20階の窓辺から

児童文学作家 加藤純子のblog
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『空とぶ太陽の神ヒルコ』(山口節子・新日本出版社)

2010年09月25日 | Weblog
 古くからの友人、山口節子さんの新刊です。
 このお話は、淡路島に伝わる説話を物語にしたものです。

 海女を守る、ヒルコという太陽の神様が、黒雲の魔王とたたかい、ふたたび、光をとりもどすというお話です。

 暗闇の中、途方に暮れているであろう海女たちのことを想像し、なみだを流すヒルコのシーンがあります。そばには父神と母神が立っています。
 そして母神は、ヒルコの頭をなで、
「ヒルコ、なきなさい、たくさん、たくさん、なきなさい」といって頭をなでてくれます。
 ヒルコはその言葉のとおり、なみだが枯れるほど泣きます。
 泣いたあと、わき出してきた力で、ネズミや、モグラやみみずたちと、ともに暗闇から人びとを解放します。

 たまには、こうした説話の世界を楽しむのもいいものです。
 ぜひお読みになってください。
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