創作教室の受講生で、いまは「季節風」の作家・宇佐美牧子さんのデビュー作です。
大人びた友だちと、それに追いついていけない少女。
そんな五年生の少女の気持ちを、瑞々しく、まぶしく描いている作品です。
「ほんとは、かぶとむしが好き」
でも、友だちとの話題は、おしゃれの話や、好きな男の子の話。
主人公のルミは、そんな自分の本音をなかなか出せません。
そういった話についていけない自分は、どこかみんなと違うのかも知れないと。
でも幼なじみの克哉は、あのころのままです。
そんな少女のゆれ動く気持ちを、丁寧にすくい取りながら物語は進んでいきます。
とうとう、自分の本音を言わないルミから、大人っぽい友だちの洋子たちは離れていこうとします。
そのあとのシーンが、印象に残ります。
「わたしはどうしたいんだろう?」
さっきからむねの中で回りつづける言葉を、その上にはきだしてみた。
声は波にのみこまれていく。
その中で金魚は、まいごみたいにユラユラとゆれていた。
この金魚と少女の表情を重ね合わせている絵と、そこにそえられている文章。
ステキです。
さて、ラスト、少女たちの関係はいったいどうなっていくのでしょう。
大きな物語があるわけではないのに、心に残る作品です。
ルミや少年たちがとても初々しく、彼らの思いのひとつひとつに実感がこもっています。
皆さま、どうぞお読みになってください。
大人びた友だちと、それに追いついていけない少女。
そんな五年生の少女の気持ちを、瑞々しく、まぶしく描いている作品です。
「ほんとは、かぶとむしが好き」
でも、友だちとの話題は、おしゃれの話や、好きな男の子の話。
主人公のルミは、そんな自分の本音をなかなか出せません。
そういった話についていけない自分は、どこかみんなと違うのかも知れないと。
でも幼なじみの克哉は、あのころのままです。
そんな少女のゆれ動く気持ちを、丁寧にすくい取りながら物語は進んでいきます。
とうとう、自分の本音を言わないルミから、大人っぽい友だちの洋子たちは離れていこうとします。
そのあとのシーンが、印象に残ります。
「わたしはどうしたいんだろう?」
さっきからむねの中で回りつづける言葉を、その上にはきだしてみた。
声は波にのみこまれていく。
その中で金魚は、まいごみたいにユラユラとゆれていた。
この金魚と少女の表情を重ね合わせている絵と、そこにそえられている文章。
ステキです。
さて、ラスト、少女たちの関係はいったいどうなっていくのでしょう。
大きな物語があるわけではないのに、心に残る作品です。
ルミや少年たちがとても初々しく、彼らの思いのひとつひとつに実感がこもっています。
皆さま、どうぞお読みになってください。