野党やマスコミは政府の新型コロナ対策を批判するが、他の国々と比べると、成功しているのではないだろうか。山本七平が述べていたように、日本人は空気に支配されており、異論を口にすると排斥される。連日のようにマスコミは新型コロナの危機を煽っている。すでに感染者の数にしてもピークアウトしており、春に向けて経済を動かすべき時期に来ているのに、真実を伝えるというよりは、視聴率を取るために騒ぎ立てているのである▼緊急事態宣言の延長にしても、それが及ばすマイナス要因も考慮すべきだろう。池田信夫がツイッターで、NHKが昨夜に流した「緊急事態宣言解除のタイミングと経済への影響 専門家の分析は」というニュースを批判している。解除するにあたって、一日当たりの東京の感染者数が400人の場合と、100人の場合では、死者の数が900人も違うというのである▼500人であれば、4月の後半に2000人を上回る最悪の事態になると想定している。さらに、再び緊急事態宣言が出され、経済的損失は3100億円増加になるという。100人だと4100億円増加になってしまうので、1000億円増加の250人が落としどころなのである▼池田は揶揄して「緊急事態宣言をずっと続けたら経済損失も少なくてみんなハッピー」とツィートしているが、私たちは、危機を煽るだけのNHKの報道に振り回されてはならないのである。
アメリカの大統領にバイデンが就任したのに合わせるかのように、これまで増幅に必要なサイクル数のCt値が37から40であったのを、WHOが下げる指針を発表したという。もしそれが本当であれば、世界中の陽性者の数は激減するのではないだろうか。Ct値が35を超えれば擬陽性の確率が高いため、それを是正するために処置だといわれる。バイデンにとっては願ってもないことだろう▼人の命を重視する日本は40であり、台湾は35である。GreenIceRose氏は「Ct値35以上は他の人にうつす可能性はほとんどゼロ(通常の生活では完全ゼロ)なので、これはもう陰性として処理して、その人には3-4日注意してもらって、3-4日後に再検査して、Ct値が下がってこなかったら、回復者としてカウントして良いと思う。また最初のCt値35を32に設定しても問題はないかと思う」とツイートしている▼連日のようにマスコミは、大々的に陽性者の数を伝えているが、PCR検査が正確でないことはこれまでも指摘されてきた。Ct値についてはもっと議論を深めるべきではないだろうか。新型コロナの封じ込めに成功したという台湾を参考にすべきなのである。どのレベルから感染が拡大するのか、それを把握することが大事ではないだろうか。日本の医療が逼迫しているのであればなおさら、そういった点も再検討すべきなのである。
新型コロナウイルスの感染拡大に歯止めがかからない。昨日は東京ではこれまででもっとも多い2447人が、大阪でも過去最多の607人が感染した。いずれも20代と30代で半数を占める。行動的な世代がウイルスを拡散しているのだ。重症化しやすい日本の65歳以上の高齢者の人口は3617万人で、総人口の28・7%を占めており、楽観視することはできない。新型コロナウイルスの変種は感染力が極めて高いことが確認されている。それが日本にも広がってきているのではないか▼それでも欧米と比べると、感染者数も死亡者数も日本は段違いに少ない。どのような対策を取ればいいのか頭が痛いところだ。菅内閣は今日から東京など一都三県に緊急事態宣言を出したが、対象となるのは全飲食店とカラオケ店である。午後8時までの営業時間の短縮を要請するのである▼人がワイワイ集まるのを避ければ沈静化すると思っているのだろうが、それ以上に実行すべきなのは、海外からの入国の全面禁止ではないだろうか。いくら日本国民が政府の言う通りに動いても、外国人が日本に入ってくるのをストップしなければ、元から断つことにはならないからだ。さらに、特定の医療機関に限定するのではなく、どこの病院でもマニュアルに従って診療すべきである。ここまでくればあらゆる方策を動員すべきなのである。