昨日29日(現地時間)トルコのイスタンブールでエルドアン大統領の仲介でロシアとウクライナによる和平交渉(対面交渉は4回目)が行われました。
3時間に亙って交渉の後、この記事によればトルコのメブリュト・チャブシオール外相は”両国間の戦争が始まって以来「最も大きな進展」をもたらした”と述べたそうです。
今朝8時過ぎからTV朝日の羽鳥慎一モーニングショーを見てました。東京大学先端科学技術研究センター専任講師 小泉悠氏をゲストにこの和平交渉につき常連のパネラーが質問する形で解説が進んでゆきました。
交渉の主な点は:ウクライナとロシアが「ウクライナは北大西洋条約機構(NATO)加入をあきらめるが、新しい安全保障体制を構成する」という内容の停戦合意案を交渉中だ。ロシアもウクライナの首都キエフ(キーウ)などでの軍事活動を大幅に減らすことの様です。
しかし、この会談直前までウクライナ軍による拠点の奪回やロシア軍によるウクライナ各地へのロケット攻撃などが激しさを増しており、ドンバス方面の帰属と言ってもドネツク州、ルガンスク州の全てか? その一部の親ロ派の実効支配地区を言うの?かもはっきりしない様です。しかもロシアの方針転換の前後に南部と東部をつなぐためのマリウポリ市が陥落していませんし、ここをクリック⇒同市の南西60キロのベルジャンシク港で兵站の補給をする揚陸艦3隻が沈没並びに損傷しましたからロシア側の補給は困難が予想されます。
沈没したと思われる4700トン級揚陸艦〈ネットより)
又停戦合意がなされるにしても、ウクライナは東部の割譲は認めそうもないしクリミヤ半島の帰属を15年間かけて交渉するとのプーチン大統領にとって「とてもではないけど認められない」事を加えているようですから前途は困難そうです??!
これだけ一般市民が犠牲になっているのだから「取り敢えず停戦」と言う訳には行きそうも有りません。
「ウクライナ側が民間人虐殺に耐えられなくなるか」「ロシア側が国内の政治情勢が変わるか(プーチンの失権とか)、経済制裁の効果が顕著に出るので耐えられなくなるか」綱引きと見えます。
キエフ周辺のロシア軍の移動は「撤退で無く戦線の整理」との見方もあり「ロシア軍がジョージアその他のロシア兵をウクライナに向け移送」との報道もあり現地の戦局を見ないと和平交渉の効果を判断できません。
ロシアは5月9日の「対ナチス戦勝記念日までに(ウクライナに勝って)戦勝記念日を迎えたいので化学兵器か小型戦術核を使い混戦に決着を付ける」かも知れないとの恐るべき見方も残っているようです。
その為にももう少し東部と南部の戦局が動かないと交渉に妥協が起きそうには見えませんが、素人の見立ては当たるでしょうか?
写真:トルコ・イスタンブールで、ウクライナとロシアの停戦交渉を前に両国の代表団にあいさつするトルコのレジェプ・タイップ・エルドアン大統領(中央)とメブリュト・チャブシオール外相(右から2人目)。同国大統領府提供(2022年3月29日撮影)。(c)AFP PHOTO / TURKISH PRESIDENTIAL PRESS SERVICE / MURAT CETIN MUHURDAAR
AFP=時事
【AFP=時事】トルコのメブリュト・チャブシオール外相は29日、同国のイスタンブールで行われたロシアとウクライナによる停戦交渉について、両国間の戦争が始まって以来「最も大きな進展」をもたらしたと述べ、協議結果を歓迎した。
3時間にわたった協議の後、ロシア側の代表団は、首都キエフ周辺を含むウクライナ北部での軍事活動を「大幅に」縮小すると発表。ウクライナ側の代表団も、交渉で十分な進展があり、両国の大統領による会談を開催できる可能性があると示唆していた。
チャブシオール氏によると、交渉は翌30日には再開しない予定。 【翻訳編集】AFPBB News
(引用終わり)