今の中共は孫文が定義した覇道国家にあてはまる。何度も取り上げて来たが、孫文が大正13年の神戸女学校で行った「大アジア主義」の講演ほど、日本の保守民族派の胸を打つものはない。なぜ欧米列強に立ち向かわなくてはならないかを、懇々と説いたからだ。とくに民族解放について述べた部分は、今もって色あせてはいない。「それは苦しみを受けたアジア民族が、どうしたらヨーロッパの強力な民族に抵抗できるかという問題です。簡単にいえば、被圧迫民族のために不平等をやっつける問題であります。圧迫を受ける民族はアジアだけではなく、自州と自国の民衆も圧迫するものである。われわれの説く大アジア主義は、これらのあらゆる被圧迫民族を結集して、不平等と戦うことであります」と述べたのである。まさしくそれは、共産独裁国家中共を語るに、もっともふさわしい。「自国の民衆も圧迫」しているのは否定できず、それを打倒せずしては、大アジア主義は意味を持たないのである。その中共と接近して、軍事はアメリカ、経済は中共と使い分けようとしているのが韓国である。それがアジアに混乱を引き起こしているのだ。隣国であるから、中共や韓国と友好関係を築くというのではない。そこにあるのは、抑圧された者たちと連帯して圧迫から解放するための戦いの正当化である。「大アジア主義」とは本質的には、現状を否定するダイナミズムな運動であり、だからこそ、それが日本革命にも結びつくのである。共産独裁国家中共で抑圧に苦しむ者たちを、日本は見捨ててはならないのだ。かつての大陸浪人は、それがあったからこそ大陸に雄飛したのではなかったか。保守民族派は排他的な主張を好むのではない。真の日中友好のためには、両国民が力を合わせれやるべきことがあるのだ。それが「大アジア主義」なのである。
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