大阪センチュリー交響楽団が、ある学校で無料コンサートを開催しました。
8名の小編成での演奏です。
フルート、フォゴット、ホルン、トロンボーン3本、チューバ、パーカッションの変わった編成です。
一つの楽器を中心とした曲が、順番に演奏されます。
児童との合同演奏会のあと、子供たちが知っていそうな曲ばかりです。
「カルメン」「チャルダック」などのクラシックから、「ひょっこりひょうたん島」「ピンクパンサー」などなど。
最後に校歌を演奏して、子供たちが歌って1時間の演奏会が終わりました。
参加した子供たちは生き生きしています。
立って、一緒に踊っている子供もいます。
プロの生演奏を目の前で聴いて、感動したことでしょう。
場所は体育館で、鉄筋コンクリート造りで壁が板張りです。
天井が高いためなのでしょうが、音の響きが豊かでした。
響きすぎることもなく、小さな楽器の音さえも綺麗に聞き取れます。
へたなホール顔負けの音響効果で、楽器の音色に聴き惚れました。
昨年の今頃、大阪府の財政が厳しいということで、補助金廃止の話がありました。
来年度の予算について、昨日の毎日新聞に記事がありました。
この楽団は、1年かけて経営努力によって1億5400万円もの削減計画をたてています。
これによって、今年度の補助金3億9000万円から来年度は1億1000万円と大幅な減額をした予算を要求しています。
それに対する橋下知事のコメントは、『1年かけて出したのが、これか!』です。
あっしには、1年間かけて精一杯努力した数字に見えます。
こんな言い草ってありますか!
橋下知事に対する府民の評価は、高いものがあります。
確かに、府の財政悪化を後年に残さないとの基本姿勢と、予算の大幅削減への英断に拍手を送る人も多いでしょう。
最近の言動には、府のリーダーとしての品格がなさ過ぎます。
元々の姿が出てきただけかもしれませんが・・・
政治的な行動は、ドイツのヒトラーのファシズム的な臭いを感じてしまいます。
府議会は何をしているんだ、と怒りたくもなります。
テレビや新聞などのマスコミを使った橋下知事の作戦に、たじろいているのでしょうか!
知事に押されっぱなしなようなイメージを受けます。
「府会議員の貴方、君だって府民から選ばれた地域の代表でしょう!」と言いたい。
道州制に始まる政策は、関経連の考え方そのものとの声を耳にします。
国民から見放されたような低支持率の麻生総理に、道州制を引き合いに出して「素晴らしい」と最大級の持ち上げかたをしています。
府民の感覚とのズレは明らかなようです。
政治的な話は好みませんが、無料のセンチュリー音楽を聴いて感動した後だけに、この報道に熱くなってしまいました。
センチュリー交響楽団は府民のためのオーケストラとして設立され、もう20年間の歴史があります。
「つぶしちゃあかん」とセンチュリーを支援する会が10万を超える署名を集めたのは、ついこの間のことです。
あっしも、安い料金で何回聴かせてもらったことでしょう!
音楽ではお腹はふくれません。
なくても死にはしません。
しかし、生活を潤いのあるものに・・・楽しく人生を過ごすためには、欠かせないものです。
芸術は、継続されてこそ実るものです。
途切れさせてはいけないのです。
今日のような素晴らしい音楽を子供の頃に聴けたなら、音楽への関心ももっと違ったものになったでしょう。
「クラシック音楽」と言ったら、拒否反応を示す人が多いようです。
あっしも、その一人でした。
ラジオやレコードではなく、生の演奏を聴いて感動したのです。
それからは、大好きなジャズと同じくらいレコードを集めました。
センチュリー交響楽団だけでなく、他のオーケストラも経営が苦しいようです。
もっと草の根を広げる、地域と密着した今回のような地道な活動を進めていって欲しいものです。
大阪は芸術が育たない土壌だと言われた記憶があります。
芸術に関する大学は少ないですが、そんなことは決してないと思います。
多少の差はあれ、音楽の素晴らしさは感じるはずです。
生の音楽に触れる、そんな機会が少ないからでしょう。
音楽はイイものです。
皆さんも出かけてみませんか。
親しみ易いポピュラー音楽のコンサートからでも・・・