平成29年6月25日07時02分頃の長野県南部の地震について(気象庁報道発表)
日曜朝、遅い時間まで寝ていようと思っていたのに、早朝、タブレット端末の地震速報で叩き起こされた。震源は長野県南部。最初は驚いたものの、その驚きはすぐに解消した。長年にわたって地震観測・分析を続けてきた当ブログにとって、思い当たることの多い場所だからだ。
まず、震度5強を記録した王滝村という地名に覚えがあった。古い話になるが、1984(昭和59)年9月に起きた長野県西部地震で大きな被害を受け、当時、大々的に報道された場所だ。平成の大合併も行わず、王滝村の地名が今なお残っていることは知っていた。
その長野県西部地震と今回の地震を比較してみて、震源地が非常に近いことに驚いた。気象庁の報道発表の6ページにも記載されているが、位置関係を示すと以下の通り。
さらに、2014年に大噴火を起こした御嶽山からも非常に近いことがわかる。気象庁は火山噴火と地震が「連動」するとの説に対し、公式には否定的な姿勢だが、木村政昭・琉球大名誉教授のようにかねてから地震・噴火連動説を採る学者も存在する。御嶽山噴火と今回の地震が連動しているとの考え方も一定の説得力を持っている。
長野県西部地震から起算して、御嶽山噴火は30年後、今回の地震は33年後であり、これも関連は薄いように思われる。しかし、70億年といわれる地球の「一生」の中で30年はわずかな誤差の範囲内であり、これも関連している可能性を見ておくべきだろう。
気になるのは、今回の地震の規模、震度のいずれも長野県西部地震と比べて小さいことだ。長野県西部地震では、王滝村で震度6(烈震)を記録したのに対し、今回はやはり最大震度を記録した王滝村でも震度5強だ。1984年当時の震度は1~7の7段階制で、王滝村の震度6は上から2番目だった。現在は震度1~7までで一見、当時と変わらないように見えるが、震度5と6に「強」「弱」の区別があるため9段階制で、今回の地震における王滝村の震度5強は上から4番目に過ぎない。
地震の規模で見ても、長野県西部地震がM6.8であるのに対し、今回の地震はM5.6とかなり小さい。マグニチュードが1小さいと地震のエネルギーは約32分の1であり、この意味からも今回の地震は長野県西部地震のレベルにはまったく達していない。
今回の地震が最終的に長野県西部地震並みの活動規模になるかどうかはわからないが、仮にそうなるとすれば、もう1段大きな「本震」がこの後にあるかもしれない。長野県西部地震で被害の大きかった地域を中心に、震源に近い地域では十分な警戒をしてほしい。
日曜朝、遅い時間まで寝ていようと思っていたのに、早朝、タブレット端末の地震速報で叩き起こされた。震源は長野県南部。最初は驚いたものの、その驚きはすぐに解消した。長年にわたって地震観測・分析を続けてきた当ブログにとって、思い当たることの多い場所だからだ。
まず、震度5強を記録した王滝村という地名に覚えがあった。古い話になるが、1984(昭和59)年9月に起きた長野県西部地震で大きな被害を受け、当時、大々的に報道された場所だ。平成の大合併も行わず、王滝村の地名が今なお残っていることは知っていた。
その長野県西部地震と今回の地震を比較してみて、震源地が非常に近いことに驚いた。気象庁の報道発表の6ページにも記載されているが、位置関係を示すと以下の通り。
さらに、2014年に大噴火を起こした御嶽山からも非常に近いことがわかる。気象庁は火山噴火と地震が「連動」するとの説に対し、公式には否定的な姿勢だが、木村政昭・琉球大名誉教授のようにかねてから地震・噴火連動説を採る学者も存在する。御嶽山噴火と今回の地震が連動しているとの考え方も一定の説得力を持っている。
長野県西部地震から起算して、御嶽山噴火は30年後、今回の地震は33年後であり、これも関連は薄いように思われる。しかし、70億年といわれる地球の「一生」の中で30年はわずかな誤差の範囲内であり、これも関連している可能性を見ておくべきだろう。
気になるのは、今回の地震の規模、震度のいずれも長野県西部地震と比べて小さいことだ。長野県西部地震では、王滝村で震度6(烈震)を記録したのに対し、今回はやはり最大震度を記録した王滝村でも震度5強だ。1984年当時の震度は1~7の7段階制で、王滝村の震度6は上から2番目だった。現在は震度1~7までで一見、当時と変わらないように見えるが、震度5と6に「強」「弱」の区別があるため9段階制で、今回の地震における王滝村の震度5強は上から4番目に過ぎない。
地震の規模で見ても、長野県西部地震がM6.8であるのに対し、今回の地震はM5.6とかなり小さい。マグニチュードが1小さいと地震のエネルギーは約32分の1であり、この意味からも今回の地震は長野県西部地震のレベルにはまったく達していない。
今回の地震が最終的に長野県西部地震並みの活動規模になるかどうかはわからないが、仮にそうなるとすれば、もう1段大きな「本震」がこの後にあるかもしれない。長野県西部地震で被害の大きかった地域を中心に、震源に近い地域では十分な警戒をしてほしい。