草莽隊日記

混濁の世を憂いて一言

令和7年1月1日 5首

2025年01月01日 | 短歌
吾れ一人天地にあるを噛みしめん小林秀雄の『宣長』読めば
いとけなき我が子も育ち親となる時の流れを新年迎え
長谷寺の除夜の鐘かなテレビでは初瀬の川に響く余韻が
言挙げて御国のためと思いしも老いたる我は繰り言ばかり
ぬばたまに人声もなし元旦もお参りをする人もまばらに

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トランプは 復活するに 安倍晋三 帰らぬ人ぞ 秋風ぞ吹く 5首

2024年11月06日 | 短歌
トランプは
復活するに
安倍晋三
帰らぬ人ぞ
秋風ぞ吹く

国難に
目を背けたる
国民の
選びし政治家
有象無象ぞ

アメリカの
エリートが負け
名も知れぬ
民の怒りが
トランプ革命

ささやかな
暮らしを守れ
ささやかな
命を守れよ
日の本の国

我が祖国
和を尊びて
争わず
平和愛せし
民が築きし

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原爆投下 5首

2024年08月06日 | 短歌
一冊の本書き上げてホッとして心機一転先に進まん

広島へ原爆投下かのときの国際法の違反許せず

わが国を攻めんとする国目の前にされども民に危機感はなし

己が死の後に続くと信じたる英霊の声悲しみの声

靖国の社に人が集いける日本の危機を感じるが故
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老いたる我が身 5首

2024年06月30日 | 短歌
ともすれば何事もせず一日が終わればいいと思う日もあり

老いてなおまだ見ぬ世界ありながら命短い人の世さびし

いくばくの命の果てを思う日の造花の薔薇の色は褪めたり

一人来て一人去り行くさすらいの旅路と変わらぬ人の命は

誰しもが歌詠み人になることができると信じて言葉紡がん
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福井県にて 五首

2024年06月05日 | 短歌
幾たびも通った道を辿り来てかのときと我は変わらず

丸岡の青田で休む農婦から声かけられた中野重治

蟹を売る小屋に立ち寄り潮風で髪を靡かす乙女はうるわし

正義ほど危ういものはないゆえに人を裁かず我を裁かん

越前市武生の駅はモダンなり見知らぬ街を歩く靴音
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桜咲く朝に 5首

2024年04月11日 | 短歌
見上げれば桜咲きたる城跡に往時の面影偲ぶ朝かな

キーボード文字打つ音も忙しなく朝の仕事を終えて珈琲

かのときの革命の書を片隅に積みて読まずに過ぎる淋しさ

事故からの歳月三年刻みけり励ます友が三人旅立つ

老いてなお学ぶことを生きがいに先を目指すは無知なる我は
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山桜花 五首

2024年04月08日 | 短歌
山奥にひっそり咲きて散るだけの山桜花愛でる人無し

熱塩の遠藤さんが手折りたる山桜花喫茶の玄関

君問うな大和心は宣長の朝日に匂う山桜花

めぐりきし春の訪れ山桜こぼれる命散るを厭わず

うるわしき会津にありて憂国の思いやむなし桜花かな

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開戦の日を前にして 5首

2023年12月05日 | 短歌
敗れたる戦いなれど悔いなきと語りし人も雲の彼方に

開戦のあの日の朝のラジオにて拳握りし民の子孫ぞ

特攻の若者白きマフラーに母の写真忍ばせしとも

悲しきは谷村新司「群青」は三百万の同胞の死を

潔く死ぬことでしか桜花咲かぬ時代が目前なりし
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徳一ゆかりの寺を取材する 5首

2023年10月25日 | 短歌
徳一のゆかりの寺の先々で無著世親の立像思はむ
 (運慶作の無著・世親の仏像が興福寺北円堂に)

観音を拝みてすがる人々の「助けたまえ」の御詠歌悲し

菩薩なる心を求めて取材するこの我もまた巡礼の旅

現代の世の荒廃を見るにつけ唯識思想は心を問いし

わけもなくお寺に足が向きにけり人の子ゆえの儚さゆえに

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国を憂いて 5首

2023年10月23日 | 短歌
訥々と語るだけなりこの我は国を憂いて小室直樹を

狂人と嘲けた者は恥を知れ三島由紀夫は今を予言す

ささやかな講演会でこの我は草莽なりし熱き思いを

戦争を阻止するために日本の守り固める子や孫のため

生命より大事なものがあることを教えた人のことば尊し

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