2019年9月13日(金)
7月末に小豆島の室崎さんから来信あり、
「盲導犬の代替えで大阪のライトハウス訓練所へ行きます。パンディは内海の人が見てくれます。」
そうか、そうだね、そうだった。影のように従う忠実で賢い盲導犬だが、寿命は人よりずっと短い。しかも犬が老いて衰弱する前に円滑に交代させなければならない。
猛暑が案ぜられたが無事に往復なさったようで、こちらが四国から戻ったところへ写真入りのお知らせがあった。
「タビラです。9月7日で2歳になります。」
御了解をいただいて掲載する。パンディはカッコいい黒だったが、タビラはきれいな純白だ。
この際、歴代のパートナーの名前を伺ってみると・・・
オルガ、ローラ、クィニー、レイラ、パンディ、そしてタビラ、口ずさむだけで弾んでくるようだ。
聞くところの犬の特性からして、盲導犬は雌が多いものと思い込んでいたが、「雄が多いみたい」と室崎さん。けれどもこの6頭の名は、いかにもフェミニンな印象である。パンディだけが雄? 正解は、
「タビラだけが雄」とのこと、室崎さんにも初の経験というわけか。
パンディからタビラへの代替わりにあたって逸話あり。
「タビラがきて訓練士さんが引き合わせたら、『私の方が先輩よ』とパンディがタビラを押さえつけて乗ってたと、訓練士さんが話してくれました。」
これぞマウンティング、聞いてゲラゲラと笑ったことを、後から振り返って恥じた。室崎さんを護る神聖な役目は、他の誰にも譲らない自分固有の責務であると、去り際までパンディが主張している。ウソも改竄もへいちゃらで、責任を免れ定年まで逃げ切ることに汲々たる役人などとは、役目に対する向き合い方が根本から違う。人よ、犬に学べ!
全国1,000頭の盲導犬、介助犬、聴導犬と彼らをとりまく人々に、心から祝福を祈る。
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