ロッキングチェアに揺られて

再発乳がんとともに、心穏やかに潔く、精一杯生きる

2012.12.27 宝くじ買いましたか?

2012-12-27 19:51:34 | 日記
 お読みくださっている皆様、唐突ですが、年末ジャンボ宝くじ、お買いになりましたか?

 私は自分で宝くじを買ったことはない。もちろん買わなければ当たらないことは重々承知の上。けれど、「宝くじ当たったら、どうする?」という話をするのは嫌いではない。 
 こうして再発するまでは、豪華客船で世界一周クルーズ!とかなんとか言っていたけれどもうそれは叶わないだろう。好きな本を捨てなくて済む(今では夫からヤイノヤイノ何とかしろ、と日々どやされている。)大きさのセカンドハウスを買って仕事も辞めちゃおうかな、などなど。
 我が家では、例年、夫が家族3人分といって毎年300円を3枚お小遣いで買ってきてくれる。いつだったか一度息子の分だったか私の分だったか3000円が当たって、皆で大喜びした、という可愛らしいものだ。

 さて、既に何度もご紹介している朝日新聞医療サイトアピタルの連載から、長尾先生の最新号を転載させて頂く。
 だんだん抗がん剤のやめどき、というテーマの核心に近づいてきたような内容だ。抗がん剤は宝くじなのか・・・と。

※  ※  ※(転載開始) 

町医者だから言いたい!【984回】抗がん剤のやめどき 抗がん剤治療は宝くじ!?長尾和宏 (2012年12月27日)

なぜか大当たりが出やすい宝くじ売り場が知られています。1億円の大当たりが出やすい売り場は予め分かっています。
抗がん剤治療も実際にやってみないと効果は分かりません。効くと思っていたのに効かなかったり、その反対だったり。
予想は、外れることもあるので、予想なんです。天気予報もあくまで、予想。いくらでも外れます。
大昔、抗がん剤の専門家に言われた言葉が忘れられません。
「抗がん剤治療は、宝くじのようなものだよ。 時々、大当たりがあるので、買うのをやめられないんだ」と。
私は聞き返してみました。
「どれくらいの確率で、当たるのですか?」
「さあ、100人買って1人当たればいい方じゃないか」と。
それじゃあ、ギャンブルじゃないか。そう思いましたが、とても言い返せませんでした。
「でも、たまに当たった時はほんとうに快感なんだ。その快感が忘れられないので、また買ってしまうんだよ」とも。
買って大当たりしたひとが、2回続けて当たることはごく稀にあるかもしれません。しかし3回続くことはまず無いでしょう。
抗がん剤が効き易いといってもいつまでも効く訳ではありません。耐性が出来て、そのうち効きにくくなります。
宝くじは、買わないと絶対に当たりません。当たりを味わいたければ、一度は買わねばなりません。
買うか買わないかは、あくまで自由です。買わないという生き方も充分あり得ます。
しかし買わないで後悔するなら、一度買ってみればいいのです。もしそれがハズレだったら、もう買うのをやめればいい。
ただそれだけだと、昔、教わったことを思い出しました。
(後略)

(転載終了)※  ※  ※

 うーん、と唸ってしまった。効くことを信じて必死で抗がん剤治療を続けているがん患者さん(私も含めて)は、どんな気持ちでこのコラムを読んでいるだろうな、と思うとちょっと辛い。

 もちろん、長尾先生と抗がん剤の専門家の話が大昔のものということを割り引けば、日進月歩の医療で、ここまで効くのが稀ということもないのだろうけれど、王様級に効くと言われていた3つ目の抗がん剤ECの効きがイマイチになり、それより体のダメージが大きくなってきている私にとってはとても悩ましい内容だ。
 おっしゃるとおり、抗がん剤はやってみなければ効くかどうかわからない。そうはいっても効く時はうんと効く。快感を忘れられないから止められない・・・。けれど、そうそう効き続けることはなく効かなくなる。効かなくなったらもうやめればいい。

 もっともなことだ。
 では、私はいつまで抗がん剤治療を続けるのか。

 やってみても効かない・・・、そして副作用だけが大きくクローズアップされる。つまり負けが混んできた時、体のダメージが大きくなっても、もしかしたら次に使うものは効くのではないか、という一縷の望みを繋いでひたすら使ったことのない抗がん剤治療を、いわば自分の体で人体実験する、ということか。
 さらには、手持ちのカードを全て使い切ってしまったら、個人輸入をして日本で認可されていない抗がん剤までにも手を伸ばす、ということか。

 ますます、次は抗がん剤治療はお休みにしたい、と思うようになっている。
 年明けの通院日、もろもろの検査結果によってまた主治医からは新しい抗がん剤治療を提案されるかもしれない。
 けれど、分子標的薬でまだ使っていないものもある。ここまでアンスラサイクリン系を使ってきて、すぐにまた心毒性のあるハーセプチンに戻るのは心配だけれど、もう一度ハーセプチンに戻して、ちょっと息がつきたい。最初の頃にちょっとだけ使っておしまいにしてしまったホルモン剤・フェマーラに戻してみるのは冒険だろうか。
 もちろん、そうして再び悪化することになれば、次の分子標的薬・ラパチニブにトライしたい。粘っていればT-DM1の恩恵にも預かれるか。
 抗がん剤も、点滴薬でなく内服薬なら少しはマイルドかもしれない。けれど、主治医は今のように通院出来る体力があるうちはなるべく点滴の薬を使い、通院がしんどくなる時まで残しておく、と考えているように思う。

 悩ましい年末である。
コメント (4)
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