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外部調査委、JR西・井手氏を断罪

2009-11-18 21:00:24 | 鉄道・公共交通/安全問題
「組織防衛を優先」漏えいで最終報告…JR西(読売新聞)

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 JR福知山線脱線事故を巡る国土交通省航空・鉄道事故調査委員会(現・運輸安全委員会)の情報漏えい問題で、JR西日本の佐々木隆之社長は18日、前原国土交通相に、漏えい問題を検証していた同社の第三者調査機関「コンプライアンス特別委員会」がまとめた最終報告書を提出した。

 また、漏えいにかかわった役員や社員計35人に対する社内処分を発表した。一方、前原国交相はJR西が接触した委員のうち現職の宮本昌幸、楠木行雄の両氏を辞任させる意向を示した。

 最終報告書は、漏えい問題の背景に「被害者や社会の目よりも、組織防衛の意識が優先する企業風土があった」とし、「経営トップが先頭に立って、組織的・継続的に一連の行為に取り組んだ」と結論づけた。

 こうした企業風土が生み出された背景として、国鉄民営化後、社長、会長を務め、脱線事故後に相談役を退任した井手正敬氏(74)に言及。「他人の意見に耳を傾けない独裁的経営」を「経営のあやまり」とし、「井手氏の影響力が相談役になっても衰えず、『院政』が敷かれた」ことが、組織風土を作ったと指摘した。

 社内処分では、問題に直接関与し、「事故調の報告書の内容に影響を与える働きかけをした」とされる当時の副社長・鉄道本部長の丸尾和明・日本旅行社長が最も重く、現在の報酬月額3か月分の5割返上を求めた。ほかの13人の幹部らにも報酬返上を求めた。山崎正夫・前社長と土屋隆一郎・前副社長(いずれも現嘱託)は取締役を既に解任されており、追加処分は見送った。
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第三者機関「コンプライアンス特別委員会」の調査報告書がまとまった。この報道を見る限り、報告書の内容は概ね評価できるのではないか。とりわけ、井手正敬・元社長について「他人の意見に耳を傾けない独裁的経営」「院政」と指弾したことは、当ブログがこれまで主張してきたことと基本的に同じである。報告書不正入手問題を「組織的」であり、組織防衛第一の行動としたことも妥当である。

JR西日本幹部が加わらない第三者調査機関であれば、これだけ思い切った調査結果が出せるのだということがわかった。逆に言えば、JR西日本幹部がみずから加わって組織する調査委員会では思い切った結論は出せないということである。被告人が裁判長を務めるような調査委員会で、会社に不利になるような報告など書けるわけがない。

それにしても、丸尾和明・元副社長がいまだ日本旅行社長の職にのうのうと留まり続けているとはどういうつもりなのか。

丸尾氏が日本旅行に天下ることがJR西日本から発表されたのは2008年5月だった。2006年、幹部らを相次いで子会社に天下りさせ、尼崎事故遺族らから厳しい批判を受けたJR西日本は、これら天下り幹部を子会社の役員から退任させざるを得なくなった。ところが、その記憶も醒めやらぬうちに丸尾氏は天下りをしたのである。

これは遺族・被害者に対する背信行為そのものである。事故当時の幹部の天下りに対する批判を受け、彼らを退任させた後に再び天下りをした丸尾氏は、いわば確信犯的に天下りをしたのであり、その責任が退任させられた幹部連中より重いことはいうまでもない。それなのに、受ける制裁がたったの報酬5割返納、それもたったの3ヶ月間とは、寝言は寝てからにしろよと思う。報告書の内容がそれなりに適切だったと思われるだけに、それとあまりにかけ離れた丸尾氏への「大甘処分」はどうしても理解できない。

繰り返す。丸尾氏は日本旅行社長を直ちに退任し、退職金も返納すべきである。いまだに列車に乗れないほどの後遺症に苦しんでいる被害者がいる中で、JRの列車を利用したツアーなどの旅行商品を売る会社の社長を務める資格は、丸尾氏にはない。

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