20階の窓辺から

児童文学作家 加藤純子のblog
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『パパとミッポの夢の五号室』(田部智子著・岩崎書店刊)

2008年12月24日 | Weblog
 昨日もご紹介した、なかよしの作家、田部智子さんが新刊をご上梓されました。
 デビュー作『パパとミッポの星の三号室』(岩崎書店刊)に次ぐ、シリーズ第二作『パパとミッポの夢の五号室』です。
 このシリーズは、登場人物ひとりひとりの(ミッポもパパもクルリンさんも、チェリーちゃんも管理人の家内さんも)それぞれのキャラクターがとっても魅力的です。それから田部智子さんらしいチャーミングでやわらかな語りが・・・。
 これが、まずはこの作品の最大の魅力です。
 
 シリーズ第二作、今回の作品は、夢の五号室に住む住人の正体と、ミッポとパパが住むマンションの「不思議」の謎が解明されます。
 そして今回の作品のキーワードは「夢」です。
 さてミッポちゃんは、この作品で夢をめぐるどんな冒険を私たちに見せてくれるのでしょうか?(いろいろなステキな魔法と共に、これは読んでのお楽しみ!)
 
 田部智子さんの文体は、読んでいると、その不思議さがまるでおいしいお水を飲んだあと、体の細胞がぷちぷちとみなぎってくるような、そんな力があります。
 そしてなにより、とっても、おしゃれです。
 今回、五号室の住人と関わり合いながら(詳細は、これからお読みになる方のために、敢えて明かしません)ミッポたちが体験していく世界を読んでいて、私は不思議な感覚に囚われている自分に気づいていました。
 
 そう、そのむかし。私がまだほんの小さな子どもだったころ、はじめて映画館でウォルト・ディズニーの映画を観た、あのときのわくわくした感覚です。それが蘇ってきたのです。
 田部智子さんという作家は、体内に「子どもの感覚」を内包していらっしゃる、極めて児童文学者らしい作家なのかもしれないと、そのとき思いました。
 皆さまぜひお読みになってください。
コメント (6)
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