳ぎが達者であったから助かった様なものの泳げなければ5人死亡となる所でした。

さてハンドルを握っていないで、酒に酔い通り掛かりの子供連れに殴りかかり幼児3人を殺傷したら、この男は「懲役7年半」で済むでしょうか?
爺は済まないと思いますね。世間の判断は死刑でしょうね。

戦後モータリゼーションなんて言葉が出来た位、車両による物資の輸送、人の移動、あわせて車そのものの生産台数増加が内需を支えてきました。
それを支えるため政府(お上)の発想は「産業立国」であり「物資の輸送が人の命より優先」でした。その為に出た発想が運転中の事故とその結果については「業務上過失」という範疇で罪の軽重を問うという事でした。
一般的には「業務上」が「プロの運転手」の場合は当てはまろうが、この事件の様に「仕事の後、自家用車を酔っ払い運転して」業務上とする事が怪しからん事なのですよ。

数年前には東名の瀬田でプロの運転手が酒を飲みながら車を運転、前の自家用車に追突してお子さんが2名だか焼死した事件がありましたよね。それが契機で「危険運転致死傷罪」が導入されたのですから、漸く「物流優先から人命にも配慮」がされる様になりました。

法律の要件よりも立法の趣旨を考えれば「人命尊重を蔑ろにした運転手は従来より重い罪の適用が望ましい」のですが、地裁の裁判官はそこまで踏み込めなかったのでしょう。

1970年には1万7千人弱の交通事故死者を記録し、その後石油ショックで低減するも1988年で1万人に迄減りました。以降漸減して昨年は6千人を漸く割り込んだようです。
それでも毎月500人もの命が亡くなり数倍の負傷者がいるわけです。
去年も朝の通学路で集団登校の列に突っ込む悲惨な事故が起きましたよね。

国民の命を優先に考えれば「通学路への進入制限」とか「相乗り奨励」「パークアンドライド」等などいろいろ方法は在りそうに思うのですがね。
せめて「酒気帯び運転の禁止(一口でも飲んだら駄目)」を徹底したいものですね


朝日新聞:
幼い3人の命を奪った飲酒事故は「危険運転」ではなく「過失」と判断された。福岡市で06年8月に起きた3児死亡事故で、8日の福岡地裁判決は危険運転致死傷罪の成立を否定して業務上過失致死傷罪を適用。そのうえで量刑は道路交通法違反罪との併合で上限となる懲役7年6カ月とした。遺族はやりきれなさを抱えつつ、減刑しなかった判決に一定の理解を示した。主張が認められた形の今林大被告(23)はうつむいたままほとんど身動きしなかった。

 遺族の大上哲央(あきお)さん(34)、かおりさん(31)夫妻は午前9時40分ごろ、福岡地裁に姿を見せた。哲央さんは3人の子どもたちの遺影を手に、かおりさんは事故後の昨年9月に生まれた次女愛子ちゃんを胸に抱いていた。
(引用終わり)
コメント (6)
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