私は絵画などを見るとき、どうもその画家の生きた人生から入るタイプのようです。
一目ですきになる絵というのも、もちろんあります。
しかし、そのひとがどう生きてきたか、そしてどう苦悩し、葛藤し、その絵を描き出したか。
そういったことを洞察するのがすきです。
「日曜美術館」を毎週、欠かさず見ているのもそのためです。
先週の日曜日は、28歳で亡くなった夭折の天才画家・青木繁でした。
コメントは、俳人の長谷川櫂さん。
写実的な風景画や美人画が主流だった当時の画壇は、 神話の世界を豊かな想像力で表現した青木繁の作品に驚愕しました。
さらにその作品は、浪漫主義文学を展開していた明治30年代の文壇にも大きな衝撃を与えます。
夏目漱石、蒲原有明、与謝野鉄幹などがそれです。
俳人の長谷川櫂さんのコメントがまた、よかったです。
神話や、明治の浪漫主義文学を実によく学んでいて、そこから青木繁の魅力を紐解いていました。
またもうひとつ、私が気に入っているのが、毎日夜10時ちょっと前にラジオから流れてくる「灯台の見える美術館」という番組です。
このところずっと取り上げているのが、ゴッホ。
毎晩10時ちょっと前になると、ベッドに本を持ち込み横になると,そのラジオを聴いています。
人間を知る。
このふたつの番組には、そうした私の求めている手がかりがあるような気がしているのです。
(写真は、サイトからお借りした青木繁の代表作「海の幸」です。)