昨日は、最終日前日、都美術館で行われている「奇想の系譜展」をみてきました。
美術史家の辻惟雄の「奇想の系譜」(小学館・オールカラー版・新版)をもとに、企画の組まれた、展示会でした。
江戸時代の、若冲、蕭白の、時代性を感じさせない新しさと、アバンギャルドさは、いつみても刺激をもらいます。
若冲のテーマは「幻想の博物誌」
彼特有の色の華やかさのある絵画は、数展。
あとは墨絵ばかりでした。
やはり、アメリカ人のコレクター。プライスの作品がもっと展示されないと、若冲の幻想性、華やかさは表現できません。
物足りない、若冲でした。
その点、「さめたグロテスク」と評された蕭白は、圧巻。
「奇想の起爆剤」白隠の世界は、達磨図をはじめ、コケティッシュでした。
また国芳のグロテスクで大胆な手法には、度肝を抜かれました。
江戸の時代に、こうした画家たちがいたことに、正統派の「琳派」などとは違った、日本人の想像力のすごさと大胆さを感じます。
けれど、辻惟雄が、この画家たちを開拓し、一冊の本にまとめた「奇想の系譜」をベースに、作り上げた企画としては、全体的に、やや物足りないものでした。
見終えて外に出て、精養軒が都美術館のレストランに入っているのを知り、そこでランチを食べて帰ってきました。
上野はお花見客であふれていました。
ベースとなり、新版となったオールカラー本をもう一度読み直して、お口直ししたいな・・・と、辛口コメントです。