ロッキングチェアに揺られて

再発乳がんとともに、心穏やかに潔く、精一杯生きる

2019.2.13 5ケ月ぶりの造影CT~頸部から骨盤

2019-02-13 21:00:02 | 治療日記

 今日も灰色の雲が重く立ち込めている。寒い。体感的には雪が降ってもおかしくないくらいだ。厚手のタイツにニットのワンピース、ファー付きカーディガンを羽織って、ストールをグルグル巻きにしてダウンコートで出勤した。

 今日は、アリミデックス内服後3ヵ月半が経過し、痛み等の自覚症状の悪化により少し早めの効果測定を行うため、造影CT検査の日。前回9月撮影時にはまだゼローダ内服中だった。抗がん剤ゼローダに比べて、ホルモン剤アリミデックスは副作用が殆どなく、身体的にはとても楽ではあったけれど、ロキソニンだけでは凌げない胸痛、頻繁な空咳、息苦しさ等を考えると、そろそろアリミデックスによる休息期間は終わりにした方がよいのでは、という判断を裏打ちするためのものだ。
 
 レントゲン撮影では、両肺の腫瘍が大きく濃くなっているもの、あまり変わっていないものが混在しているが、詳細は分からない。やはりCT撮影した画像を見ないことには正確な判断は出来ないということだ。一方、腫瘍マーカーCA15-3は7月以降1度下がったかにみえたことはあったが、概ね順調に上がり続けている。
 とにかくこう寒いと、どうしても姿勢が悪くなる。意識的に胸を開くようにはしているし、肩の力を抜くようにもしているけれど、相変わらず職場は寒いので厚着をしているから、肩は凝る。胸回りが凝り固まって良いことは何もない。呼吸が浅くなるのは万事においてよろしくない。

 明日東京横断の出張が控えているため、午前中にあれこれ前倒しで仕事を片づけ、昼食抜きで病院に向かった。
 
 今日も一切着替えをしなくて済むように、ブラトップにニットのワンピースという検査対応のいでたち。カーディガンを脱ぎ、ネックレスを外すだけで準備万端である。着替え不要の分、病院滞在時間は短縮になるし、糊の効いた検査着をわざわざ1枚汚して洗濯して頂くこともない。

 乗り換えは順調で、快速にも乗れたので、予約時間の40分ほど前に病院に到着した。自動再来受付機は待つことなくスムーズだった。エスカレーター下に今年も7段飾りのお雛様。気持ちが少し和らぐ。2階の放射線受付へ向かうと、待合椅子が一杯で、皆さん受付待ちの様子。先にお手洗いを済ませて戻るが、月初めで保険証の確認もあり、受付が済んでCT準備室の前廊下へ移動するまで、結局予定した時間までかかった。こちらでも数人が待っている。

 それほど待たずに準備室に入室出来た。すぐに荷物をロッカーに預けて、造影剤注入のためルート確保の針刺し。造影剤用の針は太くて採血よりも痛いのだが、今日の看護師Kさんも正中に迷わず一瞬で針刺し。お上手だった。これまでは生理食塩水のパックが下がった点滴棒に繋がれて、なんとなく病人感満載になるのだけれど、今日は10mlの生食が入ったシリンジだけ渡され、なんか物足りないような気分。身軽である。待つこと10分ほどして呼んで頂いた。

 ベッドに寝て万歳の姿勢をとり、最初は造影剤なしで、次に造影剤を入れて、2回の撮影はいつもどおり。所要時間は10分弱。造影剤が注入されるや否や、薬液の匂いが鼻を突くし、過去2回同様、味覚にも刺激がある。瞬く間に造影剤が体中を駆け巡り、体の芯まで熱くなる。いつものこと、とわかってはいるものの、何十回味わってみても慣れ親しめるものではない。

 「息を吸って。止めて下さい・・・。」を繰り返して終了。別室から出てきた看護師さんに布テープできつく止血をしてもらい、ご挨拶をして部屋を出た。今回も、ロッカーから荷物を出したら外廊下で止血確認まで待つように、と言われる。準備室前の椅子で待つこと5分少々。止血帯を外し、グーパーを2回繰り返してしっかり血が止まっていることを確認して、小さなテープを張り直して無事終了した。

 2階受付でIDカード等のファイルを受け取り、1階に降りて、総合受付で会計を待つ。待合椅子がやけに混んでいる。もう空腹過ぎて胃が痛くなってくる。結局30分以上待って自動支払機で8千円ほどお支払。本日の病院滞在時間はたっぷり1時間半以上であった。

 外に出ると少し日差しが出ていたが、それでもまだ寒い。駅ビルはランチタイムが終わっている時間だったけれど、ダメモトで覗いたイタリアンレストランにまだランチの看板が出ていたので、ラッキーなことにランチを頂けた。本当は喫茶タイムだったようだけれど。
 食事が終わったのはもう夕方。帰路の車内では席も確保出来なかったし、なんだかぐったり。途中駅で買い物をする元気もなく、まっすぐ帰宅。普段仕事が終わって帰宅する時間と変わらず。

 そして、玄関には生協からの食材がドンと届いていた。はあ~、とため息をつきながら運び入れて収納。洗濯も溜まっていて洗濯機を回し始めると夫がご帰還。まだ全然空腹ではないので、先に洗濯を干してから夕食の支度をした。相変わらず胸部には圧痛。だるくて眠い。
 
 女子競泳界のエース、池江選手の白血病公表には衝撃を受けた。18歳のとてつもない精神力の強さに頭が下がる。どうか、同じ病気の誰々はどのくらいで復帰した、とか誰々はどうの、とか人と比べるような軽率な発言は厳に謹んで頂きたい。病気の経過は本当に百人百様。世界中にサポーターがいる彼女は決して一人ではない。若い人の血液のがんは治癒率も高い。けれど、詰まるところ病との闘いは間違いなく孤独な闘いである。
 医学の進歩と彼女の強靭な心と身体を信じて、静かに、けれど熱い思いで応援していきたいと思う。
コメント
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