北海道新聞 01/21 05:00
プクッと膨らんだ白い顔にクリクリの目。シマエナガは「雪の妖精」と呼ばれ、かわいらしい姿が人気の小鳥だ。寒くなればなるほど羽の中に空気を入れて体を膨らませる性質にちなみ、大寒の1月20日は「シマエナガの日」とされる。かわいいもの好きの記者(24)が苫小牧市のウトナイ湖周辺で撮影に挑戦した。
■「雪の妖精」ポイントは鳴き声
まずはウトナイ湖に隣接する日本野鳥の会ウトナイ湖サンクチュアリ・ネイチャーセンター(植苗)を訪ね、善浪めぐみレンジャーにシマエナガの特徴や発見するコツを聞いた。
シマエナガの体はスズメより小さく、木を飛び移りながら移動するのでなかなか発見できないが、「実は深い森でしか出合えない珍しい鳥ではない。公園や庭にも来る身近な鳥なんです」と善浪さん。市内では北大研究林(高丘)や出光カルチャーパーク(末広町)のほか、街でも見られ、葉が落ちる秋冬は特に見つけやすいという。
善浪さんによると見つけるポイントは鳴き声。「シマエナガは『ジュルジュル』という特徴的な鳴き声。耳を澄ませてみて」。歩き回って探すより、場所を絞ってじっと観察すると良いというアドバイスをもらった。
歩いてセンターを出た直後、森に囲まれた駐車場で「ジュルジュル」という鳴き声が聞こえた。「何時間探しても見つけられない」「運が良ければ出合える」―。そんな話を聞いていたため、まさかと思いつつ鳴き声を頼りに周囲を探すと、少し遠くの木の枝に雪のように、ほわほわした白い小鳥の姿が。静かに近づき望遠レンズを200ミリにズームしてシャッターを押した。シマエナガだった。
思わぬ出合いに興奮気味でさらにカメラを向けるも、「ジュルジュル」と再び声を出しながら遠くの木に飛び移ってしまった。撮影できたのはわずか5枚。思うように撮れず悔しさもあったが、初めて見たかわいらしい姿に一瞬で心を奪われた。
道の駅ウトナイ湖(植苗)では2017年からシマエナガグッズを販売。今では300種類以上を販売し、市内外からファンがグッズを求めに訪れる大人気の「聖地」だ。西村宏基駅長は「以前はウトナイ湖は白鳥のイメージが強かったが、今ではすっかりシマエナガ。グッズと一緒にバードウオッチングも楽しんでもらえたら」と話す。
多くの人を魅了するシマエナガ。私もまた足を運び、次回こそは正面を向いたかわいい姿を写真に収めたい。(小野柚香)
ことば シマエナガ スズメ目エナガ科。エナガの亜種で、日本では北海道に生息。体長約14センチ、体重はわずか5・5グラム~9・5グラムほど。くちばしが小さく、尾が長いのが特徴だ。昆虫類を食べるほか、木の樹液を飲む。シジュウカラやヤマガラなどほかの種と群れで行動することも。アイヌ語名はウパシチリで雪・鳥の意。
https://www.hokkaido-np.co.jp/article/635806
プクッと膨らんだ白い顔にクリクリの目。シマエナガは「雪の妖精」と呼ばれ、かわいらしい姿が人気の小鳥だ。寒くなればなるほど羽の中に空気を入れて体を膨らませる性質にちなみ、大寒の1月20日は「シマエナガの日」とされる。かわいいもの好きの記者(24)が苫小牧市のウトナイ湖周辺で撮影に挑戦した。
■「雪の妖精」ポイントは鳴き声
まずはウトナイ湖に隣接する日本野鳥の会ウトナイ湖サンクチュアリ・ネイチャーセンター(植苗)を訪ね、善浪めぐみレンジャーにシマエナガの特徴や発見するコツを聞いた。
シマエナガの体はスズメより小さく、木を飛び移りながら移動するのでなかなか発見できないが、「実は深い森でしか出合えない珍しい鳥ではない。公園や庭にも来る身近な鳥なんです」と善浪さん。市内では北大研究林(高丘)や出光カルチャーパーク(末広町)のほか、街でも見られ、葉が落ちる秋冬は特に見つけやすいという。
善浪さんによると見つけるポイントは鳴き声。「シマエナガは『ジュルジュル』という特徴的な鳴き声。耳を澄ませてみて」。歩き回って探すより、場所を絞ってじっと観察すると良いというアドバイスをもらった。
歩いてセンターを出た直後、森に囲まれた駐車場で「ジュルジュル」という鳴き声が聞こえた。「何時間探しても見つけられない」「運が良ければ出合える」―。そんな話を聞いていたため、まさかと思いつつ鳴き声を頼りに周囲を探すと、少し遠くの木の枝に雪のように、ほわほわした白い小鳥の姿が。静かに近づき望遠レンズを200ミリにズームしてシャッターを押した。シマエナガだった。
思わぬ出合いに興奮気味でさらにカメラを向けるも、「ジュルジュル」と再び声を出しながら遠くの木に飛び移ってしまった。撮影できたのはわずか5枚。思うように撮れず悔しさもあったが、初めて見たかわいらしい姿に一瞬で心を奪われた。
道の駅ウトナイ湖(植苗)では2017年からシマエナガグッズを販売。今では300種類以上を販売し、市内外からファンがグッズを求めに訪れる大人気の「聖地」だ。西村宏基駅長は「以前はウトナイ湖は白鳥のイメージが強かったが、今ではすっかりシマエナガ。グッズと一緒にバードウオッチングも楽しんでもらえたら」と話す。
多くの人を魅了するシマエナガ。私もまた足を運び、次回こそは正面を向いたかわいい姿を写真に収めたい。(小野柚香)
ことば シマエナガ スズメ目エナガ科。エナガの亜種で、日本では北海道に生息。体長約14センチ、体重はわずか5・5グラム~9・5グラムほど。くちばしが小さく、尾が長いのが特徴だ。昆虫類を食べるほか、木の樹液を飲む。シジュウカラやヤマガラなどほかの種と群れで行動することも。アイヌ語名はウパシチリで雪・鳥の意。
https://www.hokkaido-np.co.jp/article/635806