観光客が行きかう東山・八坂のシンボルである八坂の塔周辺を散策していると、カラフルで色とりどりの丸いものを吊り下げた祠が目に入ります。
このカラフルで丸いものは、八坂庚申堂のお守りである「くくり猿」です。
八坂庚申堂は庚申信仰発祥の地で、日本三庚申の一つです。
御本尊は庚申さん、すなわち青面金剛(しょうめんこんごう)で、庚申(かのえさる)の日に、
人間の悪行を告げに体内から這い出す三尸の虫(さんしのむし)を食らうと言われます。
そして、猿は庚申の使いで、その霊力により縁(猿)を結ぶと云われ、
山門の屋根をはじめ、境内のいたる所に三猿「見ざる、聞かざる、言わざる」がおります。
また、「くくり猿」は、猿が手足を縛られて動けない姿を現しており、
願い事を叶えるために欲を一つ我慢することの大切さを教えているということだそうで、
くくり猿に願い事を一つ書いて結びつけ、欲を一つ我慢すれば書いた願いは叶うとか。
界隈のお店の軒下にも、くくり猿が下がっています。
年に6回ある庚申の日には、こんにゃく炊接待があり、猿の形をしたこんにゃく3個を北に向いて食せば無病息災と伝えられています。
因みに、今年の初庚申は2月8日(月)です。
京都好き男