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こんなにおかしい!ニッポンの鉄道政策
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国は今こそ貨物列車迂回対策を!

最近の地震について(コメント)

2008-07-24 23:59:20 | 気象・地震
7月19日のエントリで取り上げた福島県沖の地震についてコメントしようと思っていたら、その前に次の地震が起こってしまった。最近あまりに地震が多すぎて、このままでは追いつかないので、最近の地震についてここでまとめてコメントする。

○7月19日、福島県沖の地震
気象庁プレスリリース
震源地:福島県沖
震源深さ:約10km
規模:M6.6(速報値)
地震の種類:プレート境界型

地震規模は比較的大きいが、地震国・日本付近ではこの程度の地震は毎月のように発生しており、特に目立って大きいというわけではない。太平洋プレートと陸側のプレートの境界付近で発生した「プレート境界型地震」は、近い将来発生が予想される東海地震や宮城県沖地震と同じタイプで、周期的に発生することに特徴がある。

この地震の震源が宮城県沖地震の想定震源域から見てかなり南に外れており、前兆現象とは今のところ考えられないが、将来、宮城県沖地震が発生したときに「長い目で見ればあれも前兆だったのか」と総括される可能性がある地震のひとつだとは言っておこう。

今のところ、この地震がもたらす影響については何とも言えない。ただ、プレート境界型地震は、たまったプレート境界の歪みを解放することが目的で発生するものなので、今回、この規模の地震が起きたことで、ある程度この地域のプレート境界のエネルギーが発散されたことは事実だろう。

○7月24日未明の地震
気象庁プレスリリース第1報  第2報
震源地:岩手県沿岸北部
震源深さ:約108km
規模:M6.8
地震の種類:活断層型(正断層型)

まず、震源深さが108kmというのはかなり深い。過去の地震でも最も深い部類に入るだろう。6月に岩手・宮城内陸地震が10kmという極めて浅いところで起こったのとは対照的である。

正断層型というのは、プレスにもあるとおり、断層同士が外に向かって引っ張り合った結果、ずれて発生するものである(この逆に、断層同士が内に向かって押し合った結果、ずれて発生するものを逆断層型という)。先月の岩手・宮城内陸地震は逆断層型だったから、この点でも正反対である。また、震源が深かったことは、広範囲に強い揺れをもたらした。

気象庁は、今回の地震が極めて深いところで発生しているのに対し、岩手・宮城内陸地震が極めて浅いところで発生していることを理由に、両者の関連は薄いと判断しているようだ。確かに、これだけ震源深さが異なっていると、平面上で両者の震央が近いことだけをもって両者を関連づけることは難しい。

○岩手・宮城内陸地震、福島県沖地震、今回の岩手県沿岸北部地震を通して
「岩手・宮城」と「岩手県沿岸北部」の関連性は薄く、また「福島県沖」はプレート境界型であるため、活断層型である他の2地震とは別物である。ということは、これら3つの地震は、メカニズムも震源もそれぞれ異なる3つの地震が、「偶然」1ヶ月間に近接した地域で発生したことになる。だが正直、1ヶ月で3度も大きな地震に見舞われた東北在住者としては、「本当に何の関係もないのか?」と不安になってくる。

「福島県沖」が他の2つの地震と異なっているという見解に対しては、当ブログは異存がない。発生メカニズム(気象庁は「発震機構」と呼んでいる)が他の2つと全く異なるからである。問題はともに活断層型である「岩手・宮城」と「岩手県沿岸北部」の関係である。
2007年3月、能登半島沖地震が起きた4ヶ月後の7月に、新潟県中越沖地震が発生しているように、実際には近接した地域の活断層型地震は連鎖的に起こる場合も多い。活断層については現在も未解明の部分が多いだけに、「完全に無関係」とは言い切れないのである。

前述したように、プレート境界型地震はたまったプレート境界の歪みを解放することが目的で発生するものなので、「福島県沖」が発生したことで、ある程度この地域のプレート境界のエネルギーが発散され、同種の地震はここしばらくは起こらないと推定することも可能である。逆に、活断層型地震はひとつの地震が眠っていた活断層を呼び覚まし、次の同種の地震を誘発することがある。従って、「もう地震があったから大丈夫」ではなく、警戒を怠るべきでないということである。

○緊急地震速報について
産経記事にあるように、今回も緊急地震速報は間に合わなかった。第1報は地震発生から約20秒後のことである。

緊急地震速報は、P波(縦揺れ)とS波(横揺れ)の到達時間差を利用して地震速報を行うシステムである。P波とS波の到達時間の差は、震源から遠ければ遠いほど大きくなるから、震源地の近くより遠く、震源が浅い地震より深い地震のほうが発生前に予測できる可能性が大きくなるわけである。

「岩手・宮城」「福島県沖」はともに震源深さが約10kmと浅く、緊急地震速報が間に合わないのは仕方ないと思っていた。しかし今回、震源深さが108kmと深い地震でも事前速報に失敗したことで、緊急地震速報に関しては、当面はアテにできないし、しないほうがいいと当ブログは考える。

緊急地震速報は、まだシステムとしてスタートしたばかりであり、その精度を上げていくことは、今後の検討課題と捉えておくべきだろう。

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【速報】岩手で震度6強の地震

2008-07-24 01:24:59 | 気象・地震
6月の岩手・宮城内陸地震から1ヶ月ちょっとというのに、24日午前0時26分頃、また大地震が発生した。各地の震度

白河では震度3だった。私たちは無事で、物的被害もないので、無用な電話連絡は控えてほしい(災害用伝言ダイヤルへの登録を検討中)。

なお、深夜2時から気象庁の緊急会見が予定されているとのこと。プレス発表を見た上でコメントしたい。

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