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北海道の縄文遺跡は誰が残したもの? シラベルカ#66

2022-01-18 | アイヌ民族関連
NHK 2022年1月17日(月)午後5時24分 更新

皆さんの疑問に答えるNHK北海道の取材チーム「シラベルカ」。 今回は世界遺産に登録された北海道・北東北の縄文遺跡群とアイヌについてです。 鍵は年表にありました。
専門家への取材スタート
今回の質問は、
北海道・北東北の縄文遺跡群が世界遺産に登録されました。一方でアイヌ民族は北海道道の先住民族であると公式に定義づけられました。北海道の縄文遺跡はアイヌの遺跡でしょうか?和人の遺跡でしょうか?
沖縄県出身の山口琉歌記者が取材しました。
まず最初に話を聞いたのは、縄文遺跡群の世界遺産の登録にも関わった、考古学の専門家である東北芸術工科大学の青野友哉准教授です。
東北芸術工科大学 青野友哉准教授
縄文にも地域性があったと言われていて、北海道では縄文文化以降も本州とは異なる独自の文化が変遷し、アイヌ文化へと移り変わることが定説化してきています。また人類学の研究でも、いくつも集団がさまざまな時代に北海道へ移住しつつも、基本的には大きな集団の交代は起きておらず、縄文文化から人としての集団に連続性があると言われています。つまり北海道の縄文文化の遺跡は、アイヌ民族の祖先が残したものであると考えることができます。
年表に注目
続いて、考古学を専門に先住民と文化遺産の関係を研究してきた、
北海道大学「アイヌ・先住民研究センター」の加藤博文教授に話を聞きました。
北海道大学 加藤博文教授
ポイントは文化は変化していても、人の集団としては近代まで連続性があるといいうこ
こちらも青野准教授と同じく、住んでいる人たちの集団としての連続性についての指摘でした。
文化の変化と人の流れを分けて考える!

この年表は道内の小学生向けに作られた教材に記載されているものを元に作成した北海道の年表。年表を見る際に文化の移り変わりと人の集団の流れを分けて考える事が重要だといいます。
北海道大学 加藤博文教授
古墳文化から飛鳥文化に変わったときに、住んでいた人たちの集団が飛鳥文化人から古墳文化人に変わっているわけじゃないわけです。ずっと本州の日本人の祖先が連続して文化を変えながら時代を変えながら変化してきたわけで、北海道でも縄文文化から続縄文文化、擦文文化と変化しても、今のアイヌ民族につながる人の集団自体は連続していくということになると考えられます。本州の歴史を一般的に本州に住む日本人の歴史として見るように、北海道の歴史も全体を通してアイヌ民族の歴史として見ることができると考えられます。
13世紀頃からの「アイヌ文化」って?
山口記者
でも年表に『アイヌ文化』が登場するのは縄文文化よりもっと後ですよね?
北海道大学 加藤博文教授
年表というものは、道具の作り方や使い方、住居や生活様式などの変化を基準にして文化で区分されています。考古学的な時代の分け方です。北海道では、『擦文文化』では人々は縦穴住居に住んでいましたが、『アイヌ文化』に変わっていくに従って、縦穴ではなくチセと呼ばれる平地のうえに作られる住居に変わります。縄文文化や擦文文化などは、時代を特徴づける物質文化にちなんだ名称なんですが、『アイヌ文化』だけは民族の名前を使った名称のため誤解が生じやすいんです。アイヌ文化が成立した13世紀ごろにアイヌがどこか北海道の外側からやって来た訳ではないんです。研究者の中でも『アイヌ文化』という名称が適切な呼び方ではないのではないかという考えも出てきています。
日本国内の多様性
さらに年表を通して日本の多様性を知ることができるそうです。

北海道大学 加藤博文教授
縄文文化だけで見ると、例えば北は北海道から南は九州まで広がっておりますが、同じ時期に沖縄を含めた南西諸島には今度は貝塚文化が広がっています。北海道と本州の集団や文化が異なると同じ様に南西諸島の人々や文化も違うわけですよね。 そうすると日本列島というのは、非常に地域ごとに多様な文化が展開していたことが見えてくると思います。
縄文文化の多様性
さらに、同じ「縄文文化」と一言で言っても、各地域で多様な生活の営みがあったということを理解することが重要だと言います。
北海道大学 加藤博文教授
縄文文化といっても1万年近く続いた長い文化なんです。しかも北は北海道から南は九州まで広がっている。当然、気温も違えば植生も違うわけです。植生が違うとそこに住んでいる動物も違ってくる。そうすると各地で生活や食べ物も変わってくるわけです。地域ごとに土器の模様のつけ方や使用方法が違ったりします。縄文文化にも多様性があると言えます。日本列島という狭い範囲でも、一つの物語で語ることは難しいんです。
《取材を終えて》
今回、縄文文化まで遡ることで日本の多様性がみえてきました。
北海道、本州、沖縄と三つの年表を比べてみましたが、本当はもっとさまざまな文化があったと考えるとわくわくしました。
地域の遺跡を私たちみんなで大切に保存していきたいですね。
(札幌放送局 山口琉歌記者)2022年1月14日
https://www.nhk.or.jp/hokkaido/articles/slug-ne29392df7488

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学校法人札幌大学が公益財団法人アイヌ民族文化財団と連携協力協定を締結 -- アイヌ文化の振興並びにアイヌの伝統およびアイヌ文化に関する知識の普及・啓発のために

2022-01-18 | アイヌ民族関連
北海道新聞 01/17 14:05

学校法人札幌大学は、北海道白老郡白老町の「ウポポイ(民族共生象徴空間)」を運営する公益財団法人アイヌ民族文化財団と連携協力協定を締結し、2022年1月13日、ウポポイにて調印式が行われた。
 本協定は、両法人がそれぞれの強みを生かし、連携および協力することによって、アイヌ文化の一層の復興と発展を図り、アイヌ民族の誇りが尊重される社会の実現に寄与することを目的としている。
 調印式を終え、札幌大学の荒川裕生理事長から「アイヌの歴史文化に関する本学独自の教育の充実と北海道の社会と未来への貢献に一層力を注いでいきたい」と挨拶があった。また、公益財団法人アイヌ民族文化財団の常本照樹理事長は「ウポポイにおける札幌大学の実務研修生受け入れや、ウポポイと札幌大学の相互の講師派遣などさまざまな形で連携を図り、アイヌ文化の復興と発展に向けて、ともに役割を果たしてまいりたい」とお話しされた。
 調印式の後、ウポポイの体験交流ホールにて、札幌大学のウレㇱパクラブとウポポイ舞踊チームとの交流(舞踊指導)が行われた。
◆札幌大学とアイヌ文化研究
 札幌大学では、2010年に「札幌大学ウレㇱパクラブ」が設立され、アイヌ民族の歴史や文化を深く理解・学習するとともに、ウレㇱパクラブに賛同する個人や企業と一緒に、多文化共生社会の実現に向けての協働事業を実施してきた。また、2020年12月には、アイヌ民族に関する教育研究成果をもとに「札幌大学アイヌ文化教育研究センター」を設立し、国内外へ向けたアイヌ民族に関する理解促進の取り組みを推進している。札幌大学でアイヌ文化を学んだ学生の多くは、卒業後、公益財団法人アイヌ民族文化財団をはじめとするアイヌ関連団体において学芸員などとして勤務している。
 また、2022年度からは、全学生に開かれた教育プログラムとして「サツダイ:みらい志向プログラム」内に「アイヌ文化スペシャリスト養成プログラムasir(アシㇼ)」を開設し、アイヌ民族の伝統工芸(木彫や刺しゅう)の実技を学ぶ正規授業を新設する。
「サツダイ:みらい志向プログラム」特設ページ
 https://www.sapporo-u.ac.jp/new-program/
▼本件に関する問い合わせ先
札幌大学企画部広報渉外課
TEL:011-852-9190
FAX:011-856-8290
【リリース発信元】 大学プレスセンター https://www.u-presscenter.jp/
https://www.hokkaido-np.co.jp/article/634313

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白老町「ウポポイ」の隣に温泉旅館 アイヌの伝統的家屋を基調

2022-01-18 | アイヌ民族関連
NHK 01月17日 20時23分

アイヌの伝統的な家屋の建築様式を取り入れた温泉旅館が、白老町にあるアイヌ文化の発信拠点「ウポポイ」の隣にオープンしました。
白老町のウポポイの隣に今月14日にオープンしたのは、星野リゾートの温泉旅館「界 ポロト」です。
アイヌ語で「大きな湖」を意味するポロト湖が由来になっています。
客室は42室あり、いろりをイメージしたテーブルやアイヌ文様を施したクッションなど、アイヌの伝統的な家屋を基調にしています。
浴場は、アイヌの家屋の屋根を支える建築様式で三脚を意味する「ケトゥンニ」を取り入れ、植物由来のモール温泉を楽しむことができます。
また、日帰りの入浴施設も併設されています。
「界 ポロト」の遠藤美里総支配人は「白老町の美しい自然やアイヌ文化が根づく土地であるという点、モール温泉という素晴らしい泉質など、白老町の資産となる部分を滞在の中でお楽しみいただきたい」と話しています。
https://www3.nhk.or.jp/sapporo-news/20220117/7000042363.html

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【3/31締切】森林保全へ中高生からアイデア募集!第3回FSCアワード

2022-01-18 | 先住民族関連
教育ネットワーク (2022年1月17日 14:10)

 世界の森林保全に向けて「FSC(Forest Stewardship Council)」という森林認証制度の普及啓発を進める「FSCジャパン(日本森林管理協議会=太田猛彦代表)」はFSCマーク(=図)を普及させる若者らしいアイデアを全国の中高校生から募集している。「FSCアワード」と名づけた3回目となるコンテストで、締め切りは3月31日。金銀銅の各賞受賞者には、アイデアを実現するための支援を受けられるなど、「FSCジュニア・アンバサダー」として1年間の普及活動に参加できる。
 FSCマークは、適切に管理されている森林から生産されたと認められた木材などにつけられている。森林の生物多様性を守り、先住民族や労働者の権利が守られていることなどを消費者に伝える「森林」版の認証制度だ。
 コンテストの応募課題は「もしも、貴方がFSCジュニア・アンバサダーになったら、FSCマークの普及のためにできるアクションは?」。第2回目(2021年度)は、都内にある私立中学の生徒人が考えた絵本のアイデアが金賞を受賞。主人公の男の子が森の妖精に連れられて旅に出て、森林破壊と生き物たちの現状を知るというストーリーだ。生徒たちは、FSCジャパンの支援で絵本を製本し、子どもたちに読み聞かせをするなどの活動を行った。
>>応募について詳細はこちら
 https://kyoiku.yomiuri.co.jp/event/boshu/contents/post-271.php

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