先日、息子と著作物の二次使用について話しました。
息子は、彼の著書『「幽霊屋敷」の文化史』(加藤耕一・講談社現代新書)が、ある大学の入試に使われ、赤本に収録されたという話をしていました。
そういえば、昨晩のテレビ朝日のフランスの「天使の島、モン・サン・ミッシェル」の番組に、監修として息子の名前が出ていました。彼が魅せられ専門にしてしまったゴシック建築というのは、ほんとうにうつくしいと思いながらテレビを見ていました。
ところで、その二次使用ですが、私もそれにはたくさんの本を使っていただいております。
事務手続きは日本文藝家協会にお願いしているので、そこから年に4回ほど報告書が届きます。
毎回、40社以上の進学塾や参考書出版社、予備校などが私の作品を取り上げてくださっています。
『卒業、さよならのコンサート』『モーツアルトの伝言』『アンネ・フランク』『母と娘が親友になれた日』『家庭教師りん子さんが行く!』(いずれもポプラ社)『夕暮れの占い師』(学研)などを多数、問題集や模擬試験の問題などに使用していただいております。
息子や娘が小学生のころ通っていた、四谷大塚なども入っています。
かつてご自身の作品を大学入試に取り上げられ、その解答が作家が考えていたものと違うということで、問題提起されたのが、作家の丸谷才一さんです。
私たちの作品は小学校高学年向きか、中学生、あるいは高校入試にだされることが多いので、そういった作家自身の思いと、解答とのギャップというのはあまり感じません。
むしろ、すごく立派な問題集などを送っていただくと、それだけで、自らの過去の作品がいまに蘇り、形を変え、子どもたちの手に届いているしあわせを感じます。