安全問題研究会(旧・人生チャレンジ20000km)~鉄道を中心とした公共交通を通じて社会を考える~

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JRおおさか東線延伸大幅ずれ込み 用地買収が難航

2009-02-04 21:18:50 | 鉄道・公共交通/交通政策
JRおおさか東線延伸大幅ずれ込み 用地買収が難航(産経新聞)

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 大阪府東部を南北に走るJR西日本の新線「おおさか東線」(久宝寺-新大阪間、約20キロ)の全面開業が、予定の平成24年春より大幅にずれ込む見通しであることが分かった。用地買収が難航していることなどが理由という。おおさか東線は、20年3月には久宝寺-放出間(9キロ)が開業したが、残る放出-新大阪間はいまだ着工できていない。

 路線のうち、大阪府吹田市から新大阪駅北側の部分は、従来の計画通りでは踏切の待ち時間が長くなることに懸念の声も出ていた。

 このため、同線を整備する大阪府とJR西などが出資する第三セクター「大阪外環状鉄道」は、新大阪駅に直結する線路の一部を高架化する工事計画の変更を検討。JR西などと協議を始めており、高架工事に伴い総額1200億円といわれる工事費用はさらに膨らむ見通しとなった。
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沿線住民にとっての利便性を考えれば、「おおさか東線」北部の早期開通を促すべきなのだろうが、鉄道ファンとしては、ここの開通が遅れてくれれば、その分だけ城東貨物線の人気スポット「赤川鉄橋」(動画)と長く付き合えることになるわけで、嬉しい気がしないでもない。

ただ、全国的に鉄道は踏切を減らしていくことが時代の要請となっているだけに、大都会のど真ん中に新たに「開かずの踏切」を作り出すような整備計画は軌道修正すべきではなかろうか。遅れついでにじっくり見直してみるのも悪くないかもしれない。

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首都圏「パスモ」エリア拡大に難問…大手と中小が平行線

2009-02-03 22:56:48 | 鉄道・公共交通/交通政策
首都圏「パスモ」エリア拡大に難問…大手と中小が平行線(読売新聞)

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 ICカード乗車券「PASMO(パスモ)」の利用エリアを拡大するかどうかを巡って、パスモ加盟各社の間で意見が割れている。

 JR東日本の「Suica(スイカ)」は“全国規模”で利用できるが、パスモは基本的に首都圏でしか利用できないため、顧客拡大を狙えないとして、一部の大手私鉄がエリア拡大を希望。これに対し、地域経営型のバス会社などは「これ以上の追加費用は負担できない」と反対意見が強く、議論は平行線をたどったままだ。関係者からは「寄り合い所帯の弱点が出た」と嘆く声も聞こえてくる。

 パスモは、首都圏の東急電鉄、小田急電鉄、東京メトロなど私鉄26社と、関東バス、神奈川中央交通などバス会社78社の計104社で作る「PASMO協議会」(東京都)が、2007年3月から発行。加盟各社の交通機関を1枚のカードで利用できる利便性が受け、昨年12月時点で約1105万枚が流通している。

 パスモは、JR東が01年11月に発行したスイカの技術を使って開発されており、パスモを使えばJR東の鉄道に乗ることができるほか、売店での買い物も可能だ。

 しかし、パスモはスイカとだけしか互換性がないため、首都圏の私鉄・バスとJR東以外の交通機関や売店では使えない。たとえば、首都圏在住の人がパスモを持って大阪に出張に行っても、JR西日本の鉄道では利用できない。

 これに対し、JR東のスイカは、パスモとの互換性だけでなく、JR西が発行するICカード乗車券「ICOCA(イコカ)」、JR東海の「TOICA(トイカ)」とも互換性があり、各社の鉄道で利用できる。スイカは、JR北海道やJR九州のICカード乗車券とも互換性を持たせる予定で、JR東は着々と“全国展開”を進めており、同社関係者は「現時点で一番便利なカードと自負している」と話す。

 スイカの利便性が高まるにつれ、パスモの加盟社や協議会には利用客から、「首都圏でしか使えないのは不便」という声が寄せられているという。このため、加盟社の中でも比較的経営体力のある大手私鉄を中心に、パスモの利用可能エリアの拡大を望む意見が台頭してきた。

 関係者によると、首都圏以外の交通機関のICカード乗車券と互換性を持たせるために必要なシステム改修費は、1社当たり数百万円程度と試算されている。しかし、パスモ加盟各社は、パスモ運用のための維持費などで毎年億単位の負担を続けており、小規模経営のバス会社などを中心に「これ以上の負担増は困難」「関西地方の客が関東のローカルバスを利用するケースは考えにくく、費用対効果が期待できない」といった反対意見が続出。協議会では利用エリアの拡大について「検討中」と説明するが、結論は当面出そうもない。

 これに対し、パスモと同様に関西地方の私鉄などで使え、JR西のイコカとも互換性のあるICカード乗車券「PiTaPa(ピタパ)」の発行会社「スルッとKANSAI」(大阪市)では、「利用エリアを関西圏から拡大する方針は、加盟社間で合意に達している」としている。

 こうした状況に、パスモ加盟社からは「ICカード乗車券の普及を急ぐあまり、企業規模や経営姿勢が全く異なる会社を寄せ集めたツケが回ってきた。このままでは機能が充実しているスイカに市場を奪われる恐れがある」と指摘する声が出ている。一部からは、「協議会の分割を考える時期に来ているのではないか」という意見まで上がっている。
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こういう報道に接すると、ああ、パスモも曲がり角に来たんだなと思う。そもそも、旧国鉄から生まれた全国規模のJR各社と、地域輸送のための私鉄とでは役割が違うのだから、こうなるのは仕方ないだろうと思う。鉄道とバスの役割分担も含め、見直すべき時期に来たということだろう。当ブログは、鉄道とバスで協議会を分割したらどうか、と提案する。

国鉄の分割により、一時は全国ネットワークとしての鉄道の骨格の維持が難しくなるのではないかと思われた時期もあったし、横軽の廃止など、鉄道政策としては明らかに誤っていると考えられるネットワーク破壊の例も見られた。しかし一方で、JR特急が東武に乗り入れたりするなど、ここ数年、鉄道は再びネットワークを強化し、活かす方向へと明らかにシフトしてきている。そのことを考えれば、鉄道会社同士ではICカード乗車券の互換性を拡大していくことが有効な政策だということは明らかである。

一方、バス会社は必ずしもそうではない。長距離夜行バスという例外はあるにせよ、バスの根幹は地域輸送であるから、やみくもにICカード乗車券の相互利用を拡大しても無意味なことが多い。西東京バスで奥多摩から立川の病院へ通院するおばあちゃんに「今度からバスカードが大阪でも使えますよ」なんて言っても、喜ばれもしないだろう。だから、バスの場合はせいぜい、首都圏、関西圏、中京圏といったそれぞれの地域ごとに統一を図ればよいのである。

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ついにモバイルSuicaに移行

2009-02-02 23:15:47 | 鉄道・公共交通/趣味の話題
長年、やってみたいと思いながらできなかったモバイルSuicaへの移行を果たした。

昨年、携帯電話をFerica対応のEXILIMケータイ、W53CAに変えたときから電子マネーを試したいと思っていたのだが、日々の忙しさに紛れて忘れてしまい、黒磯以西のSuicaエリアに出かける時も、Suicaはカード式のものを使い続けていた。

ただ、私はオンラインにクレジットカード番号を流すというのはセキュリティ上避けたいと思っており、ましてや落としたり盗まれたりしやすい携帯端末にクレジットカード番号をインプットするなんて言語道断と思っているので、クレジットカード情報をインプットしなくてすむ「EASYモバイルSuica」として登録を行った。

新白河駅のコンビニ“NEWDAYS”で店員に3,000円分の現金チャージを申し込む。軽快(?)な動作音がして、3,000円がケータイに収まった。

モバイルSuicaアプリの操作だけでは、チャージの方法が解らなくて苦労したが、やってみれば何のことはない。カード式とほぼ同じであり、簡単なもんである。自動改札機を通るときも、わざわざモバイルSuicaアプリを起動する必要はなく、ケータイのリーダーを改札機にかざすだけでいい。

ただしこのEASYモバイルSuicaでは、Suicaグリーン券の発行やSuica定期券、モバイルSuica特急券(新幹線乗車)の機能は使えない。あくまでもカード式Suicaの代替くらいに理解しておいた方がいい。

カード式Suicaの場合、駅の券売機にそれを挿入してSuicaグリーン券情報をインプットし、グリーン料金をSuicaの残額から差し引いてもらう取り扱いが受けられるが、EASYモバイルSuicaにしてしまうと、券売機でSuicaグリーン券情報をインプットすることはできなくなるから、かえって不便になる面もある。電車にはEASYモバイルSuicaで乗車できるが、グリーン券は事前に現金購入するしかない(車内で購入してもいいが、JR東日本の普通列車のグリーン席は二重料金制となっており、乗車後に車内で購入すると割高な料金が適用される)。

ただ、それでも財布の中がカードだらけになり、いざ電車に乗るときにどこにSuicaをしまい込んだかわからなくなってしまうような本末転倒な状態からは解放されるし、EASYモバイルSuicaでは年会費もかからない(EASYでない通常のモバイルSuicaは年会費1,000円)。JR東日本に乗車/降車を記録され、行動を捕捉されてしまう欠点に目をつぶることができるなら、それなりに使えるのではないかと思う。

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愛知万博の負の遺産鉄道「リニモ」が経営危機

2009-02-01 22:04:48 | 鉄道・公共交通/交通政策
愛知万博の負の遺産鉄道「リニモ」が経営危機(ファクタ) - goo ニュース

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愛知万博の会場へのアクセス路線の一つだった東部丘陵線「リニモ」を運営する第三セクター、愛知高速交通が09年3月期決算で約20億円の債務超過に転じる見通しとなった。増資など資本支援をしなければ、借入金の返済が滞ることになる。同社に出資している中部電力、名古屋鉄道など地元の有力企業や金融機関は、愛知県の見通しの甘さや問題の先送り体質が傷口を広げた、と怒り心頭の様子。ところが、県や沿線の自治体の中には財政難を理由に「採算を考えない社会貢献ということでは支援を継続できない」(地元金融機関幹部)と主張する幹部もいる。

リニモは愛知万博の開幕に合わせて05年3月に開業。日本初の磁気浮上式鉄道で、万博期間中は来場者の交通手段としてのみならず、「動く展示物」としても人気を集めたが、その後は鳴かず飛ばず。利用者数は05年度の5万8千人(一日平均)から、08年上期は採算ラインの3万人を大幅に下回る約1万8千人にとどまっている。

地元経済界や金融機関は営業開始当初から万博後の需要に悲観的な見方をしており、「これまでも抜本的な再建計画を県に要請してきたが、当時は景気も良かったので、県の担当者も対応を先延ばしにしていた」(前出)。

県は民間企業も含めた追加出資などで借入金の返済や債務超過の解消を図る方針だが、「百年に一度の経済危機の中、出資に応じられる企業はほとんどない。廃線も真剣に考えるべき」との声まであがっている。

(月刊『FACTA』2009年2月号)
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関係者には申し訳ないが、当ブログ管理人はこの事態を思いっきり予測していた。そもそも一過性の行事に過ぎない「愛・地球博」のために交通機関を新たに作るなんて、どだい無理だったのである。たとえ万博のために一時的な輸送機関が必要だったとしても、「リニモ」は万博のアトラクション扱いにしておき、万博終了とともにお蔵入りさせるべきだったのだ。

愛知県という独特の地域事情もある。トヨタの企業城下町である愛知県では、公共交通機関はクルマという状態であり、公共交通はどこも苦戦を強いられてきた。すでに桃花台新交通が消え、JR西名古屋港線(貨物線)を転用して生まれた名古屋臨海高速鉄道(あおなみ線)もお先真っ暗の状態だ。好成績を残している愛知環状鉄道を除き、愛知県の第三セクター鉄道は全滅に追い込まれることになるかもしれない。

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