散日拾遺

日々の雑感、読書記録、自由連想その他いろいろ。
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エテとヘテ

2019-03-28 22:08:45 | 日記
2019年3月27日(水)

 タマルさんちが宅急便の集荷を請け負っているおかげで、の人々は助かっている。今日も荷物を一つ持ちこんだ。父が御当主と語らっている間、ぼんやりあたりを眺めていたら、積みあがった空き箱にハングルが二文字。その下に描かれたシルエットが、動物らしいが何だかよくわからない。

 いつになってもたどたどしいのがハングルの解読で、えーうーと考えるうちに父が帰ってきてそのままになった。なぜか突然映像が甦ったのは、6時間後の羽田空港である。確か 해태 ・・・「え」と「て」・・・エテ公?まさかね。

 もちろん、まさかである。해は「え」じゃなくて「へ」、ヘテだったのだ。これは失礼しましたと、京急の改札へ向かいながら苦笑する。一瞬「えて公」が半島語由来かと思ったのだが、それこそそんなはずはない。どうも、二重に解説の要る話のようである。

***

 猿のことをエテ公という。若い人々には通じまいが、ひょっとすると自分の世代にも通じないかもしれない。何でも世代のせいにするものではないが、さて自分はどこで聞いたのだっけ。そもそも何でおサルがエテ公になる?
 
 「エテ公(猿公)とは「猿」が忌み言葉(註参照)であることからあてがわれた読み方『えて』と、対象となる人物に親しみを込めたり、卑しめるときに使われる俗語『公』から成るもので、猿を擬人化した言い回しである。エテ公の『公』が親しみを込めて使う場合と卑しみを込めて使う場合があるように、エテ公も使われる状況によって込められる意味合いは変わってくる。現代では相手を侮辱する言葉という悪いイメージが強いが、もともとは親しみを込めた言葉であった。
 註)忌み言葉とはいわゆる禁句のことで、受験生に対しての「落ちる」「すべる」がそれにあたる。猿(サル)の場合は「去る」に通じるため、商家を中心に忌み言葉とされていた。」
日本語俗語辞書 http://zokugo-dict.com/04e/etekou.htm
 
 「猿(さる)」の読みを避けるにしても、何で他ならぬ「えて」の読みが与えられたか・・・
 
 「「去る」の反対の意味をもつ「得る」から、得た者を表す「得手」に転じた。「得手」には「得意」の意味があり、他者に「勝る・優る(まさる)」と「真猿」を掛けたともいう。「えて公」同様に擬人化して親しみの気もちを表すものとして、「猿吉(えてきち)」とも呼ばれる。」
語源由来辞典 http://gogen-allguide.com/e/etekou.html

https://sokuup.net/?mode=permalink&no=30885

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 いっぽう、ヘテ 해태 とは・・・

 ヘチ(해치)とも。
 もとは漢字の獬豸(ヘチ)。基本的には中国における獬豸と同じ性質で、正邪を見分ける能力を持つ聖獣である。北東に棲み、額の中央から一角をはやしている。
 韓国・朝鮮においてヘテはもっとも有名な聖獣である。李朝時代は王宮正門の左右に石像がすえられ、守護神の役割をになっていた。天帝の使いであり、神話時代は人間が裁けないような事例があるとヘテが地上に降りてきて善悪の是非を判断した。
 朝鮮半島における歴史は古く、5~6世紀ごろの古墳や墳墓におかれた一角獣の辟邪像がヘテ(あるいはその祖先)であると考えられている。

Encyclopædia of Monsters/Fabelwesen http://www.toroia.info/dict/index.php?cmd=read&page=韓国/ヘテ

https://pixabay.com/ja/photos/景福宮入口のヘテ

 韓国の大企業グループや、同グループが所有したプロ野球球団ヘテ・タイガースの名もこれに由来する。蛇足ながら。

 「エテ公と混ぜて失礼」と先に謝ってはみたものの、猿という実在の動物の存在感とか威厳とかはなかなか大したもので、虚なる聖獣においそれと遅れをとるものではないように思われる。

Ω

 

春の庭 ー 白補遺

2019-03-27 05:56:44 | 日記
2019年3月21日(木)
 ・・・です。
 
 
  もちろん、スイセン。クリームがかった白と黄色の案配がちょっと独特で自慢。ただ、見かけは可憐だが球根があるだけに強いし旺盛に広がるので、きつめに制限しないと庭中がスイセン畑になってしまう。
 
 
 
ユキヤナギはどこにでもあると思っていたが、自生種は地域によっては絶滅危惧種に指定されてるんだそうだ。たとえば石川県と聞いてびっくり。日本原産の植物だそうである。がんばれ!
 
 
 
 スノーフレークというんだって?和名オオマツユキソウ、別名スズランスイセン。こちらはヨーロッパ中南部からの伝来だそうだ。遠路はるばるようこそ歓迎。花弁の先端の緑の斑点というのが、わが家のはいまひとつハッキリしないんだが。
 
 庭にいると、ほんとに退屈するということがない。
 
 Ω

春の庭

2019-03-26 12:01:44 | 日記
2019年3月21日(木)
 この時期に帰省することはわりあい珍しかったので、庭の様子が新鮮である。これは、おぼろにではなく、くっきり写真で載せておこう。
我が家の中も菜の花畑
 
 梅?桃? いえいえ、これは杏(あんず)というものだ。バラ科の血筋は争えない。植えてから10余年このかた、ついぞ実をつけた試しがないが、例年にない花盛りで今年は期待できるか。
 
 足下を見れば、ここにもバラの一族、こちらは野いちご。やがてほんのり甘ずっぱい小さな実をつける。
 
 これはたぶんハナニラ(花韮)、学名:Ipheion uniflorum、キジカクシ目ヒガンバナ科ネギ亜科ハナニラ属に属する多年草。いわゆるニラは同じネギ亜科で葉の匂いもよく似ているが、ネギ属に属する別種とある。ハナニラは「ベツレヘムの星」とも呼ばれ、なるほどダビデの星を思わせる3+3の6弁である。原産地はアルゼンチンだと。
 
 ハナニラのすぐ隣、ヒヤシンス(風信子、飛信子)ですよね?花屋さんで鈴生りのを見慣れてると「これでも?」とか言われそうだが、野良生えのこの姿が原型であろう。これまたキジカクシ目なんだそうだ。東地中海からイラン、トルクメニスタン原産、16世紀のオスマントルコ園芸化されたという。それでか、ギリシア神話の美青年ヒュアキントスに由来する名をもちつつ、学名は Hyacinthus orientalis という。
 
 紫をもう一つ、
 ツルニチニチソウ。ニチニチソウ属、ツルニチニチソウ属ともにキョウチクトウ科なのだ。抗がん剤などの原料となるビンカアルカロイドは前者の産物だが、後者はまた別種のアルカロイドを含むとある。何かまた別のスグレモノが見つかるかな。
 
 きりがないので、このあたりで。おっと忘れた、最後にこの子を御紹介。

 ひょろひょろして、ツクシのもやしっ子ってところか。伊予弁かどうか、母や叔母たちは「ほうしこ」と呼んでいた。ツクシがスギナの胞子茎であることを知れば、なかなか賢いネーミングではないか。

Ω

レスラーAさんへ

2019-03-26 11:54:21 | 日記
2019年3月26日(火)
 こういうブログの使い方は本意ではありませんが・・・

 レスラーAさん(たぶん、あのお方でしょう)から、2月6日と13日にコメントをいただいていたようですね、今はじめて気づきました。Facebook は開店休業状態で長らくほったらかしてあり、おまけにすぐには確認できない状況です。お急ぎでしたら、メールアドレスは以前のままなので、そちらへお願いします。
 YIさんから2月22日にいただいたコメントも見過ごしていました。失礼しました&ありがとうございました。

 亭主敬白