Dutch Life 備忘録

オランダのミュージアム、コンサート、レストランなどについて記録するノート。日常的な雑記も…。

本「The Leopard」

2014-02-13 10:04:54 | Book
Jo Nesbø著「The Leopard」を読了。
Jo Nesbø(ジョー・ネスボ)はノルウェーの作家で、私は彼のハリー・ホーレ刑事シリーズをずっと読んでいます。
「The Leopard」はシリーズ8作目、原題は「Panserhjerte」です。ノルウェー語は読めないので英語版を読んでいます。
オスロ警察の刑事ハリー・ホーレは、アルコール中毒になったり、最愛の人ラケルと上手くいってもその後別れたりして、私生活はぼろぼろです。
これまで読んだ彼の他の本もそうですが、舞台はノルウェーだけにとどまらず、世界各地に話が展開し、また現在の世界状況、歴史に絡んだ深い話が出てきます。
今回は、香港、コンゴが物語の舞台として出てきます。
特にコンゴ(コンゴ民主共和国、旧名ザイール)の荒れ果てた無法的な状態は、この本を読むまで知りませんでした。以前はベルギーの植民地だったところで、ベルギーのレオポルド2世の私領としてかなり酷い略奪的統治をしていたようです。でも、宗主国の権威か、立派な建物と建てたり、鉄道を敷いたりしました。
最近では、長い間紛争が続いて、国内は荒れ果てています。
2002年1月には東国境にあるニーラゴンゴ火山が大噴火し、ゴマ市にまで流れ混みました。建物の1階部分が溶岩にすっかり埋まってしまうほどの量で、町は廃墟だらけになりました。
今回、ハリーはこのゴマ市を訪れることになります。ルワンダ側の空港に到着し、タクシーで、ゴマに入ります。町の荒廃した雰囲気がその描写からは切々と伝わってきます。
また、今回は、ハリーの父親の最期についてのサイドストーリーがあります。ハリーが今回の物語を通して、一段階大人にという表現は変ですが、人生の次のステップへ入っていく姿を感じます。
このシリーズを通して、警察の腐敗、警察と公安(?)のせめぎあいといったことも描かれており、いわゆるキャリア組に対する不信もテーマになっています。「犯人を逮捕して、そのことで自分の株がどれだけ上がるかということばかり計算しているお偉がたとは違い、ハリーはただ悪い奴を捕まえたいという衝動だけなのだ」というような記述があります。ハリーが唯一得意なことは悪い奴を捕まえることだけで、そのことに集中するあまり、彼の私生活はめちゃめちゃになっていき、その中で、彼は彼なりにどう生きていこうかと考えるわけです。
オスロは小さな町ですが、それでもハリーの身近に殺人鬼が何人いるのはちょっと変だし、彼の不死身な感じも出来過ぎだけど、それはまあ物語ですからね。
Jo Nesbø(ジョー・ネスボ)は、オランダではヨ・ネスボって言っています。同じシリーズの「The Redbreast」、「The Devil's Star」、「Nemesis」、「The Snowman」も面白いですよ。
体調は良好です。