安倍晋三という政治家が残した遺産によって、我が国は当面の危機に対処しつつある。マスコミや特定野党のアベガ―には理解できないだろうが、その事実を私たちは直視しなくてはならない。
東アジアの危機は緊迫してきているが、平成27年に平和安全法制が成立したことで、集団的自衛権の一部容認が認められたことの意義は大きい。自衛隊とアメリカ軍との同盟関係の絆は強化され、いざというときの準備は、徐々に整いつつある。
台湾有事に備えて、再来年の成立を目指し、陸海空の自衛隊を一元的に担う常設の統合本部が設置され、作戦を指揮する「統合司令官」が置かれることになった。アメリカ軍との一体化の窓口となり、日米合同軍として抑止力を高めるのである。
安倍さんが言っていた反撃能力についても、国民の大方は支持しており、アメリカからトマホークを購入するということがほぼ確定した。ようやく我が国は、安全保障の面で国家として身構えつつある。
また、経済面では、財務省の言いなりの岸田首相に、安倍さんの遺志を引き継いだ積極財政出動派が圧力をかけ、約30兆円の第二次補正がまとまった。高橋洋一氏によると、内閣府の経済効果試算でGDPを4・6%押し上げるというのは、真水は25兆円程度以上になり、結果オーライなのである。
安倍さんがテロリストに殺害されたことで、我が国は筆舌に尽くしがたい損失をこうむったのであり、返す返すも口惜しい。菅元首相の弔辞を引き合いに出すまでもなく、安倍政治というのは、大筋においては間違っていなかったのである。