20階の窓辺から

児童文学作家 加藤純子のblog
毎日更新。児童文学情報・日々の暮らし・超高層からの眺望などニュース満載。

奇想の系譜展

2019年04月07日 | Weblog

            

 昨日は、最終日前日、都美術館で行われている「奇想の系譜展」をみてきました。

                                  

 美術史家の辻惟雄の「奇想の系譜」(小学館・オールカラー版・新版)をもとに、企画の組まれた、展示会でした。

 江戸時代の、若冲、蕭白の、時代性を感じさせない新しさと、アバンギャルドさは、いつみても刺激をもらいます。

 若冲のテーマは「幻想の博物誌」

 彼特有の色の華やかさのある絵画は、数展。

 あとは墨絵ばかりでした。

            

 やはり、アメリカ人のコレクター。プライスの作品がもっと展示されないと、若冲の幻想性、華やかさは表現できません。

 物足りない、若冲でした。

 

 その点、「さめたグロテスク」と評された蕭白は、圧巻。

「奇想の起爆剤」白隠の世界は、達磨図をはじめ、コケティッシュでした。

 また国芳のグロテスクで大胆な手法には、度肝を抜かれました。

 江戸の時代に、こうした画家たちがいたことに、正統派の「琳派」などとは違った、日本人の想像力のすごさと大胆さを感じます。

 

 けれど、辻惟雄が、この画家たちを開拓し、一冊の本にまとめた「奇想の系譜」をベースに、作り上げた企画としては、全体的に、やや物足りないものでした。

 

 見終えて外に出て、精養軒が都美術館のレストランに入っているのを知り、そこでランチを食べて帰ってきました。

   上野はお花見客であふれていました。

 ベースとなり、新版となったオールカラー本をもう一度読み直して、お口直ししたいな・・・と、辛口コメントです。

コメント
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする