ロッキングチェアに揺られて

再発乳がんとともに、心穏やかに潔く、精一杯生きる

2020.5.16-17 ダメダメお籠り2日間

2020-05-17 18:36:16 | 日記

 土曜日。
 朝の連続テレビ小説のおさらいを見て、しつこく二度寝。お天気が下り坂という気圧のせいか、頭が重い。
 ノロノロ起き出して、溜まった洗濯機を廻し、遅い朝ご飯。洗いあがった洗濯物を干して、雨が降り出すのを見たらもう何もする元気がない。肌寒い。
 リビングのソファと一体化してダラダラと録画した映画を観ながらウトウト。

 あっという間にお昼の時間が過ぎる。“今日も元気だ、ご飯が美味い”夫が「お昼はどうするの」と訊く。ろくに動いていないしお腹なんか全然空いていないのだけれど、薬も飲まなければいけないし、とカップ麺でごまかす。はあ。堕落した生活。
 サボっている掃除もしなければなあ、と思うけれど、身体が重くて動かない。お腹も緩めでなんとなく心配。前歯を折ってしまって1週間経つが、いまだに口の中に慣れず、食べる事自体がイマイチ面倒臭い。

 切手類が入っていた小さな整理棚を休み休み片付けただけで青息吐息。お年玉切手シートが昭和63年から令和2年まで一年も空かずに見つかった。封書もハガキもこんな値段だったのだと思うとともに、実家を出て30数年が経つのだなあとしみじみ。それにしてもこんなに沢山の切手やら便箋封筒類をコレクションして、どうするつもりなのだろう。かつては手紙魔だったけれど、すっかりLINEやメール頼みとなり、手紙もハガキも本当に書かなくなった。一筆箋が精々である。

 一方、夫は息子の部屋を大掃除中。本棚が大分空いたので、私のはみ出している文庫を入れて良いという。グチャグチャに重ねていたものを、あいうえお順、出版社順等に揃えて入れ直していたらクラクラした。そしてまたソファと一体化。
 夕飯はまたしても夫に作らせてしまった。食後は北風祐子さんのデジタルエッセイを一気読みしただけでどっと草臥れた。
 文字通り一歩も外に出ない1日。靴も履かない、新聞も取りに行かない一日だった。

 夫も気づくとテレビをつけたままウトウトウトウトお昼寝やお夕寝をしている。在宅勤務が始まって週3日の勤務になったらなんだか体力がグッと落ちている気がするという。普段より睡眠時間も増えている筈なのに、いつも何やら眠いらしい。どうしたことか。これでは隠居したおじいちゃんである。

 私自身も会議がwebに変わり、東京横断出張等がなくなったことで、電車に乗るのは正真正銘3週間ごとの通院のみになった。土日もどこにも出かけないし、ひたすら家に籠っているだけ。こうしてお散歩にもろくに出ない生活で体力を落としていては仕方ないなあと思う。

 日曜日。
 Wさんのマッサージを久しぶりに予約していた。楽しみにしていた筈なのに、朝、目が覚めたのは腹痛と頭痛のせい。頭が割れそうに痛くて、起き上がるともうダメなのである。これは着替えて身支度して電車に乗るなんて絶対に無理。お腹は緩いし、泣く泣くドタキャンである。先週のリフレクソロジーに続き、本当に申し訳ないことだ。
 夫に「Wさんサロンはキャンセルした。頭が痛くて起きられない。」と言ってまた眠る。いくらでも眠れる。睡眠スイッチがおかしくなっているのだろうか。結局起きたのは11時過ぎ。あり得ないことだ。

 夫が用意してくれたブランチを摂り、いつもの痛み止めやら何やら6種類の薬を飲むけれど、痛みが一向に退かない。外はいいお天気。昨日より10度ほど高い夏日だという。冴えない。
 またしてもソファと一体化して録画したドラマを視ながらウトウト。夫はちょっと散歩に行ってくると自転車で出かけ、美味しいと評判のケーキ屋さんに寄ってお土産を買ってきてくれたけれど、全然触手が動かない。

 夕方近くに、ようやく重い腰を上げてお茶を淹れてご相伴した。夏休みに行くつもりで昨年のうちから予約しているトルコのビデオを見ながら、これじゃあだめだろうなぁ、行ってみたかったなぁと独り言ちる。
 ようやく一念発起して、掃除と寝具等の大物を洗濯。日が長くなったけれど、時間はもう早めの夕飯といってもいいほどである。

 こうしてダメダメお籠り2日間があっという間に終わってしまった。寝坊すると一日がやけに短い。
 週5日仕事に行って、少なくとも月1回は東京横断の出張もして、3週間に1度の通院、さらには土日のどちらかはマッサージやら何やらに出かけ、元気があれば仕事帰りにヨガスタジオに通っていたのが遠い昔のようだ。
 果たして緊急事態宣言が解除された後、かつてと同じ生活が出来るだけの体力が戻って来るだろうか。ちょっと不安な夜である。
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2020.5.16 乳がん患者さんのための"オンライン瞑想ヨーガクラス"開催のお知らせ

2020-05-16 20:32:35 | お知らせ
 患者会ASHAREさん主催の“乳がん患者さんのためのオンライン瞑想ヨーガクラス”についてのお知らせです。
 オンラインでお家ヨーガ!とても素敵な広報頁が出来上がりましたので、下記にリンクさせて頂きます。
新型コロナウイルスの感染拡大による緊急事態宣言は、8都道府県を除き解除されています。それでもまだまだ予断を許さない状況ですね。
 長く続いた自粛疲れで、身体も心も凝り固まって・・・。解してほしい!リラックスしたい!という声が聞こえてきます。

 先日お知らせしましたとおり、オンラインクラス第1回目は、中止になった4月・5月のクラスにお申込み頂いていた皆様にお届けするということで準備をしておりました。ところが折り悪く当日の朝、私の体調が優れず、その振替を5月末に行うことになりました。
 そのため、リピーターの方を対象とするクラスのご案内が6月になってしまいました。お待たせしてしまい、大変申し訳ありませんでした。
 梅雨の季節、体調管理が難しい折ですが、少しでもリラックスして心地よく過ごして頂けるようなクラスをお届け出来たらと思っています。

 なかなか対面でお会いすることが叶わない中、久しぶりに皆様とお目にかかる事を楽しみに、精進を重ねてまいります。これからもどうぞよろしくお願いいたします。

乳がん患者さんのためのオンライン瞑想ヨーガクラス
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2020.5.15 はて、これからの治療、どうするか

2020-05-15 20:27:18 | 日記

 このところ仕事に忙殺され、さらには夜中に家で失神して前歯を折るなどというアクシデントがあり、日々をやり過ごすだけで精一杯という情けない状況であった。
 そんなわけで、なかなか今後の治療についての自習も出来なかったのだけれど、久しぶりにオンコロのサイトを見て、ダブルで嬉しい記事を見つけた。

 一昨日、通院の際、次に使いたいと考えている新薬エンハーツの情報が新型コロナウィルス感染拡大の影響で滞りがちである、という主治医からの弁は書いた通りである。
 そんな折、奇しくも同日に新薬の薬価収載があり、頼みのエンハーツもそこに入っていることが分かった。

※   ※   ※(転載開始)

新薬18成分を薬価収載へ 乳がん用薬エンハーツ・核酸医薬ビルテプソなど(公開日時 2020/05/13 10:30)
 厚生労働省の中医協総会は5月13日、新薬18成分28品目を薬価収載することを了承した。同省は5月20日に収載する予定。第一三共が承認を取得した乳がんのサードライン以降の治療に用いる抗体薬物複合体(ADC)エンハーツ点滴静注用(一般名:トラスツズマブ デルクステカン(遺伝子組換え)や、・・(中略)・・などがある。

収載される製品は以下のとおり(カッコ内は成分名と薬価収載希望会社)
▽エンハーツ点滴静注用100mg(トラスツズマブ デルクステカン(遺伝子組換え) 、第一三共)薬効分類:429 その他の腫瘍用薬(注射薬)
効能・効果:化学療法歴のあるHER2陽性の手術不能又は再発乳癌(標準的な治療が困難な場合に限る)
薬価:100mg1瓶 165,074円(1日薬価:21,224円)*
市場予測(ピーク時8年後):投与患者数1.3千人、販売金額129億円
加算: 有用性加算(Ⅱ)A=5%、新薬創出等加算、費用対効果評価(H1)
有用性加算(Ⅱ)A=5% :理由「トラスツズマブエムタンシン(遺伝子組換え)による治療歴のあるHER2陽性の手術不能又は再発乳癌患者に対して奏効が認められたことから、治療方法の改善が示されていると考えられる。ただし、奏効率の結果を基に、本薬の延命効果に関する評価を行うことは困難であることから、有用性加算(Ⅱ)(A=5%)とすることが妥当と判断した」
新薬創出等加算:主な理由「加算適用」
費用対効果評価(H1)

抗体と薬物(低分子化合物)を適切なリンカーを介して結合させた抗体薬物複合体(ADC)。がん細胞に発現している標的因子に結合する抗体を介して薬物をがん細胞に直接届けることで、薬物の全身暴露を抑えつつ、がん細胞への攻撃力を高める。

HER2陽性の再発・転移性乳がんではトラスツズマブなどの抗HER2療法が標準治療で、病勢進行した患者に対しては別のADCのトラスツズマブ エムタンシン(国内製品名:カドサイラ、以下「T-DM1」)が使われる。エンハーツは、T-DM1投与でも治療困難なサードライン以降の治療に用いる。なお、エンハーツは、T-DM1投与でも進行した患者を対象とした日米欧アジアでのグローバルフェーズ2試験「DESTINY-Breast01」で、主要評価項目の客観的奏効率は60.9%を示した。

条件付き早期承認制度適用医薬品であることから、承認条件として、化学療法歴のあるHER2陽性の手術不能又は再発乳がん患者を対象に実施中のフェーズ3試験におけるエンハーツの有効性及び安全性について医療現場に適切に情報提供することや、一定数の症例に係るデータが集積されるまで全症例を対象に使用成績調査を実施して、安全性及び有効性に関するデータを早期に収集し、適正使用に必要な措置を講じること――などがついている。

(転載終了)※   ※   ※

 ということで、通院する病院で使わせて頂けるようになるまで、今の薬で粘りたいという思いを新たにした。気になるのは実際にかかる治療費だ。
 *通常、成人にはトラスツズマブ デルクステカン(遺伝子組換え)として1回5.4mg/kg(体重)を90分かけて3週間間隔で点滴静注する。なお、初回投与の忍容性が良好であれば2回目以降の投与時間は30分間まで短縮できる。
 とあるから、1回の治療で1バイアル100mgで足りるわけがなく50kg換算で270mg必要・・・と考えると、相当な高額であるに違いない。だからこその1日薬価21,000円超えなのである。しゅん。

 さらに、もう一つの記事を見つけた。
 こちらはHER2陽性であるが故、私には適応外とされたベージニオ(アベマシクリブ:ホルモン受容体陽性、HER2陰性の手術不能又は再発乳癌が適応)である。それが、今後は使えるようになるかもしれない!という朗報である。
 私は既にHER2抗体治療薬としてハーセプチン(トラスツズマブ)、カドサイラ(トラスツズマブ エムタンシン:T-DM1)、パージェタ(ペルツズマブ)、タイケルブ(ラパチニブ)を使い尽くしてきているので、今般薬価収載された上記のエンハーツが使えるようになるまでの繋ぎの有効な手段がほぼ残されていなかった。ところが、である。

※   ※   ※(転載開始)

少なくとも2種類の抗HER2抗体治療歴のあるホルモン受容体陽性HER2陽性の進行性乳がん患者に対するベージニオ+ハーセプチン+フルベストラント、無増悪生存期間を有意に改善(The Lancet Oncologyより)[公開日]2020.05.13

この記事の3つのポイント
・治療歴のあるホルモン受容体陽性HER2陽性の進行性乳がん患者が対象の第2相試験
・ベージニオ+ハーセプチン±フルベストラント併用療法の有効性・安全性を比較検証
・ハーセプチン+標準化学療法群と比較して、+フルベストラント併用群で病勢進行または死亡のリスクが33%減少
2020年4月27日、医学誌『The Lancet Oncology』にて治療歴のあるホルモン受容体陽性HER2陽性の進行性乳がん患者に対するCDK4/CDK6阻害薬であるアベマシクリブ(商品名ベージニオ;以下ベージニオ)+抗HER2モノクローナル抗体であるトラスツズマブ(商品名ハーセプチン;以下ハーセプチン)±フルベストラント併用療法の有効性、安全性を比較検証した第2相試験(NCT02675231)の結果がDana-Farber Cancer InstituteのSara M Tolaney氏らにより公表された。
本試験は、少なくとも2種類の抗HER2抗体治療歴のあるホルモン受容体陽性HER2陽性の進行性乳がん患者に対してベージニオ+ハーセプチン+フルベストラント併用療法を投与する群(N=79人)、ベージニオ+ハーセプチン併用療法を投与する群(N=79人)、ハーセプチン+標準化学療法を投与する群(N=79人)に1対1対1の割合で無作為に振り分け、主要評価項目として無増悪生存期間(PFS)、副次評価項目として安全性などを比較検証した第2相試験である。
本試験が開始された背景として、少なくとも2種類の抗HER2抗体治療歴のあるホルモン受容体陽性HER2陽性の進行性乳がんの治療成績は不良であり、治療選択肢は非常に限られている。以上の背景より、近年承認されたCDK4/CDK6阻害薬ベージニオを組み合わせた治療法の開発をする目的で本試験が開始された。
本試験のフォローアップ期間中央値19.0ヶ月時点における結果は下記の通りである。主要評価項目である無増悪生存期間(PFS)はベージニオ+ハーセプチン+フルベストラント群で8.3ヶ月(95%信頼区間:5.9‐12.6ヶ月)に対してハーセプチン+標準化学療法群で5.7ヶ月(95%信頼区間:5.4‐7.0ヶ月)、ベージニオ+ハーセプチン+フルベストラント群で病勢進行または死亡(PFS)のリスクを33%(HR:0.67,95%信頼区間:0.45‐1.00,P=0.051)減少し、主要評価項目を達成した。
なお、ベージニオ+ハーセプチン群の無増悪生存期間(PFS)は5.7ヶ月(95%信頼区間:4.2‐7.2ヶ月)、ハーセプチン+標準化学療法に比べて病勢進行または死亡(PFS)のリスクを6%(HR:0.94,95%信頼区間:0.64‐1.38,P=0.77)減少する臨床的意義のある差は確認されなかった。
一方の安全性として、最も多くの患者で確認されたグレード3~4の治療関連有害事象(TRAE)は好中球減少症でベージニオ+ハーセプチン+フルベストラント群27%、ベージニオ+ハーセプチン群22%、ハーセプチン+標準化学療法群26%を示した。また、ベージニオ+ハーセプチン+フルベストラント群で確認された重篤な有害事象(SAE)は発熱、下痢、尿路感染症、急性腎障害であった。
以上の第2相試験の結果よりSara M Tolaney氏らは以下のように結論を述べている。”少なくとも2種類の抗HER2抗体治療歴のあるホルモン受容体陽性HER2陽性の進行性乳がん患者に対するベージニオ+ハーセプチン+フルベストラント併用療法は、ハーセプチン+標準化学療法に比べて無増悪生存期間(PFS)を統計学有意に改善しました。また、忍容性も良好であり、本治療は標準治療の代替になり得る可能性が示唆されました。”
Neoadjuvant Nivolumab for Patients With Resectable Merkel Cell Carcinoma in the CheckMate 358 Trial(Lancet Oncol. 2020 Apr 27. pii: S1470-2045(20)30112-1. doi: 10.1016/S1470-2045(20)30112-1.)

(転載終了)※   ※   ※

 ということだ。ベージニオは副作用としての下痢がかなり高い確率で現れると聞いているので、既にいつもお腹ゆるゆる状態の私にはちょっとハードルが高いかもしれない。けれど、これまでの経験で一つの薬が効いてくれれば概ね1年は命を繋げるから、2つの薬が使えて、これらがともに奏功してくれればもしかすると還暦を超えて生き永らえることが出来るかもしれない(欲張り!)。

 少なくともまだ積極的治療を諦めてしまうことはなさそうだ。
 とはいえ、新しい治療に変更するは何より体力・気力・精神力(そして資金力)が不可欠。きちんと食事をし、たっぷり睡眠をとり、適度に運動をして筋肉を落とさないようにしつつ、続けられる限り仕事も続け、来るべき治療にトライ出来る体調を整えておかなくては、と思いを新たにする週末の夜である。
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2020.5.13 採血後腫瘍内科診察、パージェタ・ハーセプチン21クール目

2020-05-13 23:53:43 | 治療日記
 
 昨日は在宅勤務日だった。小児用ロペミンのおかげでお腹が静かだったのは1日だけ。回数は少なかったけれど、また食事をすると下痢、に戻ってしまった。結局、夕方新聞を取りに行くまでは一歩も外に出ずじまい。
 夫が帰宅して、用意した手抜きの夕食をぱぱっと済ませる。出かけるのが億劫にならないうちに、前泊のため病院最寄り駅に向かった。明日はまた夏日になるという予報なので、コートは着込まず日傘を持った。

 行きの車内は前回よりはやや人が多い感じ。それでも座席一人置きの距離は保たれている。
 車内で朝井リョウさんの「風と共にゆとりぬ」(文春文庫)を読み始めた。帯には「めちゃくちゃ面白い!ほんとうはこういう文章が書きたいなと思う」という虫眼鏡さん絶賛!!とある。虫眼鏡さんは存じ上げないが「読んで得るもの特にナシ!」という惹句に引かれた。500枚超の楽しいことだけ詰まった大ボリュームエッセイ集である。「第1部 日常」を途中まで読み、続きはぐっと堪えて明日までとっておくことに。
 本を読んでいると瞬く間に病院最寄り駅に到着する。やはり閑散としている。駅構内の売店には「5月7日をもって閉店しました」という貼り紙も出ていた。緊急事態宣言が延長されて、閉店を決めたのだろう。

 宿泊は久しぶりに泊まるホテルだ。チェックインカウンターにはビニール幕が垂れて、アメニティの受領もセルフサービスになっている。こちらでもメディカルチェックアンケートがあった。

 テレビをつけると、急に重症化する新型コロナウィルス感染症の怖さの話題。感染者数は減っているが、入院者数は殆ど減っていない。入院が長引いているのだ。
 早めにゆっくり入浴し、蒸し暑かったので空調を除湿にしたらあっという間に眠りについた。夜中一度目覚めたが、またすんなり寝直してモーニングコールまで目覚めなかった。夫は早起きで「もう朝食済んだよ」とLINEが来ていた。とりあえず今朝は下痢ではない。ほっとする。

 足湯を終え、身支度を整え、レストランに降りる。いつもはビュッフェ形式だが、今日は既に配膳されて飲み物だけセルフサービス。2人ほど食事中でいらしたけれど、本当に空いている。控えめに食事を終えて、朝刊を頂いて部屋に戻り、新聞にざっと目を通し、朝の連続テレビ小説を視てからチェックアウトした。食事をしたらやはりお腹が緩くなった。

 外は朝から日差しが強い。かなり気温が高い。日傘がないと辛い感じだ。そしてマスクが鬱陶しく暑いし、息苦しい。病院への道は若干坂道なので、息が荒くなり、ふうふう言う。
 IDカードを通す列にちょっと並んで、採血へ。番号を取るといつもより20番くらい多い。20人弱の待ち人数で14分待ちと出ている。混んでいるのである。そうだった。連休明けの翌週だ。長丁場を覚悟する。

 お手洗いを済ませ(朝から3度目で下痢になった。)待合い椅子に戻ると、ほどなくして採血室内に入れた。こちらも全てビニールの幕が垂れている。採血は女性で初めての方。咳エチケットのバッジが名札に被っていてお名前が見えなかった。今日はフル検査で5本。ちょっと痛んだが、すんなり終了した。

 向かいの腫瘍内科へ向かう。受付はすんなり。今月初めてなので、保険証チェックも。そして問診票の追加があった。これも新型コロナウィルス関連で、せきや息切れの項目があり、「なし」には〇がつけられず、若干と但し書きをして「あり」に〇をした。待合い椅子は間を置いて座っているが段々混んでくる。中待合いの密を避けているので、外待合いが密になるのは仕方ないことだ。昨日の本の続きを読みながら、小一時間して切りの良いところで血圧測定。115-73、脈拍は89。

 朝井さんのエッセイを読むのは初めてか。ゆとり世代の日々を描くエッセイシリーズの続編のようだ。それにしても巧い。お腹が快調すぎる体質であるらしい。常にお手洗いの心配をするのは今の私と同じで苦笑する。ひたすら楽しいだけの読書体験、いいなあ、と思う。何かを得ようとか、ためになる部分を見つけようとか確かに読書の醍醐味は色々あるけれど、何も考えずに楽しい!これは大切なこと。そんな中に鋭い視点があり、物語に救われた経験を持つくだりや、物を書く人としての矜持を見つけ、息子世代の喋り言葉に笑わされながら、いつの間にか沢山励まされている。
 
 受付から1時間ちょっと待ったところで「中待合いへどうぞ」の番号が掲示板に出た。大荷物を抱えて移動。15分ほどして先生がお顔を出され、診察室へ。「おはようございます」とご挨拶をして、大荷物をカゴに入れながら席に着く。
 
 席に着き、今回の下痢と腹痛により夜中に転倒して前歯を折った顛末を報告する。「痛みはどうですか?」と訊かれ、「相変わらずです。足裏の痛み、痺れもあり・・・」とお答え。先生が問診票のせき、息切れの○を見て「まあ、これはいつもですものね。」と仰り、「でも一応」とパルスオキシメーターを出され、測定。SpO2は95%。低めといえば低めである。「自宅用にネットで注文したのですが、予定日が大分過ぎているのに到着していません。」と言うと「どこも品切れなんですよね~今は」と仰る。それにしてもマスクが息苦しい。夏が思いやられる。検温すると7度丁度。気温も高いが体温も高め。

 採血の結果、「マーカーはまた上がっていますね。」とのこと。「ただ対数表示にするとそれほど急激ではないので、次回CT撮影してからまた考えましょう。(新薬)エンハーツについてはまだ何の情報も来ていないんですよ。製薬会社の人達も皆在宅勤務になっていて病院に来ないので情報が入らない。コロナで忙しいのでしょう。まあ部門は違うと思いますが・・・」とのこと。6月から使える、というアテが外れた感じである。しょんぼり。「治療の延期を余儀なくされている方もおられるようですから、こうして予定通り治療が出来て有難いです。」と言うと、先生が仰るには「心臓等急ぎではない手術の方たちは延期にしても、がん患者さんは先延ばしにしないので、がん研病院で感染者が出たのは大変だったでしょうね。」とのこと。

 というわけで2週間後にCT撮影の後、次回3週間後にはその結果を聞くことになる。6月は2回治療日があるので、初回は採血なしとのこと。

 薬は前回多めに頂けたので、今回は全てぴったり21日分。「ローションはまだ大丈夫です。」とご挨拶をして席を立った。

 化学療法室へ入ると、既に待合い椅子がかなり混雑して密の状態である。前回のLINEに繋がるシステムを知らない方もいたようで、順番が入り乱れている。ひとまず受付をしたら2人目だった。とにかく混んでいて、看護師さんたちがひっきりなしに行き来している。私の前の番号の方まではベッドに案内されていた。

 15分ほどするとKrさんから「今満杯で一つご案内出来るのが古い椅子一つ(座るタイプでリクライニングの角度があまりなく、長時間座ると腰が痛くなる。足が上げられないので、浮腫んで辛い。)なのですが、どうしますか?」と訊かれる。「腰と足が辛いので・・・」と言うと、「では(新しい椅子が空くのが)30分後になりますね。」とのこと。私の次の年配の方が「それでもいいです。」と古い椅子に入られた。夫やお友達に報告LINEしながら待つ。その次の方たちは「空くのが2時間後なのでどこかで潰してきてからいらしてください。」と言われていた。大変である。
 時間通りに窓側の椅子に案内される。荷物を整理し、お手洗いを済ませると、5分ほどしてヘルプのSさんが針刺しに見える。ちょっと痛み、今日もまたしかめっ面。その後10分ほどでKdさんから薬が届いた。

 2剤併用の治療も21クール目になった。点滴棒には2本の250mlの薬液パックと50mlの生理食塩水の小さなパック、シリンジ。パージェタでスタート、ハーセプチンを挟み、最後に生理食塩水というパターンも1年2か月となりすっかり馴染んだ。点滴が始まって15分のチェックでKwさんが顔を出された。化学療法室の19席に対して、40人以上の予約が入っているので、2回転でも足りないという。こういう1日は体重が減るそうだ。もともと細いので大変だと思う。院内には看護の日のポスターが貼ってあった。そう、昨日5月12日は看護の日だった。白衣の天使、ナイチンゲールの皆さんのお陰で、私たち患者は生かされているのだなあと改めて頭を垂れる。

 本日の2冊目は朱川湊人さんの「幸せのプチ」(文春文庫)。朱川さんは63年生まれの同年代。いつか「かたみ歌」を読み、とても良かった、とこのブログでも書いた記憶がある。帯には「キミはもしかして、大切な人を亡くした経験があるのかい?コロッケサンド、赤い公衆電話、白い犬。70&80年代の景色―涙腺決壊の物語、地味で騒がしく、あたたかい。その町の名は、琥珀」とある。表題作を含め5編が収められているが、舞台は同じ町なので、どの作品も年代は違えど、少しずつ繋がっている連作集だ。幸せな同棲カップルに降りかかった悲劇―冒頭の「追憶のカスタネット通り」からいきなり「やられて」しまった。
 最後の生理食塩水になったところで、Kdさんが血圧測定にみえる。終了時の血圧は127-83、脈拍は70。抜針はSさん。結構な衝撃があってまたしてもしかめっ面。化学療法室に滞在した時間は4時間弱。

 大荷物を携えて、会計へ移動。こちらも椅子がかなり密の状態だ。番号札を頂くのに若干並ぶ。待合い椅子の場所を確保してから処方箋を薬局に送るテーブルまで移動。今日は問題なく送ることが出来てほっとする。
 思ったより早く番号が出て、自動支払機へ。前回はトラブって窓口を往復したが、今日は問題なく支払いが出来た。お支払いはカードで10万弱。

 病院を出ると、太陽燦燦で暑い。空腹でもあるのでクラクラする。病院前の公園はピンクの薔薇が満開。季節外れの高温にちょっと項垂れている感じ。
 「病院から処方箋を送りました。」と言って番号札を頂く。2、3人が待っている。テレビでは28歳の力士が新型コロナウィルス感染による多臓器不全で亡くなったというニュースが流れていた。今まで亡くなった方で最年少だそうだ。

 今日は30分しないで呼んで頂けた。「体調はどうですか。」と問われ、副作用の下痢が結構酷く、今回は貧血で倒れて前歯を折ったことまでペラペラ話してしまった。タリージェの眠気についても訊かれたので、夕食後は殆ど寝落ちしてしまうが、思ったほど痛みや痺れの改善がないし、漢方やビタミン剤を飲んでいてもあまり変わらないと応えると、「(タリージェは)痛みを取るか、眠気を我慢するか・・・ですね、もう少し続けていきましょう。他の漢方やビタミン剤も長く飲んで心配なものではないので・・・」と言われてしまった。はい、頑張ります。

 3,000円ちょっとをカード支払い。大きな袋一杯の大量の薬を受け取る。本日の病院と薬局の滞在時間は合計で6時間を優に超えた。

 帰路、前回は閉まっていたレストランがぽつりぽつりと営業を始めているように見受けられた。結局、今日もタイ料理・インド料理のレストランへ滑り込んだ。ランチタイムを若干過ぎていたけれど入れてもらえて貸し切り状態。お腹に優しい米粉の麺を頂いた。

 食後、お腹が動き出してレストランでお手洗いへ。とりあえず下痢ではなかったので、安心してお店を出て歩き出したら急に腹痛。駅まで頑張って歩いて(マスクをして日傘を差して大荷物で、普段から小走りが限界で走れない。)はみたが、駅ビルが閉まっていて普段入れる筈のお手洗いがクローズ。脂汗をたらしつつまたお手洗いを探して、大変だった。またしても下痢である。ああ。
 帰りは各駅停車に乗って、ドキドキしながらなんとか乗換駅まで辿り着いた。本当にこのお腹、困ったものである。
 最寄り駅まで到着したが、タクシーに乗ってまた腹痛になったら怖かったので、お手洗いにすぐ入れる道を通りつつ帰宅した。
 生協からは今回も冷凍品や肉、魚、果物類等欠品のメールが来ていたが、注文した数も多かったのでそれなりに玄関前に積み上げられていた。ふうふう言いながら取り込んで、冷蔵庫等に収納を終えたら、ぐったりした。
 母からの留守電が入っていた。「今日は一歩も出なかった。ちょっと庭で草取りをした。暑かったけれど、私は大丈夫だから」という報告。もろもろ片付けてから折り返して、やっと一服座ろうと思ったところで夫がライナーで帰宅した。

 ランチを終えたのが夕方近かったし、下痢もしているし、夕飯はあんまり・・・と言いながらリビングでウトウトしてしまう。夫は一人で夕飯を済ませ、スープやらサラダをちょっぴり残して置いてくれたので、遅くなってから一人で頂く。

 明日は3日ぶりの出勤だ。これまでは東京横断していた会議がweb会議になり、移動しなくてよくなってからもう3回目になる。2日空けてしまったので色々溜まっているだろうけれど、お腹の不安を抱えながら往復5時間から解放されたのは本当に有難いことである。
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2020.5.11 折れた前歯、その後・・・新しい週が明けて思うこと

2020-05-11 21:06:01 | 日記

 昨日は初めて診て頂いた歯科クリニックから戻った後、ほっとしたのと同時にすっかり草臥れ果てていることに気づく。あまり眠れないまま朝を迎え、不安な気持ちで電話をかけまくり、取り合えず予約はしたものの、結局キャンセルすることになった歯科医院にお詫びの電話をし、初めてのクリニックに出向いて・・・、ということだったから当然だろう。
 夫からは「貴女は気丈だねぇ」と言われるけれど、そうでもない。

 遅い昼食を摂った後も何もやる気が起きず、ビデオを見ながらゴロゴロダラダラ。2日間ほぼベタで家にいたというのに掃除さえしなかった。
 夫はとりあえず私の歯がくっついたことに安心したのか、夕方大鼾をかいてリビングで爆睡すること2時間ほど。

 折しも母の日だったから、息子からはご機嫌伺いのLINEが入った。ブログを読んだそうで、貧血で倒れ、歯は折れ、では大変じゃないか、と心配させてしまったようだった。かたじけない。

 今になって考えてみても、一体どういう状況で倒れたのか全くわからないのだけれど、右の頬骨を押すと痛いし、額の右上部にたんこぶが出来ていた。そのほか、肘や膝にもあざが出来ている。
 思うにいきなりバターンと倒れたのではなく、崩れ落ちる感じで最後に顔面から倒れたのだろう。ちょっと角度がずれていたら、下駄箱やら何やらに激突してもっと酷い事態になっていただろう。頭を打っていたかもしれないし、玄関先の花瓶が落下して直撃していたかもしれない。
 そうであったなら、夫が朝起きてきた時には既に冷たくなっていた、ということも起こり得たかもしれない。ちょっと背中がぞわっとする。

 だとすれば、前歯が折れただけで済んだのは不幸中の幸いだということか。まあ自宅で気を失ってこんなことになったのは情けないには違いないが・・・。
 今は昔、の若い時分は、良く脳貧血を起こしていたから、あ、来るな、と思えば慣れたもので、倒れそうになる前にとにかくしゃがむ、ということが徹底出来ていた。が、今回はすっかりそんなことも忘れており・・・。

 それにしても倒れた時、ある程度の音は響いただろうに、全く気付かずにドアの向こうで熟睡していた夫は、大した人だ。ショートスリーパーなのは、私に比べて眠りが格段に深いからなのだろう。

 歯科クリニックに持ち込んだ折れた前歯は無事応急処置が施され、セメダインでくっつけては頂いたけれど、実際には他に小さな破片が1つあったようで、鏡を見ると、一か所隙間が空いている。なんだか虫歯を放置しているようで、気になる。
 当然のことながら口の周りを強打しているわけだから、毎食後飲んでいるロキソニンに救われて昨日は痛みが出なかったとはいえ、今になってそれなりに痛みもするし、口の中の違和感は否めない。

 前歯とその周辺はしっかり歯磨きも出来ず、こわごわ上っ面を撫でているだけ(いつもの力でブラッシングすると痛む。)なので、これまたストレスだ。
 何より、前歯を使わずに食事をするのは、実はとても大変なことなのだということを思い知らされている。睫毛しかり、鼻毛しかり、改めて人の身体で使わない部分は何もないことを痛感する。こと、歯は生きていく上で本当に大切なものである。

 夫も前歯の治療が長くかかったし、今は差し歯にしているので、決して食べ物に噛り付いたりしない。小さく切って慎重に口に入れて食す。私も今は同様にこわごわ・・・である。今後は、ガブリと噛り付くのが醍醐味であるハンバーガーやサンドイッチ等は、メニューの選択肢から外すことになりそうだ。

 昨夜の夕食は「柔らかいものがいいよね」と、夫がかき揚げうどんを作ってくれた。食べるのに時間がかかったこと、かかったこと。幸い噛むのは左側を使うのだけれど、狭い口の中で色々調整するのは結構大変。ちょっと油断するとたちまち前歯を使おうとしてしまう。

 さて、今日はオンライン授業開始初日で出勤だ。初日は何が起こるかわからない・・・と事務室では皆ドキドキしていたが、思いのほか静かだった。
 昼休みに少し学内を散歩したら、予報の最高気温30度、とまではならなかったけれど、蒸し暑く、すぐに汗ばんだ。ようやくタイツを卒業してストッキングになったというのに、早くも梅雨入り前の気候のよう。気圧の変動のせいか胸痛もある。まあ、今回胸を強打しなかったのは幸いだった。ポートでも破損させたら悲惨だった。

 いつもお世話になっている歯科クリニックに連絡をすると、勤務終了後に診て頂けることになった。
 ということで、久しぶりにほぼ定時で職場を飛び出した。クリニックには患者さんが一人もいなくてすぐに診て頂けた。椅子に座り、手を消毒し、熱を測って頂いた後、かくかくしかじかと説明。「かなりシビアに折れましたねぇ」とのこと。既に接着剤が付いているので痛みが出るとか何かがない限りこのままそっと様子をみましょうということになった。フロスは使えないけれど、歯間ブラシは出来るだけ両側からやるように、とのこと。来月の、3か月に一度の定期検診まで事なきを得ると良いのだけれど。会計も含め15分ほどで終了し、明るいうちに帰宅出来た。

 明日は2週間ぶりの在宅勤務、明後日は3週間ぶりの通院日である。
 小児用ロペミンを昨朝1回飲んだだけで、下痢はすっかり止まり、お腹は朝食を終えるまで殆ど動くことなく静かになってくれた。オレンジ風味の小児用ロペミン、偉大である(だからこそ大人用を飲むと、その後が大変なのである。)。今回の下痢騒動でまた体重が1キロほど減り、45kg を割ってしまった。頑張ってまた戻さなくては。

 今日届いた今月1回目のお花は、赤いカーネーションが5本、ピンクと紫色のスカビオサ(セイヨウマツムシソウ)が1本ずつ、星型の淡い透明感のあるブルーの花をつけたブルースター、可愛らしい小さな白い花のマトリカリア(ナツシロギク)が1本とアイビーの葉。花言葉はそれぞれ「母への愛」、「喪失」、「信じあう心」、「鎮静」、「永遠の愛」だそうだ。いきなり気温が高くなってお花もびっくりしているのではないか。

 母の日に因んだお花が届き、ちょっと嬉しい週の初めである。

コメント (3)
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