金と女と酒でしくじるのである。いくら偉いことを口走っても、それで人生を棒に振った男は多いのである。前文科省の事務次官の前川喜平とか、TBS の元記者とかも、それで天下に恥をさらすことになったのである。「色を好むがごとく学問に励め」という言葉が『論語』にあったような気がするが、エネルギーをどこに向けるかなのである。国家への忠誠心が乏しい政治家や官僚、マスコミ関係者がハニートラップに引っ掛かったすれば、我が国にとって大問題である▼戦前であれば、天皇陛下が絶対であったことで、忠誠対象が明確であった。それが戦争を経験した世代の共通の意識であった。昭和50年代頃までは、日本が息づいていたのである。今上天皇というよりも、もっと日本の国柄に関係する根本的な天皇観であった。戦後の教育を受けた者たちは、公という価値観を教わらずに大きくなった。自分の欲望や思いを最優先にすることが、人間らしいと勘違いしているのである。官僚やマスコミ関係者は、ある意味ではエリートであり、『孟子』に書かれているように、「千万人と雖も吾往かん」の気概が大事なのである▼白虎隊の生き残りであった山川健次郎は偉大であった。品行が改まらない伊藤博文を批判した山川は、会津人の一徹さを貫いたからだ。「先生は古武士の風格を具え、正義観念の極めて強く、自ら信ずる所は一身利害を顧みずして邁進せられた」からである。エリートは山川精神にこそ学ぶべきなのである。
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