民主党政権の内閣支持率がアップしたのは、NHKが大本営発表に精を出したからである。あのわけのわからない枝野幸男官房長官の記者会見が、どれだけの時間放送されたかを考えてみればいい。意味の無いことを喚いていたとしても、電波ジャックは、それなりに成功したのである。しかし、テレビでしか情報をとれない国民というのは、せいぜい3割程度である。それ以外の人たちは、民主党政権の嘘をきちんと見抜いているから、間違っても支持には回らない。今マスコミが問題にすべきは、民主党政権が放射性物質の拡散予測を非公開にしていることだ。菅直人首相らは国民の命とか健康とかをどう考えているのだろう。気象庁がスーパーコンピューターを使って、放射性物質の飛ぶ方向や広がりをシュミレーションしているのに、国民には教えないのである。それが公になれば、外出を控えるとか、マスクをするとかの準備ができる。国民が自ら防衛することが可能なのである。いくらお上に楯突けないNHKであっても、ジャーナリズムの端くれであれば、放射性物質の拡散予測を隠蔽していることを徹底して糾弾すべきだろう。国民からお金をもらって成り立っているわけだから、最終的には国民の側に立つべきなのである。
今の民主党政権よりは、自民党がよりましなことは、いうまでもないことだ。しかし、独断専行で無能極まる菅首相をそのままにして、連立を組むのであれば国民は迷惑をするだけである。事態は刻々と悪い方向に向いているのである。何度でも言うが、シビリアンの力では難しくなってきているのだ。選挙のことしか念頭にない政治家がいくら集まっても、福島第一原発の危機は解決しない。警察、自衛隊、米軍のプロフェッショナルに任せるしかないのである。膨大な復興費が民主党の匙加減でどうにでもなるというのを、自民党の一部には心配するむきもあるようだが、そんなことをすれば、いくらおとなしい日本国民であっても、黙っているわけがないのである。下手な連立をやれば、船頭を多くして、船山に登ることになってしまうだけだ。連立というのは、菅首相からすれば、国民からの批判を少しでも和らげようという、苦肉の策なのである。そこに自民党が安易に乗ることは、あまりにも愚か過ぎる。今やるべきことは、政局ではない。国民の命を脅かす放射能漏れを止めることだ。非常事態は、現在も続いたままなのである。それだけに、政治に求められているのは、数合わせではなく、トップのリーダーシップなのである。