トイレ騒動の後に出会った極上湯「上ノ温泉」
広い敷地に紅葉した樹木が立ち、季節の花々が美しく咲く別府の憩スポット、別府公園。
これを横切り、路地を少し歩くと本日のお目当ての「上ノ温泉」に出る。
白っぽい建物の壁に「上ノ温泉」と表示があり、外にトイレがあった。
夫は急にトイレに行きたくなりドアに手をかけた。
その時ふいに、建物内の暗い通路から男性が出て来て、夫を見つけると「しっ!しっ!」と手を払い、無言のまま「あっちへ行け」のしぐさをする。
夫はその男性に「トイレを使いたい旨」を説明した。
男性は「二つあるトイレの右側を使え」と言う。
トイレのドアを開けると和式だった。
夫は「膝が悪いので洋式がいい」と言って、左隣りの洋式を開けると今度はトイレットパーパーが切れていた。
「紙が切れてます」と夫が言うと、
男性は、上ノ温泉の表通りに我々を連れ出し、右側を指さして
「そんなにトイレが使いたければ近くの薬師湯に行くといい」
「そこは浴室内にトイレもある」と言う。
「エッ~!?それじゃあ、この上ノ温泉に入れないの?」
「折角ここの湯に入りに来たのに~!!トイレはあくまで二次的なものだったのに・」と、思わず残念そうにつぶやいた私。
その時、男性の表情が豹変した。
実は、彼はここの管理人だった。
我々のことを、自分のところの入浴客だとは全く思ってなくて「通りすがりにトイレだけは利用し、風呂は薬師湯に行くパターンのいつもの観光客?」と思ったらしい。
誤解も解け、晴れて夫はゆっくりとトイレをさせていただき、二人は入浴できた。
「上ノ温泉」は、建物内に狭い通路があり、この通路を挟んで、管理人夫婦が住む家と入浴施設(男女別浴室が各一つ)に分けられている。
通路には、受付(番台)があり、そこで入浴料百円を払う。
浴室は古くオールタイル張りだ。
洗い場や浴槽のタイルはよく磨きこまれ、脱衣所も掃除が行き届いている。
窓からは朝の陽ざしが一杯差し込んでいる。
明るく清潔な浴室に感激した。
透明な輝くほど美しい湯が湯船に満ち溢れている。一人湯を楽しんでいると、地元の年輩女性が入ってこられた。
彼女から浴室の隅、三角コーナーにある源泉の出し方、止め方を習った。浴槽側面の一番下のタイル一枚がはずしてあり、そこから透明な源泉が注がれていることも教えてもらった。
「上ノ温泉」は管理人がここに住み、お湯の管理や掃除一切をしてくれる。そのため「朝早くから夜遅くまで毎日、この清潔な湯が楽しめる」と地元女性は心から感謝していた。
(駐車場)★上ノ温泉には駐車場はない
★別府市役所に車を停めて、別府公園内を徒歩で横切り、10分以内に着く
・・・・2010年の訪問・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・
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