気軽に茶道をしてます。

日々のお稽古とともに、できるだけ手作りのお菓子で
お茶を楽しんでいる様子や、四季折々の変化もお伝えします。

茶道資料館「やきもの巡り」後期展へ

2017-07-08 17:05:17 | 美術館・博物館
明日もまた九州北部には大雨との予報が、地盤の緩んでいる
地域もあり、更なる被害がおきぬように願うばかりです。

昨日は「茶の湯の書」講座に京都まで出かけ、目から鱗状態で
表に出て歩いていると、京都は奈良以上に蒸し暑く大変です。
近くの水火天満宮では「棚機祭」?
何て読むの?ああーたなばたですね。
  

忘れないうちに「茶道資料館」、前期から多数入れ替わるとの
ことで「やきもの巡り」京都滋賀編の後期展へお邪魔しました。
はじめにきれいな水差しが登場
【信楽写輪花水指】久左衛門作、栗田焼 17世紀
 

【色絵冊子形兎紐香炉】古清水焼、江戸時代元禄年間


前期でもあった【色絵虫籠形香炉】古清水焼

【鷺の山,黒飴釉長茶入】野々村仁清作、御室焼17世紀 今日庵
大きさにびっくり!
鷺の山

前期でも展示されていた
【腰白茶壺】信楽焼 18世紀 上林記念館

【古染付写山水文扇形向付】永楽保全作19世紀 滋賀県立陶芸の森蔵
滋賀県立陶芸の森

【三彩茄子形徳利】梅林焼 18-19世紀 滋賀県立陶芸の森

【赤絵金彩捻文向付】弥平絵付 湖東焼19世紀前半
井伊家伝来になり関東大震災の被災品で、彦根城博物館所蔵に
彦根城博物館

【大宮人 横糸目茶入】膳所焼 17世紀 膳所焼美術館

【青苔 檜垣文蹲花入】信楽焼 17世紀
青苔

掛物として15点の作品が展示されており、目についたのが、
【黄瀬戸写不識(しらず)形香合】楽家9代了入作で、
算盤玉のように腰が張った形が、達磨大師の面壁座禅姿に由来し、
達磨大師と梁の武帝との禅問答に使われた言葉です。
『碧巌録』第一則の問答
舉梁武帝問達磨大師。如何是聖諦第一義。
 磨云。廓然無聖。
 帝曰。對朕者誰。
 磨云。不識。
なお忘れてならない水指に「不識(ふしき)水指」があります。
千宗旦が名付られたとされる南蛮水指になります。


【南極老人画賛】裏千家11代玄々斎画、
       大網宗彦賛:対朕者誰
南極老人は、道教の神で、
日本では七福神の福禄寿と寿老人のモデルだとされます。
また賛の『対朕者誰』は先ほどの『碧巌録』にも登場し、
道元禅師が、法を伝えた達磨大師とその門下の修行実践を説く
 正法眼蔵 行持 下 第十六には
 梁武初見達磨之時、即問、如何是聖諦第一義。
 (梁武初めて達磨を見し時、即ち問ふ、
          如何ならんか是れ聖諦第一義)
 答曰、廓然無聖。
 進曰、対朕者誰
(朕に対する者は誰そ)
 又曰、不識
 使達磨不通方言、則何於是時、使能爾耶。
(使達磨方言に不通ならんには、則ち何ぞ是の時に於て、
          能くしかあらしむるにいたらんや)

不識(しらず、ふしき)は、識(しっている)、
不識(知らない)を超越したものとしての不識なのだそうで
一つ勉強させていただきました。