今日は冬至。やっと夜の長さがこれ以上長くならない日が来た、とほっとする。
なんであれ、「底」を過ぎれば後は上がるだけ、と抗がん剤の副作用同様と思うことにしたい。ものは考えよう、ということだ。
天気予報によれば、冬至とはいえ、寒さは大寒の頃のものだという。
朝の出勤時、息が真っ白だった。頬にピリピリと刺し込むような寒気。これからは、寒さは厳しくなるけれど、日に日に日は長くなっていく。それだけで気持ちが楽になる。
そして、ようやく金曜日。5日間無事フルタイムで働くことが出来て安堵している。
今夜は、先日夫が八丈島で頂いてきた赤ちゃんの頭ほどある大きな柚子を入れて入浴するのが楽しみだ。ゆっくり温まってぐっすり眠りたい。
かくいう夫は、今日も今日とて忘年会。息子は、終業式前日の成績判定会議のため自宅学習日でお休み。
明日からはカレンダー上では三連休だが、私は午後から進路説明会に引き続く保護者会で、あまり頂きたくない成績表の受け取りが控えている。
さて、先日も賢い患者になりたいと書いたけれど、今や玉石混交のがん情報が溢れている中、甘い言葉に騙されずにありたいと思う。粒子線治療等、従来の放射線治療に比べて格段に副作用が少ないという新しい治療は何かと気になるものだけれど、自分にとって、自分の病にとって正しい情報を取捨選択しなければならないと思う。
乳がんにとって粒子線治療は無力だ、という渡辺先生のコラムをご紹介したい。
※ ※ ※(転載開始)
がん内科医の独り言 がん情報を見極める力(2012.12.21)朝日新聞 静岡版
■粒子線治療、無力な場合も
インターネットやテレビ報道には、がん治療についての情報があふれています。副作用がない、切らずに治る、劇的な効果、奇跡の生還など、耳あたりのよい表現で、万能な治療のような印象を与えます。
先日も、粒子線治療をテレビ番組で取り上げていましたが、これもがんに関する正しい知識がないと、良い治療とは言えません。粒子線は放射線の一種ですが、多くの病院で使われているX線やガンマ線を用いた治療と違い、サイクロトロンと呼ばれる円形加速器で巨大なエネルギーをもつ粒子放射線のビームを発生させ、病巣に照射するものです。
X線やガンマ線は、スポットライトの光のように、当てた部分の周囲にも多少ぼやっと広がるため、照射する範囲のまわりにもエネルギーが散乱します。その結果、皮膚、粘膜、神経、脊髄(せきずい)などの周辺への影響は避けられず、重い副作用が現れることがあります。
それに比べて、粒子放射線は、一定の深さ以上には進まない、狙った深さで最も強く効果を発揮する、エネルギーの散乱が少ないなどの特徴があり、がん病巣に、ドンと効果を集中させることができます。体の深い部分に塊として存在するがんや、圧迫症状がある場合には効果を発揮します。
例えば、鼻の奥にできた上咽頭(いんとう)がんは、手術で切除するとしたら、顔の中心部分をごっそりとえぐりとらなくてはいけません。しかも、抗がん剤はあまり効かず、また、早い段階から、全身に転移するという傾向が少ないため、粒子線治療に適した疾患といえます。その他、転移のない肝細胞がん、一部の中枢神経腫瘍(しゅよう)などに適しています。
逆に、全く適していないがんとしては、乳がん、大腸がん、卵巣がん、胃がんなどです。とくに多数の遠隔転移を伴った場合や、タンポポの種のような目にはみえないような小さな転移が想定されるような場合には、粒子線治療は無力なのです。(浜松オンコロジーセンター・渡辺亨)
(転載終了)※ ※ ※
今や、乳がんはごく初期のうちからタンポポの種のように体全体に散らばって、目に見えない小さな転移がある、というのは良く知られていることだ。
しこりは僅か1センチ、早期発見でリンパ節転移もなし、最初の病院で低リスクと判断された私は本当にこのパターンだったのだな、と改めて納得してしまう。
私が初発治療を始めた頃は、自分の病理結果から得たがん細胞の様々な情報を入力するだけで、無治療、ホルモン治療のみ、化学療法のみ、ホルモン治療と化学療法の両方の治療を受けた場合の再発率がはじき出されるアジュバント・オンライン・ソフトもなかった。
そうはいっても、今更このことを云々言ってみたところで詮なきことだ。それなら少しでも遅く病気になった方が良かったのに、というそれこそ身も蓋もない話になってしまう。
治療は日進月歩だから、今の自分にとっての有意義な情報に対して常にアンテナを張ってその時にベストと思える選択を続けていくしかないのだな、と思う。
なんであれ、「底」を過ぎれば後は上がるだけ、と抗がん剤の副作用同様と思うことにしたい。ものは考えよう、ということだ。
天気予報によれば、冬至とはいえ、寒さは大寒の頃のものだという。
朝の出勤時、息が真っ白だった。頬にピリピリと刺し込むような寒気。これからは、寒さは厳しくなるけれど、日に日に日は長くなっていく。それだけで気持ちが楽になる。
そして、ようやく金曜日。5日間無事フルタイムで働くことが出来て安堵している。
今夜は、先日夫が八丈島で頂いてきた赤ちゃんの頭ほどある大きな柚子を入れて入浴するのが楽しみだ。ゆっくり温まってぐっすり眠りたい。
かくいう夫は、今日も今日とて忘年会。息子は、終業式前日の成績判定会議のため自宅学習日でお休み。
明日からはカレンダー上では三連休だが、私は午後から進路説明会に引き続く保護者会で、あまり頂きたくない成績表の受け取りが控えている。
さて、先日も賢い患者になりたいと書いたけれど、今や玉石混交のがん情報が溢れている中、甘い言葉に騙されずにありたいと思う。粒子線治療等、従来の放射線治療に比べて格段に副作用が少ないという新しい治療は何かと気になるものだけれど、自分にとって、自分の病にとって正しい情報を取捨選択しなければならないと思う。
乳がんにとって粒子線治療は無力だ、という渡辺先生のコラムをご紹介したい。
※ ※ ※(転載開始)
がん内科医の独り言 がん情報を見極める力(2012.12.21)朝日新聞 静岡版
■粒子線治療、無力な場合も
インターネットやテレビ報道には、がん治療についての情報があふれています。副作用がない、切らずに治る、劇的な効果、奇跡の生還など、耳あたりのよい表現で、万能な治療のような印象を与えます。
先日も、粒子線治療をテレビ番組で取り上げていましたが、これもがんに関する正しい知識がないと、良い治療とは言えません。粒子線は放射線の一種ですが、多くの病院で使われているX線やガンマ線を用いた治療と違い、サイクロトロンと呼ばれる円形加速器で巨大なエネルギーをもつ粒子放射線のビームを発生させ、病巣に照射するものです。
X線やガンマ線は、スポットライトの光のように、当てた部分の周囲にも多少ぼやっと広がるため、照射する範囲のまわりにもエネルギーが散乱します。その結果、皮膚、粘膜、神経、脊髄(せきずい)などの周辺への影響は避けられず、重い副作用が現れることがあります。
それに比べて、粒子放射線は、一定の深さ以上には進まない、狙った深さで最も強く効果を発揮する、エネルギーの散乱が少ないなどの特徴があり、がん病巣に、ドンと効果を集中させることができます。体の深い部分に塊として存在するがんや、圧迫症状がある場合には効果を発揮します。
例えば、鼻の奥にできた上咽頭(いんとう)がんは、手術で切除するとしたら、顔の中心部分をごっそりとえぐりとらなくてはいけません。しかも、抗がん剤はあまり効かず、また、早い段階から、全身に転移するという傾向が少ないため、粒子線治療に適した疾患といえます。その他、転移のない肝細胞がん、一部の中枢神経腫瘍(しゅよう)などに適しています。
逆に、全く適していないがんとしては、乳がん、大腸がん、卵巣がん、胃がんなどです。とくに多数の遠隔転移を伴った場合や、タンポポの種のような目にはみえないような小さな転移が想定されるような場合には、粒子線治療は無力なのです。(浜松オンコロジーセンター・渡辺亨)
(転載終了)※ ※ ※
今や、乳がんはごく初期のうちからタンポポの種のように体全体に散らばって、目に見えない小さな転移がある、というのは良く知られていることだ。
しこりは僅か1センチ、早期発見でリンパ節転移もなし、最初の病院で低リスクと判断された私は本当にこのパターンだったのだな、と改めて納得してしまう。
私が初発治療を始めた頃は、自分の病理結果から得たがん細胞の様々な情報を入力するだけで、無治療、ホルモン治療のみ、化学療法のみ、ホルモン治療と化学療法の両方の治療を受けた場合の再発率がはじき出されるアジュバント・オンライン・ソフトもなかった。
そうはいっても、今更このことを云々言ってみたところで詮なきことだ。それなら少しでも遅く病気になった方が良かったのに、というそれこそ身も蓋もない話になってしまう。
治療は日進月歩だから、今の自分にとっての有意義な情報に対して常にアンテナを張ってその時にベストと思える選択を続けていくしかないのだな、と思う。