kaeruのつぶやき

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不破さんと一緒に読む『資本論』

2022-01-25 18:27:00 | kaeruの『資本論』
 
山口富男
 不破哲三さんの新しい著作『資本論」全三部を一読む』新版の刊行がはじまりました(第1冊は昨年11月、第2冊は今月、以後11月まで隔月で全7冊を刊行)。
 この著作は、2003年~04年に刊行した旧版を、その後の研究の発展をふまえて精査・改定したものです。改定にあたっては、新版『資本論』(全12 冊、党社会科学研究所監修)の訳語、訳文、編集上の成果が生かされ、引用・参照ページも改められています。
 


現代的、歴史的に読む
 本書の特徴は、講義(ゼミナール)の形式で、読者とともに『資本論』全巻を読みとおすことにあります。講義は1年、21回で構成され、1冊ごとに3回分を収めます。
 講師の不破さんは、マルクスの主著『資本論』を、現代に生きる指針として、その形成と発展の歴史のなかで理解することに徹します。なかでも、マルクスが資本主義を人間社会の歴史的な一段階ととらえたことを重視し、恐慌論をふくむ資本主義の経済法則の解明、社会変革の諸条件の準備と未来社会論の展開をあますところなくつか
 

もうとしています。
 
商品論から搾取論まで
 第1冊は、『資本論』をめぐる開拓と苦闘、研究方法を学び、第一部「資本の生産過程」の第一篇「商品と貨幣」を読みます。講義は、論述の流れと主題に応じた考察の段取りを示し、大事な概念や考え方は突っ込んで解説、マルクスと文学・日本など、味のある論点も見逃しません。商品論冒頭と「恐慌の可能性」に関わる貨幣論の一節を遂条的に読み、価値形態論では、要となる貨幣の秘密を語ります。新たに収録された関連年表も、理解を助けます。
 第2冊では、マルクスの経済理論の核心である剰余価値の謎を解き明か
 

し(第二篇)、剰余価値の生産、資本主義的搾取の分析に進みます(第三、第四篇)。講義は、マルクスの労働論の特質を「物質代謝」という用語も使って説明し、工場法論の現代的意義、続いて、「独自の資本主義的生産様式」の成立と発展、生産にたずさわる労働者の変貌ぶりに注目してゆきます(第2冊で扱うのは、第四篇第一三章「機械と大工業」の第四節まで)。
 
 新たな魅力を生む補注
 
 新しい著作の主な改定内容は、ページ欄外の「補注」にまとめられています。その数は、既刊の2冊で280カ所余り、どれも読みやすく、本書の新たな魅力となっています。
 補注の内容は、『資本論』の歴史とノート・草稿の状態、経済的社会構成体などの基本概念の説明、不破さんの新たな研究とマルクスたちの著作紹介、さらに、世界と日本の政治・経済・文化・歴史にかかわる事項解説、経済学者を中心とした人名録と、実に多彩です。
 本書は、こうして〝新版『資本論』をテキストに全三部を読む〟、初めての著作となりました。
(やまぐち・とみお 日本共産党幹部会委員)
 
 

どうなっていくのだ日本は❓世界は?

2022-01-22 00:52:00 | kaeruの『資本論』




こんなグラフを見てると「どうなっていくのだ❓」とつぶやきたくなる、いや叫びたくなります。でも「どうなっていくか」を知るためには「どうなっているのか」を理解しておかなければ、と思います。

その「どうなっているか」には「いまどうなっているか」と「基本的なところがどうなっているか」の二つの内容が含まれていると思います。このコロナ禍の世界と日本がどうなっているかを知らねば、ということとコロナ禍で現れてきた経済や社会の本体が「こうなっていたのか」が分かることが大事だと考えます。

それはコロナ禍で苦しめられている人々をサポートする為にも、コロナ禍の克服の為にもさらにコロナ禍後の社会と政治の前進のためにも必ず役に立つに違いないと思います。そういう思いで『資本論』に目を移すとマルクスが『資本論』に生涯をかけるに至る入り口に立ったのは、青年期の『ライン新聞』で活動していて経済問題——「物質的利害関係」の問題に取り組まざるをえなくなったからです。

不破さんが20年前に、日本共産党の党機関で活動している人々の学習のテーマとして『資本論』を選んだのは、活動の中心に立ち理論と実践を両輪としてすすめる能力を養う必須のテキストだとしたからです。不破さんはそういう能力の理論面を「科学の目」と称しています。『資本論』が科学的社会主義の理論=「科学の目」の要をなす本だからです。

『新版 資本論』 を読む

2022-01-20 22:50:00 | kaeruの『資本論』
20年前の1月21日から日本共産党の本部で一年間で『資本論』全三部を読む学習会が始められました。
 
そのスケジュールはこれです、
この学習会は当初予定した規模を大きくこえて300人超になり、第21回目の講義を最終として成功のうちに12月16日に終了しました。その全体の講義内容が “『資本論』全三部を読む” の全7巻として刊行されたのが、2003年4月から翌年5月にかけてでした。
 
最近この全7巻の新版が刊行されはじめ第一巻が昨年11月、第二巻が今日店に並びました。改訂版としてではなく“『資本論』全三部を読む 新版” と銘打たれています。それは何よりもこの間に『資本論』自体が『新版 資本論』として、不破さんを中心にした研究によってマルクス自身の研究成果を反映させた内容になって公刊されていたからです。
 
kaeruも2014から2017年にかけて地元で4人ほどの勉強会でしたが、一応第3部の終盤まで読みすすめてました丁度総選挙に突っ込み、はじめての共闘で臨む選挙戦で「読む」方が放棄されてしまいました。
 
『新版 資本論』を買い揃え一通り読み通しましたが、もう一度不破さんの講義の新版を手掛かりに読むことに挑戦してみたいと思います。幸いがんという病も抑えられて今年から6ヶ月おきの検査に移ることができ、落ち着いて読みすすめられるでしょう。今年の賀状に『資本論』を読み続けています、と書かれたものもありその友人とも連携をとりながらすすめたらお互いの励ましにもなるでしょう。
 
「一年の計は元旦にあり」からいうと「遅い」計ですが、この諺は旧暦時代からでしょうから、今年の旧暦での元旦・2月1日を前にしての決意表明です。
 
 
 

『資本論』とコロナ・パンデミック

2022-01-19 22:09:00 | kaeruの『資本論』

昨日の「kaeruのつぶやき」へのワイコマさんのコメントにコロナ感染に関連して「五類」という言葉が書かれていました。

どこかで目にした用語だと思い広げたのが、

·
この本です、例により読みかじって未読のまま積読のなかにありました。
かじった部分に、この表があり「5類感染症」という用語が記憶に残っていたのです。



著者の友寄さんは、雑誌「経済」の編集長などを歴任された方でこの本を著す意義は「唯物史観の視点から今回のコロナ・パンデミックをどう見るか、その歴史的意味を考えることでした」。ですから「これまでまったく未知の分野の学問(感染症疫学)」を新たに学んでの執筆だったわけで、それだけに読み易い分かりやすいのです。

この間「kaeru のつぶやき」で「全世界の一人」を称しているkaeruとしてはその自覚を幾らかでも実のあるものにするために、奮闘努力するべきでしょう。見出の図表「歴史上の主なパンデミック」にマルクスが『資本論』で言及している14世紀のペスト流行やエンゲルとマルクスが言及している19世紀のコレラについて載せられています。

これらの言及部分は史的唯物論の視点でパンデミックを評し、パンデミックの元での社会のあり方その動向を見究める観点を提示してくれると思います 。その意味で『資本論』への新たな「読み」をと考えていたこの時期、『資本論』の「読み」に今日的意味を重ねることが出来ます。

2020年4月25日、資本論学習の跡。

2021-04-25 23:53:46 | kaeruの『資本論』

腰をかばいながら、久しぶりに不破さんのこの本、

広げてページをめくっていたら、

去年の今日の日付がメモしてあった。

ページの上の「03.6.8」はこの本を買って読みはじめた時の日付だろう。

昨年の今ごろ「グーグルブック」に、不破さんのこの資本論ゼミ全7冊が収められているのを「発見」して、面白いやと読んだ記憶がある。

試しに試読してみてください、当然ですが全ページは収められていません。

 

『資本論』全三部を読む

 

Google Books

 

272ページのうち、63ページまで載せてあります。他の6冊もほぼ同じくらいのページまで読めます。

 


10年前の今日の読売新聞の掲載ー不破哲三「時代の証言」おわり

2020-12-11 23:39:40 | kaeruの『資本論』

 この本(中央公論社刊 不破哲三『不破哲三 時代の証言』2011年3月刊)の「まえがき」に、「この本をつくるきっかけになったのは、二〇一〇年五月、読売新聞社からの、同紙掲載の「時代の証言者」の一人になってくれ、との申し込みでした」とあります。

 掲載された記事はこちら、右の11 日付で29(回)の末に(おわり)とあります。その前々回の27(8日付)の最後の部分に、

「私自身の理論研究では、国会議員や党の書記局長、委員長、議長を務めていた時期に比べると、少し余裕ができたので、いろいろな主題が浮かんでいます。

 一つはスターリンの大国主義の歴史。ソ連時代の資料が広範に出てきたので、それを活用して戦前・戦後の歴史を追跡したい。

 もう一つはマルクスの「資本論」の形成史です。以前、「恐慌」論を中心に取り組みましたが、その完結編を書きたい。理論の研究にきりがないのです。」と記されています。

このことは以前もつぶやきました。

OGPイメージ

不破哲三さんの二大研究テーマ。 - kaeruのつぶやき

まず今日の「しんぶん赤旗」です、この1ページに不破哲三さんの二つの大きな研究テーマの研究実績が示されています。その二大テーマとは、ここに触れ...

不破哲三さんの二大研究テーマ。 - kaeruのつぶやき

 

 スターリンの大国主義については『スターリン秘史』として全六巻にまとめられました。

 もう一つの大テーマ・『資本論』形成史研究は『新版 資本論』全12分冊に結実しています。12分冊中7分冊までで第一部と第二部が発行され、先月第三部5分冊の第一分冊目が出されていました。

 昨年9月刊の第一冊目から読み通しをはじめて、7分冊目まで目を通し終わったので先日8分冊目を入手、読みだしました。読むといっても文字を追って目を通すので精一杯、第一部は以前にもそれなりに読んでいたので、ある程度筋を追いながらという感じでしたが、第二部に入ると目は文字を追うけれど脳に入ってこない、それでも以前とは違うのは不破さんの第二部への評価が頭にあったことです。

 不破さんは、「『資本論』全体の組み立てからいうと、第二部は、実務的な、無味乾燥な部分などでは決してないのです。ドラマ性という点でも、むしろ、『資本論』全巻のなかで、もっともドラマ性に富んだ巻」と評しています。それを頭に置いて読み進めると、数式の連続もドラマの一局面かと思えてくるのでした。

 第三部も不破さんの諸著書を杖と頼み、読みすすめられたらと思います。


不破哲三さんの『「資本論」全三部を読む』の部分読み

2020-08-24 20:24:12 | kaeruの『資本論』

不破哲三さんが『資本論』の全体を21回にわたって講義した内容が7分冊で発刊されています。

その各冊のはじめから数十頁をgooglebookで読めます。

『資本論』全三部を読む

 

Google Books

 

リンク印をクリックすると、下の画面になります、「書籍のブレビュー」をクリックして下さい。


猛暑に 『資本論』 で頭を冷やす。

2020-08-19 19:13:42 | kaeruの『資本論』

今日の「しんぶん赤旗」の「潮流」です。

「とにかく暑すぎる。猛暑、酷暑、激暑、炎暑、極暑。ほかにも暑熱や炎熱など、度合いを示す言葉はたくさんありますが、どれもピンとこないほど。最近では災暑なる言葉も表れています▼人間はほぼ一定の体温を維持できる恒温動物です。体内でつくる熱を放散させる機能がありますが、気温が高くなればなるほど放熱が進まず、体に熱がこもりやすい。そうなると、熱中症になる危険も高まります▼おととい浜松市で国内の最高気温に並ぶ41・1度を観測しました。2層の高気圧にフェーン現象も加わったため急上昇したといいます。これで1933年の山形市を除けば、歴代トップテンはすべて2000年代に入ってからの記録になりました▼近年は列島の各地で最高気温が更新され、平均気温も上がっています。専門家は「地球温暖化も無関係ではない」と。日本だけでなく、外電によると米デスバレーでは16日に54・4度を観測しました▼いまや温暖化の影響は至る所で。グリーンランドでは氷床の融解が戻れないところまできてしまったと国際研究グループが発表しました。海への重油流出もそうですが、膨大な年月を重ねて自然がつくり上げたものをあっさりと壊してしまう。なんという、人間の傲慢(ごうまん)さ、愚かさか▼それにしても、ウイルス感染、災害、暑さと、つらいことばかりで気もめいる日々。いまさらながら、生きがいや人生の意義をもつことの大切さが身にしみます。よりよい社会をつくる力が、人間にはあることを信じて。(赤字はkaeru )」

こちらを見てください、

写真はこちらから。    

なぜ「『資本論』で頭を冷やす」のか?

この記事のあるページはこちらで、そこにそのわけが書かれています。

https://www.jcp.or.jp/akahata/aik20/2020-04-05/2020040504_01_0.html

   

 


『資本論』 メモ

2020-08-17 22:58:26 | kaeruの『資本論』

雑誌「経済」の8月号です、

   新版『資本論』に想う 今宮謙二  (金融論・中央大学名誉教授)

 間もなく91歳を迎え、足腰が大分弱くなり思うように外出もできず、毎日好きな本を読んで幕らしています。最近もっとも興味をもって読んでいるのが、新版『資本論』です。学生・銀行員・研究者の時に通読しましたが、現在あらためて読んでみると学生時代の新鮮な気持ちが想い出され、初めて読むような感覚です。それは訳文・訳語の改訂のみでなく、新しく発見されたマルクスの「草稿」の研究にもとづいて豊富な訳注がつけられ、『資本論』の内容がより豊かになり、かつ理解しやすくなっているからだと思います。現在は隔月の刊行ですが、私は月刊にしてほしいと切実に願っています。

(略)

 1929年大恐慌当時 マルクス主義者たちは『資本論』をどのように研究し、理解していたかの間題です。その頃すでに高畠素之訳『資本論』は改造社から全3巻刊行され、発行部数が15万部と称せられています(鈴木鴻一郎 『「資本論」と日本』弘文堂、16ページ)。入門書もカウツキー「マルクス資本論解説」、河上肇『資本論入門』などがありました。1929年に「正統派」とよばれた若手マルクス主義者たちによってプロレタリア科学研究所が創立され、機関誌「プロレタリア科学」を創刊しました(34年まで発行)。同誌30年8号に鈴木安蔵が『資本論』を学ぶ必要性を痛感すると書いていますが、次の9号では逆に現状分析を優先すべきで『資本論』研究は後にせよとの主張がのせられ、その後研究所もこの主張を認め、同誌には『資本論』に関する論文などはほとんどありません。同誌の後を引きついだ『経済評論』(創刊34年で37年まで発行)も『資本論』については海外の紹介論文を一つだけのせたにすぎません。当時「プロ科」は「新労農党」結成に参加した河上肇に痛烈な批判を行っており、30年刊行の『第二貧乏物語』もまったく無視していました。その頃河上は次のように嘆いています。「日本では経済学が解放運動にとって基本的な精神的武器であることが、充分に理解されてなく、現にマルクス主義をふりまわしている人のうちにすら『資本論』を通読したこともない人々がおおい」(「河上肇全集」16巻。岩波書店、313ページ)。「プロ科」は『資本論』への理解がかなり低く、教条主義、極左主義など大きな誤りを犯したと言えます。しかし、誤りがあったとしても絶対主義的天皇制下で生命の危険をかけて、反戦・民主主義のために活動や研究を続けてきた人々がいたからこそ現在の成果があるのです。この点は絶対に忘れるべきではありません。

 いま 『資本論』の「精神」を受けつぎ、みんなで未来社会へ進む時がきているのです。

文中に河上肇の『資本論入門』に触れています。

こちらから全文が読めます、

https://dl.ndl.go.jp/info%3Andljp/pid/1170518

 

 

 


いまだから 『資本論』 ー 新版 『資本論』 だからこそ……。

2020-07-12 02:50:04 | kaeruの『資本論』

いま……なぜ『資本論』か、自問してみてやはり「いまだから」になります。ここには二つの意味があります、まずこの広告—新版『資本論』第6分冊の出版広告です。

そこに〝資本の運動を回転の流れのなかで究明する「第二篇」を新しい訳文、訳注で収録〟とあります。私はここに、第一の「いまだから」を置きます、新版『資本論』で『資本論』を学べるいまだからこそ!という思いです。

その点では9月発刊の第7分冊が待たれます、ここに不破さんが「恐慌の運動論」と呼びマルクス自身の資本主義の「必然的没落の理解」を大きく転換させた一文・「第二部第一草稿に書き込まれた新しい恐慌論の全文」が収録されているからです。

日本共産党創立98周年記念講演会│党紹介│日本共産党中央委員会

日本共産党創立98周年記念講演会 7月15日(水)18:30~ライブ中継 ...

日本共産党

 

第2には来たる15日の志位委員長の日本共産党98周年記念講演の内容に関係してます。

「恐慌の運動論」を通じて「資本主義の必然的没落」への理解は没落させる担い手の姿を描きだし、次の社会は? につながっていきます。新版『資本論』の第三部にはマルクスの「未来社会論」が解明されるはずで、この点でも新版『資本論』ならではの独自の工夫がされているとのことです。

そこで、今日のタイトルは、

いまだから 『資本論』 ー 新版 『資本論』 だからこそ……。