20階の窓辺から

児童文学作家 加藤純子のblog
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『おれのおばさん』(佐川光晴・集英社)

2010年09月15日 | Weblog
 今夜は隔月で行っている研究会、Beー子どもと本の例会です。
 今月のテキストは『おれのおばさん』

 東京生まれ、茅ヶ崎育ち、北大出身という作者が、北海道を舞台に書いた作品です。
 少年たちを描く物語というと、どうしても世相を反映してか、息苦しさ、行き悩む姿を描いたものが多いようにおもいますが、この作品は違います。
 どんな困難も体当たりで受け止め、前向きに生きていく。人間が大好きな人たちが登場します。
 その代表格が、「おばさん」

 真正面から人生に向き合っている作品ですが、ストーリーは単一的ではありません。
 波瀾万丈。
 ディテールの確かさと、この波瀾万丈さが、物語をおもしろくしています。
 人間を描くというのは、波瀾万丈さにリアリティをもたせる取材力と、ストーリー性への緻密さがあわせて必要だったのだということをあらためて気づかせてくれた作品です。
 さて、今夜はどんな感想が飛び交うでしょう。
 
 beのメンバーの濱野京子さんがこのたび、JBBY賞を受賞し、6日から児童文学のお仲間である作家や評論家たち6人で、授賞式に出席するためスペインに行っています。
 ですから今夜の研究会は欠席者が多いようです。
 帰国したらぜひ、授賞式の様子や、スペインのお話をうかがわせていただきましょう。

 その前に、今回から有志による合評会が行われるそうです。
 私も少しだけ顔を出させていただこうと思っております。
コメント
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