昨日23日午後岸田首相は衆参両院で施政方針演説を行いました。
別紙の報道にある様に新年度の一般予算政府案は114兆円余りとなり過去最大で税収69兆円に対し不足分は35兆円の新規国債で賄うようです。
その話は別の機会で述べることになると思いますが、岸田首相にとっては今年は「日本にとって、日本の安全保障政策の大転換」との思いが有る様です。
ロシアのウクライナ侵攻、中国による台湾への武力侵攻の可能などを考えると米国命と思う政治家が居るのは否定できません。でもその米国が「日本に武力侵攻があった場合、いの一番に日本人に替わって戦ってくれるかどうかは確り考えないといけません」。初戦の数週間は「日本の力で戦わないといけない」位は国民に覚悟させないといけないのでないかと思います。
次に先立つものは金ですから「不要な予算は削減し子育てやコロナ禍で傷んだ庶民の生活を下支えする具体策が無ければなりません。所信表明では使いませんでしたが「異次元の子育て対策」なる言葉が年初踊っていました。この「異次元の」との枕詞はアベノミクスを始めるにあたり安倍政権が日銀をコントロール下に置き黒田総裁を登用し「異次元の金融緩政策」を取りざっと10年、ロシアによるウクライナ侵攻が始まる迄は2%の物価上昇とそれに見合った賃上げは一切起きなかった事、加えて欧米でインフレ警戒のため各国中央銀行は昨年からは金融引き締め策を取ったにも拘わらず、日本は金融引き締めをしないため、昨年暮れには1ドル152円のドル高・円安を呼び輸入石油価格の値上げをはじめ輸入品の大幅値上げを呼びました。ついには年末には金融緩和の手直しをしなければいけない体たらくでした。市場の専門家の中には「ポスト黒田に備え金融政策変更のサイン」と見ている方もいる様です。要するに功無くして罪のみ残すのが枕詞「異次元の」に含まれる隠れた意味になります。
従って余りこの「子育て策」に乗れません!
これから増える防衛費も財源が良く分からない様です!
確り賃上げが出来るような景気にして欲しいものですがNYの株高ばかりが頼みに見えて仕方ありませんだ。旧統一教会に対する対応も文科省の質問嫌悪行使も終わらず、細田衆院議長の疑惑釈明もすっきりせずに予算委員会を迎えました。
まあ、だれが首相やっても大変でしょうが、岸田首相には性根を据えて頑張ってもらわないといけません。
かなり多くの人が「冷たい目で今国会での答弁を見守っている」様に思えます。
写真:マスクを外し演説に臨む岸田首相
読売新聞オンライン:
岸田首相は23日の衆参両院での施政方針演説で、昨年10月の所信表明演説に比べて「決断」や「改革」といった言葉を多用した。過去には国会論戦で「検討」を多用して「決断力がない」との批判を招いただけに、防衛力強化や少子化対策などの課題に正面から向き合う姿勢をアピールする狙いがあったようだ。
■実行力アピール狙う
「今回の決断は、日本の安全保障政策の大転換だ」
首相は演説で、反撃能力の保有を含む防衛力の抜本強化についてこう強調した。
約43分間の演説の中で6回、「決断」という言葉を使った。演説の導入部分では立て続けに5回繰り返した。昨年10月の臨時国会での所信表明演説では一度も使用しておらず、昨年末に閣議決定した国家安全保障戦略の改定など、大きな政策決定を打ち出したとの自負をうかがわせた。
施政方針演説では「改革」も11回使い、5回だった所信表明から倍増した。防衛費を捻出する歳出削減や、行政手続きのデジタルトランスフォーメーション(DX)化、国連安全保障理事会の機能強化といった幅広いテーマで登場した。
首相は昨年、国会答弁で「検討」を多用し、古代の「遣唐使」をもじって野党から「検討使」(国民民主党の玉木代表)とやゆされた。首相の言葉の変化には、決断力や実行力を印象づける狙いがあるとみられるが、この日の演説では「検討も決断も議論も、全て重要であり必要だ」と語る場面もあった。
一方、歴代首相の演説ではよく見られる先人の言葉や故事来歴は前回の所信表明演説に続いて引用しなかった。
首相はこうした引用はあまり好まず、演説の草稿作りの段階で「現場で実際に会った人とやり取りした内容を盛り込んでもらいたい」と事務方に指示していた。
演説の終盤では、新潟でものづくりを学ぶ学生や鹿児島で育児をしながら和牛生産に取り組む女性などを紹介し、「未来に希望を持てる日本を創っていきたい」と訴えた。
(引用終わり)