平成の御代のうちに犯人が逮捕されてよかった。令和の御代にまで引きずれば、重苦しい雰囲気になってしまうからだ。悠仁親王殿下が通われるお茶の水女子大付属中学校に侵入し、悠仁親王殿下の机の上に刃物を置いたのは、皇室に対するテロである。元号が変ろうとしている今、国民が歓迎ムードに冷水を浴びせたかったのだろう▼捕まった男は、自称長谷川薫と名乗っているというが、なぜ本名を明らかにできないのだろう。職業などについては、自称という言い方が用いられることがあるが、あまりにも不自然である。公表できない何かがあると勘繰りたくなる。56歳ということだから、分別があってよさそうなものだが、特定のイデオロギーに凝り固まっているか、さもなければ愉快犯の可能性もあり、背後関係も含めて、徹底的に捜査すべきである▼戦後になってからは、開かれた皇室ということで、天皇ご一家は、普通の庶民と同じようなことをされるのがよしとされた。悠仁親王殿下がお茶の水女子大付属中学校で学ばれるというのも、その考え方を踏襲している。しかし、それでよいのだろうか。西行法師が伊勢の天照大御神の神宮を拝して「なにごとのおはしますかは知らねども、かたじけなさに涙こぼるる」との歌を詠んでいる▼日本人の皇室への心情を代弁しており、ミステリアスであるからこそ、天皇陛下は、日本国民の統合の象徴であられるのである。令和の御代を迎えるにあたって、私たちは、そのことにも思いを馳せるべきではないだろうか。
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