王様の耳はロバの耳

横浜在住の偏屈爺が世の出来事、時折の事件、日々の話、読書や映画等に感想をもらし心の憂さを晴らす場所です

老老介護 母娘が死亡

2008-01-10 07:39:36 | 社会
介護の68歳長女が病死、90歳母は衰弱死…東京・品川(読売新聞) - goo ニュース

爺は今朝読売TVを見ていてこの悲劇を知りました。
報道によれば8日夕刻、姉と連絡の取れなくなった次女が住まいである大井のマンションの一室を訪ねた所、母親と姉の二人とも死亡している事が判りました。

母親は90歳、3年前から脳梗塞で倒れ半身不随でほぼ寝たきりだったそうです。
長女68歳、高校の臨時講師をしながら母親の介護をしていました。
典型的な老老介護(老人がもっと老人を介護する)ですよね。

TVに映ったマンションは立派な外観でマンションと呼んで恥ずかしくない構えでしたよ。
その後の調べでは「娘さんが先に(突然?)倒れ亡くなり、母親は介護する人がなく衰弱死」したようです。
真にお気の毒な話です。謹んでお二人のご冥福を祈ります。     合掌

元日には介護の方が来て二人がベッドに入るのを見ていたそうです。
学校の側は4日以降何度か娘さんの携帯電話に連絡を入れたそうでが応答しなかったと語っていました。
そうすると4日までの間に娘さんに体調の急変が有ったのでしょうね。

小さな話ですが、爺も身につまされる話です。いや国民全体にかかわる話と言っても過言ではないですよね。
本件の場合、一寸見ですが生活に困っていた様に見えませんが、それでも老老介護は介護する側に大変な加重をかけているように思えます。
まして生活困窮者であればなおさらの事でしょう。

近頃病院が「社会的入院(行き場のない人間を入院させておく)」が駄目になり入院していても病状の改善の見込みのない患者が公園に捨てられたりして話題になりましたよね。

大井の件は金の問題ではありませんが、在宅の老老介護には「家族、地域、行政」三者の緊密な連携がないと長続きしません。
全国的な大組織を作れば「コムスン」で見られるよう介護保険料の水増し請求とヘルパーの取り分ピンはね見たいなお粗末を招来します。

ではどうするか? 延命治療の拒否や尊厳死についても反対意見の多い国柄ですから「老老介護になったら苦しまずに死ねる錠剤(高度のモルヒネか何か?)を服用させてくれ」なんて事前に遺言して置き、そんな時期が来たら公的機関が執行してくれる。 そんな大人のというか自己責任の決め事は日本では無理でしょうね。
結局老老介護の果てに心中死ですがこれでは福田総理も舛添厚労相も存在する値打ちがありません。

解説の辛坊さんが「党首討論では決まりきった話を繰り返ししていただけ。この話の様な問題をどうするか話して欲しかった」と辛口のコメントでした。

話の角度が少し変わりますが最後に「ここ数年で独居死」が2.5倍に増え517人に上り、そのうち6割が65歳以上の老人だと報じていました。
この数は昔の公団が(公団内の)独居死を取りまとめた物でしょうから全国的にはこの何倍も「看取る人さえ無く亡くなっている」と思えます。

子供や孫に迷惑掛けたくないしボケてしまうと迷惑を掛けている自覚もなくなるだろうし実に悩ましい問題であります。

読売新聞:
8日午後6時45分ごろ、東京都品川区大井のマンション5階の一室で、この部屋に住む母親(90)と長女(68)の2人が死亡しているのを、近所に住む二女(66)が警察官とともに発見した。

 警視庁大井署によると、母親は数年前に脳こうそくを患って以降、ほとんど自力では歩けず、同居する長女の介護を受けていた。遺体に不審な点はないことなどから、同署は、長女が病死した後、母親も衰弱死したとみている。

 調べによると、2人は寝室にある別々のベッドの上で死亡していた。いずれも死後数日とみられるが、長女の遺体の方が傷んでおり、先に死亡した可能性が高いという。長女の遺体のわきには薬が置かれていた。(引用終わり)
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