ゴールデンウィーク真っ只中。
春の行楽シーズン!
とか、言ってても、明日はもう、立夏。
夏だという。
桜の季節は終わり、はや新緑の季節である。
5月の京都といえば、葵祭である。
5月15日の路頭の儀、つまり斎王代行列が最大の目玉。
ただ、それに先んじて前儀が執り行われる。
5月3日、下鴨神社での流鏑馬は既に済み、明日は上賀茂神社で賀茂競馬である。
<けいば>ではない<くらべうま>である。
そちらを見るのも、なかなか楽しい。
京都に三大祭がある。
葵祭に、祇園祭、そして時代祭。
一年の中で行われる順番であるこの序列は、歴史の古さの序列でもある。
一説によれば。その起源は1400年前に遡るとか、なんとか。
それが眉唾であっても、1000年前、清少納言や紫式部の時代にあったのは確かだ。
『枕草子』にも『源氏物語』にも、葵祭のことが書かれている。
ことに『源氏物語』における、いわゆる「車争い」の場面は有名である。
ところで、葵といえば、もちろん植物の葵のことである。
葵祭では、この葵の葉を、牛車や、行列の勅使の衣服に飾ることになっている。
ちなみに、このとき飾られるのは、上賀茂、下鴨両神社の神紋であるフタバアオイである。
しかし、このフタバアオイ、実はアオイ科ではなく、ウマノスズクサ科である。
どうでも良い知識だ。
でも、葵祭のニュースを見たら、一緒に見ている人にその知識を披露すると良い。
「へえ」
って、言われるから。
葵は、旧仮名遣いで「あふひ」と書く。
葵の語源が、そこにあるとも言われている。
アオイ科の中のフユアオイという花に、向日性、つまり太陽のほうを向く習性があるという。
「日を仰ぐ」=「アオグヒ」ということで、アフヒ、となったとか、なんとか、かんとか。
ちなみに向日の葵と書いてヒマワリと読むが、ヒマワリはアオイ科ではない。
釈然としなくても、あきらめよう。
さて「あふひ」の語源には、他にもあって、その一つが「逢う日」である。
万葉集中の一首に由来するという。
語源がこの「逢う日」であるなら、なかなかにロマンチシズムを刺激させられる。
葵祭の日が大切な人と逢う日。
そんなことを夢想するのも一興である。
”あいらんど”