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見る聞く読む「しんぶん赤旗」/菅首相の答弁について、小池書記局長

2020-10-31 14:59:42 | kaeruの「しんぶん赤旗」

 

菅首相の答弁について 2020.10.30

参院本会議での代表質問を終えて、小池書記局長の会見

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説明つかず矛盾拡大

任命拒否 首相答弁に小池書記局長

 日本共産党の小池晃書記局長は30日、国会内で記者会見し、同日の参院本会議で自身が行った代表質問への菅義偉首相の答弁で、日本学術会議会員に「偏りがみられる」として、旧帝国大の7国立大所属の会員が多く、私立大学所属が少ないことを挙げたことに「驚がくした」「説明すればするほど矛盾がどんどん拡大している。過ちを認め、任命拒否は撤回すべきだ」「予算委での一問一答の質疑で徹底的にただしていく」と表明しました。

 小池氏は、首相が旧帝国大の7国立大に所属する会員が45%を占め、615の私大に所属する会員は24%にとどまると強調したが、任命拒否した6氏のうち3氏は私大所属だと指摘。人文科学系の学者だけ任命を拒否しながら、「特定の分野の研究者であることをもって任命を判断したことはない」などと答弁した矛盾を示し、「任命拒否の理由が“安保法制に反対した”などとは言えないから、理由を一生懸命ひねりだそうとして、どんどん矛盾が深まっているのではないか」と述べました。

 また、前日の衆院本会議での答弁と同様、憲法第15条第1項を踏まえ、「必ず推薦の通りに任命しなければならないわけではないと3回も“壊れたテープレコーダー”のように繰り返した」と指摘。新型コロナウイルス感染症対策など他の質問への答弁も含め、「同じことをどの党の質問にも繰り返し、その中身は所信表明演説で言ったことから一歩も出ない」と批判しました。

 菅首相が任命拒否の理由は「個別の人事」だと説明を拒否したことについて、「37年間やらなかった任命拒否をやった以上、その理由を国民が納得いくように説明をするのは、総理大臣としての最低限の責任だ」と強調。「民主主義と法治国家のあり方に対する菅総理の姿勢の問題点が浮き彫りになった」と述べました。

 沖縄県名護市の辺野古米軍新基地建設のための埋め立て用土砂に糸満市など沖縄戦激戦地の戦没者の遺骨が含まれた土砂が使われ、“遺骨を軍事基地の埋め立てに使うのは冒とくだ”と怒りの声が上がっている問題をただしたのに対し、菅首相が「関係法令で認められた採石場から調達されると承知している」と冷たく言い放ったことに言及。「沖縄の人々に寄り添う姿勢とはとても言えないのではないか。全体として人間味のない、心の通わない冷たい答弁ばかりだった」と述べました。

 性犯罪被害に関連し、「女性はいくらでもうそをつける」との暴言を放った杉田水脈衆院議員を辞職させるよう求めたのに対し、菅首相が「政府の立場で個別の国会議員の発言等についてコメントは差し控えたい」と答弁したのに対し、「私は『自民党総裁として』と注釈を付けて見解を求めたはずだ」と強調。首相が他党の改憲を求める質問には「自民党の総裁」として答弁したと指摘し、「都合の悪いことは答えないという姿勢がはっきりした」と批判しました。

 


見る聞く読む「しんぶん赤旗」/小池書記局長代表質問 20/10/30

2020-10-31 14:18:50 | kaeruの「しんぶん赤旗」

 

小池晃書記局長の代表質問 2020.10.30

#小池晃 書記局長の代表質問 参院本会議

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2020年10月31日(土)

学術会議 コロナ 温暖化 新基地 核兵器禁止条約

首相の姿勢 根本から問う

小池書記局長が代表質問

任命拒否 逃げずに答えよ

参院本会議

 日本共産党の小池晃書記局長は30日、参院本会議で代表質問に立ち、日本学術会議の会員任命拒否問題や新型コロナウイルス対策など直面する重大問題について菅義偉首相の姿勢をただしました。小池氏は、学術会議の任命拒否について「民主主義と法治国家のあり方に対する菅首相の基本姿勢を根本から問うものになっている」として「菅首相には任命拒否の理由を誠実に説明する責任がある。逃げずに答えよ」と厳しく迫りました。(質問全文)(関連記事)


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(写真)代表質問に立つ小池晃書記局長。その奥は菅義偉首相=30日、参院本会議

 小池氏は、菅首相が任命拒否の新たな理由として「民間出身者や若手が少ない。出身や大学にも偏りがみられる」などと言いだしたことをあげ、具体的な根拠をあげるよう追及。菅首相が多様性を重視したといいながら50代前半、女性、その大学からただ一人という研究者の任命を拒否し、総合的・俯瞰(ふかん)的な観点をいいながら人文科学系の研究者だけを任命拒否するなど、矛盾した説明を繰り返している点をただしました。

 菅首相は「個別の会員の任命との関係は答えを差し控える」としつつ、「現在の会員は所属別にみると、旧帝国大学といわれる七つの国立大学に所属する会員が45%を占めている」「特定分野の研究者であることをもって任命を判断したことはない」などと弁明。議場からは「理由になっていない」「うそをつくな」などのやじが飛び、怒号に包まれました。小池氏は「日本学術会議法に反し、憲法で保障された『学問の自由』を脅かす任命拒否は撤回すべきだ」と強調しました。

 新型コロナへの対応で小池氏は、深刻な経営危機に直面する医療機関全体に対する減収補てんを行うよう主張。コロナ禍から誰ひとり取り残さないという姿勢を示すことが最大の経済対策だとして「大企業に対し『リストラに走るな』『今こそ内部留保を吐き出し、雇用を守る責任を果たせ』というべきだ」と迫り、「暮らしと中小企業の営業の危機に対処するためにも、緊急に消費税を5%に減税し、財源はアベノミクスで潤った富裕層や大企業に応分の負担を求める税財政の改革が必要だ」と述べました。

 さらに、菅首相が所信表明演説で触れた「2050年温室効果ガス・ゼロ」について「『空手形』に終わらせないために、いま何をなすかが鋭く問われている」と指摘。(1)石炭火力発電所の新規建設を中止し、既存石炭火力の計画的な停止・廃止に踏み切ること(2)30年の発電に占める再生可能エネルギーの目標を少なくとも4割以上にすること―を提案しました。そのうえで、原発依存から抜け出そうとしない菅首相の姿勢を「言語道断、時代錯誤の極みだ」と批判しました。菅首相は質問に答えず、「エネルギー政策について集中的に議論し、結論を出す」と繰り返しました。

 小池氏は、沖縄県名護市辺野古の米軍新基地建設での軟弱地盤改良工事に伴い、政府試算でも完成まで12年、費用1兆円に拡大することが明らかなことなどをあげ、「沖縄の苦難の歴史に向き合い、辺野古新基地建設の断念と、普天間基地の閉鎖・撤去に正面から取り組むことこそ、政府の責任だ」と指摘。女性差別撤廃条約の選択議定書や核兵器禁止条約を、日本政府も速やかに批准するよう訴えました。

(質問全文)

小池書記局長の代表質問 参院本会議

 日本共産党の小池晃書記局長が30日の参院本会議で行った菅義偉首相に対する代表質問は次の通りです。


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(写真)代表質問に立つ小池晃書記局長=30日、参院本会議

 日本共産党の小池晃です。会派を代表して質問します。

学術会議任命拒否

すべての国民にとっての重大問題、撤回すべきだ

 日本学術会議が推薦した会員候補6人の任命拒否は、民主主義と法治国家のあり方に対する総理の基本姿勢を根本から問うものとなっています。

 中曽根元首相をはじめとして、これまで政府は、総理大臣による任命は「形式的任命にすぎない」と答弁してきました。実際、委員が任命制になって以来37年間、学術会議が推薦した委員が任命されなかったことは一度もありませんでした。それが総理に拒否されたのですから、学術会議の事務局長も「驚がくした」と答弁したのであります。理由の説明を学術会議側が求めるのは当然ではありませんか。

 任命拒否された6人の方も説明を求めており、「個別の人事」をたてに拒否する理由はなりたちません。総理には、任命拒否の理由を誠実に説明する責任があります。逃げずにお答えください。

 総理は、「必ず推薦の通りに任命しなければならないわけではないという点について、内閣法制局の了解を得た」と言いますが、そのことは当時の学術会議会長にも、意思決定機関である幹事会にも伝えられていませんでした。これでどうして首相の新たな権限行使が正当化できるのか。そもそも、国会でくりかえし答弁されてきたこととは異なる首相の任命の法的意義について、国会にはからず政府が勝手に判断できるというなら、国会審議の意味などないではありませんか。納得のいく答弁を求めます。

 総理は任命拒否の新たな理由として、「民間出身者や若手が少ない、出身や大学にも偏りがみられる」としましたが、それぞれ具体的な根拠をお示しください。

 この間の学術会議の改革努力によって、男女比も、会員の地域分布も、特定大学への集中も是正されてきています。総理の発言は虚偽ではありませんか。

 しかも、拒否された6人の研究者の中には、50代前半の方も、女性も、その大学からただ一人だけという方も含まれています。「多様性を大事にした」という総理の説明と矛盾していませんか。

 だいたい、「総合的、俯瞰(ふかん)的な観点で判断した」と言いながら、人文科学系の研究者だけを任命拒否したのは、「総合的、俯瞰的な観点」に反するのではありませんか。

 総理は、「学術会議のあり方を見直す」といいますが、安倍政権下の有識者会議が15年3月に、「現在の制度は…期待される機能に照らしてふさわしい」と報告したのに、今になって「見直し」を言いだすのは、支離滅裂ではありませんか。この5年間に有識者会議の結論をくつがえすような事実があったのですか。具体的に示していただきたい。

 学問と科学は、政治権力に従属するものであってはなりません。学問が弾圧され、戦争に突き進んだ過去の教訓から、憲法23条は「学問の自由」を保障したのです。

 学問も科学も国民のためのものです。この問題は、任命を拒否された6人だけの問題でも、学者・研究者だけの問題でもありません。すべての国民にとっての重大問題です。

 日本学術会議法に反し、憲法で保障された「学問の自由」を脅かす任命拒否は、撤回すべきです。以上、総理の答弁を求めます。

コロナ感染危機打開

医療機関全体への減収補てんが不可欠

 新型コロナ感染症が、ヨーロッパで猛威を振るい、わが国でも感染者が広がっています。徹底したPCR検査で陽性者を保護し、感染拡大を抑えなければなりません。

 今後、季節性インフルエンザの流行も予想され、医療現場には大きな負担となります。しかし所信表明演説で総理は、医療現場や保健所に対する「敬意」と「感謝」を述べただけで、具体的な支援策は一言もありませんでした。そこで総理にお聞きします。

 日本医師会が、全国の診療所を対象に行った経営影響調査で、4~6月期の医業収入は対前年比で平均13・3%のマイナスとなり、給与費も軒なみダウンしました。感染拡大による「医療崩壊」が起こる前に、国の政策の不備による「医療崩壊」が起こるような事態は、決してあってはなりません。

 政府は、新型コロナ患者を受け入れた医療機関に支援の対象を絞っていますが、どの医療機関でもコロナ感染者の受診があり得る緊張状態の中で診療しています。そして受診抑制による患者減は、コロナ患者を受け入れていない病院や診療所でも深刻です。

 この危機を打開するためには、日本医師会や日本病院会などが要望しているように、医療機関全体に対する減収補てんが不可欠です。自民党の医療系議員団本部は、コロナ非対応病院も、3割の減収だとして3兆円を超える減収補てんを提案しています。

 与党からも上がる声に、政府は応えるべきではありませんか。

くらしと経済の危機打開

中小企業と雇用を守る 政府は直接支援を

 新型コロナ感染の影響が長期化するなかで、くらしと経済の危機も進行しています。小口倒産が急増し、過去の借金が返せない個人事業主の自己破産も増加しています。コロナ禍のもとで、小さいところからつぶれていく状況はきわめて深刻です。

 総理の地元に本社を置く日産自動車には、焦げ付けば国が借金の肩代わりをする1300億円もの政府保証がつけられました。一方、日産の下請け企業では経営が悪化し、早期退職者募集などリストラが横行しています。

 いま、政府が真っ先にやるべきは、4兆円もの内部留保を抱える巨大企業ではなく、立場の弱い中小企業を直接支援することではありませんか。

 雇用者の数は、リーマン・ショック時を上回る勢いで、非正規雇用を中心に100万人以上減っており、なかでも、女性の減少が目立ちます。東京商工リサーチの調査によれば、上場企業60社が1万人以上の早期・希望退職者を募集しています。これから、年末に向けてリストラが急加速する危険性があり、事態はきわめて深刻です。

 総理には、コロナ禍からだれ一人取り残さないという姿勢を明確に示していただきたい。

 誰も路頭に迷わせない、どんな業者もつぶさない。これがいま求められる最大の経済対策ではありませんか。

 政府として、大企業に対し、リストラに走るな、いまこそ内部留保をはきだし、雇用を守る責任を果たせというべきではありませんか。

 雇用調整助成金は単に延長するだけではなく、給付内容の拡充と手続きのさらなる簡素化を進め、活用の拡大を図るべきではありませんか。

 持続化給付金は一回限りとせず、支給要件を改善するとともに、コロナ収束まで事業を維持できるよう、複数回支給すべきではありませんか。

 休業支援金は、事業主が休業を「指示していない」などの理由で、申請に協力しない例が後を絶たず、必要な人に支援が届いていません。行政が事業所に強力に働きかけ、是正すべきではありませんか。

 総理は、所信表明で「新型コロナウイルスの中にあっても、マーケットは安定し」ていると胸を張りました。しかし、コロナ危機のもとで史上最高にふくれ上がっているのは、富裕層の資産です。1000億円以上の「ビリオネア」の資産は、コロナ前の14兆円から19兆円に膨らんでいます。

 多くの国民がコロナ禍で仕事を失い、賃金が下がり、売り上げが消え、事業の継続に四苦八苦しているときにも、株式市場には公的マネーがつぎ込まれ、株価を買い支え、大資産家の資産はどんどん増えていく。こんな経済のあり方でいいのか、巨大な格差を生み出す経済社会が長続きするのかが、根本から問われているのではありませんか。

 くらしと中小企業の危機に対処するためにも、緊急に消費税を5%に減税し、財源は、アベノミクスで潤った富裕層や大企業に応分の負担を求める、税財政の改革が必要です。

 以上、総理の答弁を求めます。

温室効果ガス「ゼロ」

石炭火力廃止へ転換 再生エネ本格導入を

 総理は、所信表明で「2050年までに温室効果ガスの排出を全体としてゼロにする」としました。これを30年先の「空手形」に終わらせないために、いま、何をなすべきかが鋭く問われています。

 第一に、国連事務総長が「石炭中毒」とまで非難した、日本の石炭火力発電所の新規建設をどうするのか。現在建設中、あるいは計画中の17基の石炭火力は、2050年にも温室効果ガスを出し続け、このままでは「ゼロ宣言」は絵に描いた餅で終わります。総理が、「石炭火力発電に対する政策を抜本的に転換する」とした以上、新規建設を中止し、既存石炭火力の計画的な停止・廃止に踏み切ることを明言していただきたい。

 第二に、温室効果ガスゼロのためには、省エネ、効率化の徹底とともに、日本がすでに後れを取っている、再生可能エネルギーの本格的な導入が必要です。これは、国際的なビジネスの面からも、地域経済の再生のためにも迫られています。

 経済同友会や34道府県を正会員とする自然エネルギー協議会も求めているように、2030年の発電に占める再生可能エネルギーの目標を、少なくとも4割以上にするべきではありませんか。

 東京電力・福島第1原発事故により発生している汚染水の海洋放出の動きに、福島と全国の漁業者をはじめとする方々から怒りの声が上がり、県議会をはじめ県内の7割の議会が反対や慎重な対応を求める意見書をあげています。新地町の漁師は、「来春からようやく本格操業になるという時にトリチウムを流し、またマイナスから始めろというのか」と、悲痛な叫びをあげています。

 総理は、「福島の復興なくして、東北の復興なし。東北の復興なくして、日本の再生なし」と述べましたが、復興の妨げとなる海洋放出の強行が許されると思いますか。当面は陸上保管を継続し、国内外の英知を結集し解決すべきではありませんか。

 総理は温室効果ガスゼロについて、「原子力をふくめてあらゆる選択肢を追求」すると述べましたが、原発はこのように今もなお、筆舌に尽くしがたい苦しみを与え続けているではありませんか。

 「地球環境のために脱炭素を」といいながら、放射能による生命の危機を引き起こす原発に頼るなど、言語道断、時代錯誤の極みではありませんか。

沖縄新基地建設

破たんの辺野古断念し普天間基地閉鎖・撤去を

 総理は所信表明で、「普天間飛行場の危険性を一日も早く除去するため、辺野古移設の工事を着実に進め」ると述べました。しかし、軟弱地盤の改良工事に伴い、政府の試算によっても、完成までにあと12年、費用も1兆円近くに拡大することが明らかになっています。

 そもそも日米両政府が普天間基地の全面返還に合意したのは、1996年の橋本・モンデール会談です。あれから来年4月で25年、そのうえ12年以上もかかる計画のどこが「一日も早い危険性除去」なのですか。県民の民意に背く辺野古新基地建設の破たんは、明白ではありませんか。

 政府が4月に、沖縄県に提出した設計変更申請書は、これまでの沖縄本島北部だけでなく、沖縄県全域から埋め立て土砂を採取する計画を明記しています。そのうちの7割を占めるのが、沖縄戦の激戦地である本島南部の糸満市と八重瀬町。戦後75年をへた今なお、戦没者の遺骨が発見され、遺族のもとに送り届ける活動が続けられている地域です。沖縄戦遺骨収集ボランティア「ガマフヤー」の具志堅隆松代表は、「戦争で亡くなった人の遺骨を岩ズリと一緒に軍事基地の埋め立てに使うなど、戦没者への冒涜(ぼうとく)だ」と厳しい批判の声を上げています。総理はこの声をどう受け止めるのですか。

 総理が官房長官当時の2015年の国との協議で、当時の翁長雄志知事は、沖縄戦での悲惨な体験と、戦後の米軍統治下で基地がつくられた経緯について、「県民には魂の飢餓感」があると述べ、新基地建設の中止を訴えました。これに対し、当時、官房長官だった総理は「私は戦後生まれなので、沖縄の歴史はわからない。日米合意の辺野古が唯一というのがすべてだ」と述べたといいます。このような姿勢が、県民に寄り添うものだと言えるのでしょうか。

 沖縄の苦難の歴史に向き合い、辺野古新基地建設の断念と普天間基地の閉鎖・撤去に正面から取り組むことこそ、政府の責任ではありませんか。

女性差別撤廃条約

日本はジェンダー121位 選択議定書批准直ちに

 杉田水脈・自民党衆議院議員による、「女性はいくらでもウソをつけますから」という暴言は、性暴力被害者をふたたび深く傷つけるものです。

 被害者は「被害に遭う方にも問題がある」などといわれ、誰にも相談できず苦しんできました。そして今、全国に広がるフラワーデモで、「誰にも話せなかった被害」が語られ始めています。

 杉田発言は、こうした動きに冷や水を浴びせるものであります。断じて許すことはできません。

 総理は、この議員のたび重なる暴言を、今回も容認するのですか。形だけの謝罪で良しとするのですか。自民党の比例代表選出議員であり、総理は自民党総裁として、議員辞職させるべきではありませんか。

 日本が国連の女性差別撤廃条約を批准して今年で35年ですが、ジェンダーギャップ指数は121位と年々後退し、世界の流れから大きく取り残されています。条約の実効性を強化するための選択議定書は、すでに114カ国が批准しています。もはや先送りは許されません。

 「全ての女性が輝ける社会の構築」というなら、年内に閣議決定される第5次男女共同参画基本計画で、これまでのように「真剣な検討」などにとどめるのではなく、ただちに批准すべきではありませんか。

 総理と男女共同参画担当大臣の答弁を求めます。

核兵器禁止条約

背を向ける態度改め すみやかに署名・批准を

 核兵器禁止条約の批准国が50に達し、発効が確定しました。核兵器の開発、実験、生産、保有から使用と威嚇まで違法化し、核兵器に「悪の烙印(らくいん)」を押す画期的な国際条約です。

 日本共産党は、被爆者をはじめとする「核なき世界」を求める世界の声が結実した巨大な一歩を、心から歓迎するものです。

 しかし政府が、これに背を向けていることは、唯一の戦争被爆国としてきわめて恥ずべきことといわねばなりません。ノーベル平和賞を受賞した、核兵器廃絶国際キャンペーン(ICAN)のベアトリス・フィン事務局長は、「日本が(核兵器禁止条約に)加われば、世界にとてつもない衝撃を与える。その決断は、核保有国の姿勢を擁護している他の国々が核兵器を拒絶する引き金になる」と述べています。総理はこの声にどうこたえますか。

 核兵器廃絶に向けた「国際社会の取り組みをリードする」などというなら、すみやかに条約に署名し、批准すべきではありませんか。

 そのことを強く求めて、質問を終わります。

(関連記事)

国民の願い実現する政治を

国政の焦点課題 首相に迫る

小池書記局長の代表質問

参院本会議

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(写真)代表質問に立つ小池晃書記局長=30日、参院本会議

 日本共産党の小池晃書記局長は30日の参院本会議の代表質問で、菅義偉首相が日本学術会議の会員候補6人を任命拒否した問題や、新型コロナウイルス感染症対策、温室効果ガスの排出削減、沖縄の米軍辺野古新基地建設、ジェンダー平等、核兵器禁止条約など多岐にわたる国政の課題を取り上げ、菅首相の姿勢をただしました。

学術会議人事介入

「学問の自由」脅かす任命拒否の撤回迫る

 「会員候補6人の任命拒否は、民主主義と法治国家のあり方に対する総理の基本姿勢を根本から問うものだ」―。小池氏は、日本学術会議法に反し、憲法が保障する「学問の自由」を脅かす任命拒否の撤回を迫りました。

 会員が任命制になって37年間、学術会議推薦の会員が任命されなかったことはありません。小池氏は「任命拒否の理由を誠実に説明する責任がある」と追及しましたが、菅首相は一切答えませんでした。

 小池氏は、「推薦の通り任命しなければならないわけではないと内閣法制局の了解を得た」という首相の主張について、「当時の学術会議会長にも、意思決定機関の幹事会にも伝わっていなかった」と指摘。「これでどうして首相の新たな権限行使が正当化できるのか」とただし、従来の国会答弁と異なる法解釈を政府が勝手に判断できるなら「国会審議の意味がなくなる」と追及しました。

 菅首相は、「推薦の通り任命しなければならないわけではない」というのが政府の一貫した考えだと強弁しました。

 小池氏は、任命拒否の理由として「民間出身者や若手が少ない。出身や大学に偏りがみられる」と首相が述べている根拠をただしました。菅首相は「旧帝国大学といわれる七つの国立大学に所属する会員が45%を占めている」などと新たな理由を持ち出して任命拒否を正当化。この間、学術会議が男女比や地域、特定大学への集中を是正させてきた努力には触れず、50代前半や女性、私立大学の研究者を任命拒否したこととの矛盾には答えませんでした。

コロナ対策

医療現場支援、暮らし・営業の危機打開を急げ

 小池氏は、新型コロナウイルスの感染者が広がる中、国の政策の不備による「医療崩壊」が起こる事態はあってはならないと主張。政府は新型コロナ患者を受け入れた医療機関に支援の対象を絞っているが、コロナ患者を受け入れていない病院や診療所の受診抑制による深刻な経営危機の打開のため、全ての医療機関への減収補てんを求めました。菅首相は1次・2次補正予算での支援を述べただけで、減収補てんには一言も触れませんでした。

 小池氏は、コロナの影響が長期化するなか、小口倒産、個人事業主の自己破産が増加しているとして「政府がやるべきは内部留保を抱える大企業ではなく、中小企業へ直接支援をすることだ」と指摘。年末に向けリストラが加速する可能性があるとして、「誰も路頭に迷わせない、どんな業者もつぶさないことが最大の経済対策だ」と迫りました。菅首相は事業継続、雇用維持に全力で取り組むと答えました。

 小池氏は、中小企業への具体的支援として▽雇用調整助成金の特例措置の延長と拡充・手続きの簡素化▽持続化給付金の要件改善と複数回支給▽休業支援金の是正―を求めました。

 また、多くの国民が失業や収入減などに苦しむ中、大資産家の資産は増加しているとして「巨大な格差を生み出す経済社会が長続きするのか、根本から問われている」と指摘。消費税の5%減税、財源は富裕層や大企業に応分の負担を求めました。しかし、菅首相は「消費税は社会保障に必要な財源」として減税を拒否し、国民の実態を見ない冷たい姿勢をあらわにしました。

温室効果ガス削減

石炭火発・原発ゼロに 再生可能エネ推進こそ

 小池氏は、菅首相が「2050年までの温室効果ガス排出ゼロ」を述べたことについて、「30年先の『空手形』に終わらせないために今何をするかが重要だ」と強調しました。

 小池氏は、建設中・計画中の石炭火力発電所が17基ある事実を示し、「50年まで稼働し続ければ、『ゼロ宣言』は絵に描いた餅で終わる」と指摘。「『石炭火力発電の政策を抜本的に転換する』というのであれば、建設の中止、既存発電所の計画的な停止・廃止の明言を」と迫りました。

 同時に、先進国の中で遅れている再生可能エネルギーの本格的な導入が必要だと指摘。経済同友会や34道府県を正会員とする自然エネルギー協議会も求めるように、30年の発電に占める目標を少なくとも4割以上にするよう求めました。

 菅首相は再エネを最大限導入するとし、石炭火力は「イノベーションを追求」と述べただけ。「将来像について集中的に議論する」との答弁にとどまりました。

 小池氏は、東京電力の福島第1原発事故で発生した放射能汚染水の海洋放出について、「漁業者らから怒りの声が上がり、県内7割の議会が反対・慎重な対応を求めている」と指摘。菅首相が温室効果ガスゼロに原子力を含めていることについて、「生命の危機を引き起こす原発に頼るなど言語道断、時代錯誤の極みだ」と批判しました。

 菅首相は汚染水問題について「先送りできない」と福島県民らの訴えに背を向け、原発に依存する姿勢を示しました。

辺野古新基地

沖縄の歴史に向き合い断念と「普天間」撤去を

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(写真)工事が強行される辺野古・大浦湾=8月30日、沖縄県名護市(小型無人機で撮影)

 米軍普天間基地(沖縄県宜野湾市)の「一日も早い危険性除去」を口実に、名護市辺野古の新基地建設を「着実に進める」という菅首相。しかし、軟弱地盤の改良工事に伴い、政府の試算でも完成まで12年かかります。

 小池氏は、日米両政府の普天間基地全面返還合意から来年4月で25年だとし、「そのうえ12年以上もかかる計画のどこが『一日も早い危険性除去』なのか。破綻は明白だ」と迫りました。菅首相は「辺野古が唯一の解決策」と、硬直した考えに固執しました。

 小池氏は、政府の埋め立て土砂採取計画で、沖縄戦の激戦地だった本島南部の糸満市と八重瀬町が土砂調達可能量の7割を占めることについて、戦後75年を経ても戦没者の遺骨が発見され、遺族に送り届ける活動が続いている地域だと指摘。沖縄戦遺骨収集ボランティア「ガマフヤー」の具志堅隆松代表の「戦争で亡くなった人の遺骨を岩ズリと一緒に軍事基地の埋め立てに使うなど戦没者への冒涜(ぼうとく)だ」との声をぶつけましたが、菅首相は「法令で認められた採石場から調達される」と冷たく言い放ちました。

 小池氏は、戦後の米軍統治下で基地が造られた経緯を語り、新基地中止を訴えた翁長雄志前知事に当時官房長官だった菅首相が「戦後生まれで沖縄の歴史はわからない」と述べたことにふれ、「この姿勢が県民に寄り添うと言えるのか」と追及。「沖縄の苦難の歴史に向き合い、新基地断念と普天間基地の閉鎖・撤去に正面から取り組むことこそ政府の責任だ」と主張しました。

核兵器禁止条約

唯一の被爆国として速やかに署名・批准を

 批准国が50に達し、発効が確定した核兵器禁止条約。小池氏は、核兵器の開発・実験・生産・保有から使用と威嚇まで違法化し、核兵器に「悪の烙印(らくいん)」を押す画期的な国際条約だとして、「日本共産党は、被爆者をはじめとする『核なき世界』を求める世界の声が結実した巨大な一歩を心から歓迎する」と表明しました。

 一方、政府が同条約に背を向けていることは「唯一の戦争被爆国としてきわめて恥ずべきこと」と批判。ノーベル平和賞を受賞した、核兵器廃絶国際キャンペーン(ICAN)のベアトリス・フィン事務局長が「日本が(この条約に)加われば、世界にとてつもない衝撃を与える。その決断は、核保有国の姿勢を擁護している他の国々が核兵器を拒絶する引き金になる」と述べていることを紹介し、「この声にどうこたえるか」とただしました。

 菅首相は、核保有国・非保有国の「支持が得られていない」などと主張し、「抑止力」を強調して「同条約に署名する考えはない」と述べました。

 小池氏は、日本が核兵器廃絶に向けた「国際社会の取り組みをリードする」というなら、すみやかに条約に署名し批准すべきだと求めました。

杉田水脈議員暴言

自民党の総裁として議員辞職させるべき

 小池氏は、性暴力被害に関わって自民党の杉田水脈衆院議員の「女性はいくらでもうそをつけますから」との暴言を批判。性暴力被害者を再び深く傷つけ、性暴力根絶を求めるフラワーデモなどの運動に冷や水を浴びせるものであり「断じて許されない」と訴えました。

 杉田氏は何度も暴言を繰り返しているとして、「度重なる暴言を今回も容認するのか。自民党総裁として議員辞職させるべきだ」とただしましたが、菅首相は「コメントは差し控える」と述べるだけでした。

 小池氏は、日本が国連の「女性差別撤廃条約」に批准して35年たつのに、世界の男女格差の度合いを示すジェンダーギャップ指数は121位と年々後退していると告発。条約の実効性を強化するための選択議定書について、「もはや先送りは許されない。年内に閣議決定される第5次男女共同参画基本計画で、これまでのように『真剣な検討』などではなく、ただちに批准すべきだ」と迫りました。

 菅首相は、日本の司法制度や立法政策との関係で対応を検討すべき論点があり、「早期締結について真剣に検討している」と答弁しました。

首相は逃げまくっていた 持続化給付金要求ありがとう

小池書記局長の代表質問に反響

 日本共産党の小池晃書記局長が30日の参院本会議で行った代表質問に対し、「素晴らしかった」などの多くの反響が党本部に電話などで寄せられました。

 学術会議問題での質問について東京都の男性は「小池さんの質問は鋭いところをついており、大変分かりやすかった。菅首相は都合の悪いことには答えず、まったく答弁不能だった。来週の予算委員会でも引き続き徹底的に追及してほしい」と述べました。

 東京の別の男性は「小池さんの代表質問は大変良かった。菅首相は憲法15条を繰り返すだけで、必死に逃げまくっていた。よほど痛いところを突かれたのでしょう。これからも頑張ってください」と話しました。

 また、神奈川県の男性は「コロナ禍が続く中、小池さんが持続化給付金を複数回出すよう迫ったのが、非常に良かった。ありがとうございます」と述べました。

 


 


見る聞く読む「しんぶん赤旗」/志位委員長記者会見 20/10/29

2020-10-30 22:16:24 | kaeruの「しんぶん赤旗」

 

国民の公務員選定罷免権を簒奪 2020.10.29

#志位和夫 委員長会見 菅首相の答弁不能ぶり批判

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国民の公務員選定罷免権を簒奪

志位委員長 菅首相の答弁不能ぶり批判

 日本共産党の志位和夫委員長は29日、国会内で、衆院本会議での自らの代表質問に対する菅義偉首相の答弁への受け止めを問われ、日本学術会議推薦会員候補任命拒否問題で「答弁の体をなしていない」「ことごとく答弁不能に陥っている」と指摘しました。また、首相が、公務員の選定罷免権が国民にあると定めた憲法15条1項を「根拠」に“すべての公務員の選定罷免権はわれにあり”ともいうべき主張を行ったことについて、「内閣総理大臣が国民の権利を簒奪(さんだつ)しようとしている。独裁国家への宣言だ」と痛烈に批判しました。

 志位氏は、菅首相が志位氏への答弁で、憲法15条1項を6回も繰り返し、「必ず推薦の通りに任命しなければならないわけではない」と強弁したことについて、「(フランスで絶対王政を敷いた)ルイ14世の『朕(ちん)は国家なり』を想起した」と指摘。「憲法15条1項で規定された国民の公務員選定・罷免権は、国会が定めた法律で具体化するもので、その法律に照らして問題を聞いているのに、これ(憲法15条1項)を持ち出して、すべての公務員の選定・罷免権はわれにありというものだ」と重ねて批判しました。

 その上で、戦前は天皇にあった官吏(公務員)の任免権を、それが全体主義と侵略戦争を招いたとの反省のうえに、主権在民のもと国民の選定・罷免権へと変更したのが憲法15条1項だと指摘。「そういう大転換を踏まえた国民主権の条項によって国民が選定・罷免権を持っているのに、内閣総理大臣がそれを簒奪しようというわけだから、本当にこれは独裁国家への宣言だ」と指摘しました。

 学術会議推薦の会員候補を「拒否することはない」とした1983年の政府答弁や、公務員の罷免について「明確に客観的に、もう誰が見てもこれは非常に不適当であるという場合に限って任命しない場合もありえる」との69年の国会答弁について、菅首相は「承知している」としか言わず、この答弁に基づいた議論を拒否したと指摘。「いずれの答弁も法解釈についての確定答弁だ。都合が悪い問題は認めず、一応『承知している』が、それに基づいた議論はできないと全部を逃げるという内容だった」と強調しました。

 また、前日(28日)の衆院本会議で、学術会議の会員は「多様性が大事だ」から今回の判断をしたと答弁しながら、50代前半の研究者、1人しか候補がいない大学の研究者、女性研究者の任命をなぜ拒否したのかについて、「個々人の任命の理由は人事に関すること」と答弁を拒否したことを示し、「個人の評価の問題を聞いているのではない。昨日自分が言った答弁にてらして理屈がたたないことをただした。それについてまともな答弁ができないのは、トートロジー(同語反復による理論崩壊)だ。これでは国会の議論は成り立たない」と批判。「予算委員会で引き続き徹底的に追及する」と述べました。

杉田副長官の国会招致必要

 任命拒否について菅首相に「事前報告」したとされる杉田和博官房副長官の国会招致について問われた志位氏は「学術会議からの推薦名簿を首相は見ていないと言っているが、見ていないでどうして多様性に問題があると言えるのか」と指摘。「杉田氏一人に責任を負わせて問題が解決するわけではないが、そのプロセスを明らかにする上でも、杉田氏の招致はどうしても必要だ」と主張しました。

コロナ対応も無責任な答弁

 新型コロナウイルス感染症対策の問題では、「切実な実態を突きつけ、検査と医療の問題、事業と雇用の問題を具体的に聞き、首相は細かく答えたが、国民が置かれた苦難への認識も、それをどう打開するかについても、責任ある答弁がなかった」と指摘。雇用調整助成金の特別措置の延長については「適切に判断する」と検討を約束したが、「他の問題ははっきりした答弁がなかった」として、「一番困難で苦しんでいる国民の苦しみに寄り添って打開していこうという答弁ではまったくなかった。引き続きただしていきたい」と表明しました。

 


見る聞く読む「しんぶん赤旗」/志位委員長代表質問 20/10/29

2020-10-30 21:12:59 | kaeruの「しんぶん赤旗」

 

違憲・違法の任命拒否を撤回せよ 2020.10.29

#志位委員長 の代表質問 衆院本会議

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違憲・違法の任命拒否を撤回せよ

志位委員長が代表質問 衆院本会議

首相、答弁できず

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(写真)代表質問に立つ志位和夫委員長。その奥は菅義偉首相=29日、衆院本会議

 日本共産党の志位和夫委員長は29日、衆院本会議で代表質問に立ち、菅義偉首相が日本学術会議の推薦した会員候補6人の任命を拒否した問題を取り上げ、「わが国の法治主義への挑戦であり、学問の自由をはじめとする国民の基本的人権を侵害する極めて重大な問題だ」と糾弾しました。また、再燃が危惧される新型コロナウイルス対策の緊急焦眉の課題として、PCR検査と医療体制の抜本的拡充を求め、暮らしと営業を支える三つの緊急提起を行いました。菅首相は任命拒否について支離滅裂な説明を繰り返すだけでまともに答えられず、その違憲性・違法性が明瞭になりました。

 志位氏は、学術会議の独立性は日本学術会議法の条文全体で幾重にも保障され、政府答弁でも「全くの形式的任命」「推薦者は拒否しない」としてきたことを示し、「任命拒否が日本学術会議法に真っ向から違反する」と指摘しました。

 また、政府が憲法15条1項を持ちだして任命拒否を合理化しようとしているが、(1)憲法15条は、公務員の選定・罷免権が主権者・国民にあることを規定したもので、その具体化は国民を代表する国会が法で定めることになっており、日本学術会議法に反した任命こそ憲法15条違反であること(2)憲法15条の解釈について、かつて政府は「だれが見ても非常に不適当」な場合に限って任命しない場合もありうると答弁してきたが、任命拒否された6人は「だれが見ても非常に不適当」ということか、どう「不適当」なのか理由を示せ―とただしました。菅首相は答弁ができず、「憲法15条に基づいて任命を行った」とくりかえしました。

 さらに、志位氏は、菅首相が、任命拒否の理由を「総合的、俯瞰(ふかん)的活動を確保する観点」からと繰り返し、学術会議の推薦名簿について「偏っている」「民間・若手が少ない」「多様性が大事」などと攻撃を始めたことについて、問題点を諄々(じゅんじゅん)とただし、「語れば語るほど支離滅裂だ」と批判しました。菅首相はこれにも答弁できませんでした。

 志位氏は、憲法23条に「学問の自由」が刻まれた背景には、学問への弾圧が全ての国民の言論・表現の自由の圧殺、侵略戦争の破滅へと導いた反省があることを示し、「この問題は日本学術会議だけの問題ではない。全国民にとっての大問題だ。強権を持って異論を排斥する政治に決して未来はない」として違憲・違法の任命拒否を撤回するよう迫りました。

コロナ対応提起

 新型コロナをめぐっては、志位氏は「検査と医療の抜本的拡充は、感染防止と経済活動を両立させる最大のカギだ」と強調。無症状の感染者を把握・保護することを含めた積極的検査への戦略的転換を宣言し実行に移すことや、医療機関への減収補てんに踏み切るよう求めました。

 また、志位氏は、新型コロナが長期化するもとで事業と雇用の危機が極めて深刻化していると指摘。「放置すれば『コロナ恐慌』を引き起こしかねない」として▽休業支援金、家賃支援給付金を届け切るための実効ある措置をとること▽政府の直接支援策を延長・拡充し、「文化芸術復興基金」を創設すること▽消費税の5%減免と経営困難な中小業者への2年間の納税免除―の3点を緊急に提起しました。

 志位氏は「コロナのもとで、多くの国民は十分すぎるほど『自助努力』をやっている。政治の仕事は『公助』―暮らしを守り良くするための公の責任を果たすことにつきる」と訴えました。

菅首相は「まず自分でやってみるという創意工夫を大事にしたい」などと述べ、国民の苦難に心を寄せる姿勢はまったく示しませんでした。

 

(質問全文)

志位委員長の代表質問 衆院本会議

 日本共産党の志位和夫委員長が29日の衆院本会議で行った菅義偉首相に対する代表質問は次の通りです。


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(写真)代表質問に立つ志位和夫委員長=29日、衆院本会議

日本学術会議への人事介入を問う

 私は、日本共産党を代表して、菅総理に質問します。

 日本学術会議が新会員として推薦した科学者のうち、総理が、6人の任命を拒否したことは、わが国の法治主義への挑戦であり、学問の自由をはじめとする国民の基本的人権を侵害する、きわめて重大な問題です。

任命拒否は、学術会議の独立性・自主性への侵害

 第一に、任命拒否は、日本学術会議法に真っ向から違反しています。

 日本学術会議法は、学術会議の政府からの独立性を、その条文の全体で、幾重にも保障しています。第3条で、学術会議は、政府から「独立して…職務を行う」とされ、第5条で、政府に対してさまざまな「勧告」を行う権限が与えられています。第7条で、会員は、学術会議の「推薦に基づいて、内閣総理大臣が任命する」とされ、第25条で、病気等で辞職する場合には、「学術会議の同意」が必要とされ、さらに第26条で、「会員として不適当な行為」があった場合ですら、退職させるには「学術会議の申出」が必要とされるなど、実質的な人事権は、全面的に学術会議に与えられています。

 総理に伺います。日本学術会議には、1949年の創設時に、当時の吉田茂首相が明言したように、「高度の自主性が与えられている」ということをお認めになりますか。6人の任命拒否は、学術会議の独立性・自主性への侵害であり、日本学術会議法違反であることは明瞭ではありませんか。答弁を求めます。

「全くの形式的任命」「推薦者は拒否しない」などの政府答弁を覆す

 1983年、会員の公選制を推薦制に変えた法改定のさいに、学術会議の独立性が損なわれないかが大問題になりました。

 そのさい政府は、繰り返し、総理大臣の任命は「全くの形式的任命」、「実質的に総理大臣の任命で会員の任命を左右することはしない」、「推薦していただいた者は拒否しない」と明確に答弁しています。

 総理、6人の任命拒否は、これらの政府答弁のすべてを覆すものではありませんか。法律はそれを制定する国会審議によって解釈が確定するのであって、政府の一存で勝手に解釈を変更するならば、およそ国会審議は意味をなさなくなるではありませんか。

憲法15条を持ち出した任命拒否合理化は天につばするもの

 総理は、憲法15条1項「公務員を選定し、及びこれを罷免することは、国民固有の権利である」を持ち出して、任命しないことはありうると強弁しています。

 しかし、憲法15条1項は、公務員の最終的な選定・罷免権が、主権者である国民にあることを規定したものであって、それをいかに具体化するかは、国民を代表するこの国会で、個別の法律で定められるべきものです。日本学術会議の会員の選定・罷免権は、日本学術会議法で定められており、その法律に反した任命拒否こそ憲法15条違反であり、憲法15条を持ち出してそれを合理化するなど、天につばするものではありませんか。

 憲法15条の解釈について、かつて政府は、「明確に客観的に、もうだれが見てもこれは非常に不適当であるという場合に限って、…任命しないという場合もありうる」(1969年、坂田道太文相〈当時〉答弁)と答弁してきました。総理、あなたが任命拒否した6人は、「明確に客観的に、だれが見ても非常に不適当」だということですか。そうならばどう「不適当」なのか、その理由を明らかにすべきです。理由も明らかにせずに任命を拒否することは、6人に対する重大な名誉毀損(きそん)ではありませんか。答弁を求めます。

6人を任命すると「総合的、俯瞰的活動」に支障がでるのか

 総理は、任命拒否の理由を、学術会議の「総合的、俯瞰(ふかん)的活動を確保する観点」からだと繰り返しています。ならば問います。総理は、6人を任命すると学術会議の「総合的、俯瞰的活動」に支障がでるという認識なのですか。端的にお答えいただきたい。

 さらに総理は、26日のNHKインタビューで突然、学術会議の推薦名簿は「一部の大学に偏っている」「民間、若手が極端に少ない」などと非難を始めました。昨日(28日)の答弁では「多様性が大事」とも述べました。しかし、それならばなぜ50代前半の研究者、その大学からただ一人だけという研究者、比重の増加が求められている女性研究者の任命を拒否したのですか。説明いただきたい。

 だいたい、総理が勝手に、「選考・推薦はこうあるべき」という基準をつくって、任命拒否をはじめたら、学術会議にのみ与えられた選考・推薦権は奪われ、学術会議の独立性は根底から破壊されてしまうではありませんか。

 くわえて、学術会議が推薦した名簿を総理は「見ていない」と言う。「見ていない」で、どうして推薦名簿にそのような特徴があることが分かったのでしょうか。語れば語るほど支離滅裂ではありませんか。しかとお答えいただきたい。

憲法が保障した学問の自由を二重に侵害するもの

 第二に、任命拒否は、憲法23条が保障した学問の自由を侵害するものです。

 総理は、任命拒否は、「学問の自由とは全く関係がない」と言い放ちました。

 ならば聞きます。あなたは、憲法が定めた学問の自由の保障をどう理解しているのか。学問の自由は、個々の科学者に対してだけでなく、大学、学会など、科学者の自律的集団に対しても保障される必要があります。科学者集団の独立性・自主性の保障なくして、個々の科学者の自由な研究もありえないからです。総理の見解を伺います。

 理由を明らかにしないままの任命拒否が、個々の科学者に萎縮をもたらし、自由な研究の阻害となることは明瞭ではありませんか。それはさらに、わが国の科学者を代表する日本学術会議の独立性を保障する要となる会員の選考・推薦権という人事権の侵害であり、日本の学問の自由への乱暴な侵犯というほかないではありませんか。総理の任命拒否は、学問の自由を二重に侵害するものではありませんか。答弁を求めます。

強権をもって異論を排斥する政治に未来はない

 そもそも総理は、日本国憲法が、思想・良心の自由や表現の自由とは別に、学問の自由の保障を独立した条項として明記した理由が、どこにあると認識しているのですか。

 1930年代、滝川事件、天皇機関説事件など、政権の意に沿わない学問への弾圧が行われました。それは全ての国民の言論・表現の自由の圧殺へとつながっていきました。毒ガスや生物兵器の開発、人体実験、原爆の研究、国民総武装兵器の開発研究など、科学者は戦争に総動員されました。そして、侵略戦争の破滅へと国を導いたのであります。総理、あなたには、憲法に明記された学問の自由の保障が、こうした歴史の反省のうえに刻まれたものだという認識がありますか。答弁いただきたい。

 この問題は日本学術会議だけの問題ではありません。全国民にとっての大問題です。強権をもって異論を排斥する政治に決して未来はありません。日本共産党は、違憲・違法の任命拒否の撤回を強く求めるものです。総理の答弁を求めます。

新型コロナ対策――緊急焦眉の課題について

 新型コロナ感染症は、感染が拡大方向に向かい、ヨーロッパのような再燃が強く危惧されます。緊急焦眉の課題にしぼって質問します。

PCR検査と医療体制の抜本的拡充を

 検査と医療の抜本的拡充は、感染防止と経済活動を両立させる最大のカギですが、政府の対応には大きな問題があります。

 一つは、PCR検査の立ち遅れです。日本のPCR検査の人口比での実施数は、世界152位。必要な検査がなお実施されていません。総理にはその自覚がありますか。

 無症状の感染者を把握・保護することを含めた積極的検査への戦略的転換を宣言し、実行に移すべきではありませんか。

 国の責任で、感染急増地(ホットスポット)となるリスクのあるところに網羅的な検査を行うこと、病院、介護施設、保育園等に対して社会的検査を行うことを求めます。感染追跡を専門に行うトレーサーの増員など保健所の体制強化を求めます。

 多くの自治体が、独自にPCR検査の拡充に乗り出していますが、行政検査として行う場合、費用の半分が自治体負担となることが、検査拡充の足かせになっています。「全額国庫負担による検査」の仕組みをつくるべきではありませんか。

 いま一つは、医療機関の疲弊です。日本病院会など3団体の実態調査によれば、全国の病院は4~6月期に平均10%を超える赤字となり、4分の1を超える病院で夏のボーナスがカットになりました。3団体の調査報告書は、国からの十分な支援がなくては、「地域医療が崩壊する可能性すらある」と訴えています。

 総理は、「医療従事者への感謝」と言いましたが、「感謝」というなら医療機関への減収補填(ほてん)に踏み切るべきではありませんか。新型コロナとインフルエンザの同時流行への体制づくりという点からも、医療機関への財政的補償が不可欠です。総理の答弁を求めます。

事業と雇用危機の深刻さへの認識を問う

 新型コロナが長期化するもとで、事業と雇用の危機はきわめて深刻です。

 東京商工リサーチの調査によれば、コロナ収束が長引いた場合、廃業を検討する可能性があると答えた中小企業は8・8%、単純計算で実に31万社を超える中小企業が廃業の危機にひんしています。

 雇用危機も深刻です。雇用者数は、コロナ前に比べて、6月は145万人の減少、8月でも117万人減ったままです。リーマン・ショックの際の雇用者減の最大94万人と比べても、過去最悪の急激な雇用の減少が起こっているのです。

 総理に伺います。現下の事業と雇用の危機は、放置すれば「コロナ恐慌」を引き起こしかねない、戦後最悪の状況だと考えますが、どういう認識をお持ちですか。お答えいただきたい。

暮らしと営業を支えるために――三つの緊急提起

 私は、こうした事態を踏まえ、次の3点を緊急に提起するものです。

 第一に、休業支援金の支給決定は予算額の5%、家賃支援給付金の給付額は予算額の2割弱にすぎません。「制度はつくったが支援が届いていない」という事態をただちに是正する実効ある措置をとることをここで約束していただきたい。

 第二に、政府の直接支援策は、すべて今年中を対象としたものです。「このままでは年を越せない」「事業継続を諦めざるをえない」――これが現場の悲痛な声です。総理、今この場で、雇用調整助成金のコロナ特例を延長すること、持続化給付金の第2弾を実施すること、家賃支援給付金を延長すること、生活困窮者のための貸付金を延長し返済免除の拡充を行うこと、そして国が数千億円の規模で出資して「文化芸術復興基金」を創設することを約束していただきたい。いかがでしょうか。

 第三は、消費税を5%に減税するとともに、経営困難な中小業者には、2019年度と20年度分の消費税の納税を免除することです。資産1千億円以上の超富裕層は、コロナのもとで資産を14兆円から19兆円へと増やしています。富裕層などに適正な課税を行い、消費税を減税することは、税の公正のうえでも急務ではありませんか。

 以上の諸点について答弁を求めます。

政治の仕事は「公助」――暮らしを良くする公の責任を果たすこと

 総理は、「自助・共助・公助」――「まずは自分でやってみる」と自己責任を繰り返し強調していますが、コロナ禍のもとで、多くの国民は十分すぎるほどの「自助努力」をやっていますよ。政治の仕事は「公助」――暮らしを守り良くするための公の責任を果たすことにつきるということを訴えて、私の質問を終わります。

 

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志位委員長の代表質問 衆院本会議

 日本共産党の志位和夫委員長は29日の衆院本会議の代表質問で、菅義偉首相による日本学術会議への人事介入、緊急の課題となっている新型コロナ対策について真正面からただしました。菅首相は日本学術会議への人事介入について、聞かれたことにまともに答えず、開き直りの答弁を連発。コロナ対策でも従来通りの答弁を繰り返すだけで、国民の苦難に寄り添う姿勢は示しませんでした。


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(写真)代表質問に立つ志位和夫委員長=29日、衆院本会議

■学術会議法に真っ向違反 独立性・自主性を侵害

 志位氏は、任命拒否が日本学術会議法に真っ向から違反していることを、各条文を引いて批判しました。

 日本学術会議法は、学術会議の政府からの独立性を幾重にも保障しています。同法では▽学術会議は、政府から「独立して…職務を行う」(第3条)▽政府に対してさまざまな「勧告」を行う権限が与えられている(第5条)▽会員は、学術会議の「推薦に基づいて、内閣総理大臣が任命する」(第7条)▽病気等で辞職する場合には、「学術会議の同意」が必要(第25条)―とされています。

 さらに第26条では、「会員として不適当な行為」があった場合ですら、退職には「学術会議の申出」が必要とされるなど、実質的な人事権は全面的に学術会議に与えられています。

 志位氏はこれらを踏まえ、1949年の日本学術会議の創設時、当時の吉田茂首相が明言したように「高度の自主性が与えられている」ことを認めるかと迫り、「6人の任命拒否は、学術会議の独立性・自主性への侵害であり、日本学術会議法違反であることは明瞭だ」とただしました。

 菅首相は、今回の任命が「学術会議法に沿って打ち出したもの」とするだけでまともに答えることができませんでした。

 志位氏は、学術会議の独立性が損なわれないかが大問題になった1983年の会員の公選制を推薦制に変えた同法改定時、政府が首相の任命は「全くの形式的任命」「実質的に総理大臣の任命で会員の任命を左右することはしない」「推薦していただいた者は拒否しない」と繰り返し答弁していたことを示し、6人の任命拒否が政府答弁のすべてを覆すものだと強調。「法律はそれを制定する国会審議によって解釈が確定するのであり、政府の一存で勝手に解釈を変更すれば、国会審議は意味をなさなくなる」と追及しました。

 菅首相は「解釈変更ではない」と強弁し、「推薦の通りに任命しなければならないわけではない」などと言い逃れに終始しました。

■憲法15条による任命拒否合理化は天につばするもの

 菅首相は、任命しないことはありうると強弁する際、「公務員を選定し、及びこれを罷免することは、国民固有の権利である」とする憲法15条1項を持ち出しています。

 志位氏は、憲法15条1項は、公務員の最終的な選定・罷免権が主権者である国民にあることを規定したものであり、それをいかに具体化するかは国民を代表する国会で個別の法律で定められるべきものだと指摘。日本学術会議の会員の選定・罷免権を定めた日本学術会議法に反した任命拒否こそ憲法15条違反だとし、「憲法15条を持ち出してそれを合理化するなど、天につばするものではないか」とただしました。

 菅首相はこの指摘に一切答えず、憲法15条を6度も持ち出して同じ説明を繰り返すだけでした。

 志位氏は、かつて政府が憲法15条の解釈で「明確に客観的に」「非常に不適当である場合」に限って任命しない場合もありうると答弁してきたと紹介。首相が任命拒否した6人が「不適当」かどうか、理由も明らかにせず任命拒否することは「6人に対する重大な名誉毀損(きそん)になる」と強調しました。

 菅首相は、「人事」に関することだとして理由の説明を拒否したにもかかわらず、「名誉毀損にあたると考えていない」などと断言しました。

 さらに志位氏は、菅首相が学術会議の推薦名簿は「一部の大学に偏っている」「民間、若手が極端に少ない」「多様性が大事」などと非難し始めたことについて、「それならば、なぜ50代前半の研究者、その大学からただ一人だけという研究者、比重の増加が求められている女性研究者の任命を拒否したのか」と追及。菅首相は「任命権者として判断した」などと居直りました。

 志位氏は、首相が勝手に「選考・推薦はこうあるべき」という基準をつくって任命拒否をはじめれば、「学術会議にのみ与えられた選考・推薦権は奪われ、学術会議の独立性は根底から破壊されてしまう」と批判しました。

■学問の自由を二重に侵害する

 任命拒否は、憲法23条が保障した「学問の自由」を侵害するものです。

 志位氏は、菅首相が任命拒否は「学問の自由と関係ない」と述べていることに触れて「憲法が定めた学問の自由の保障をどう理解しているのか」と追及。学問の自由は、大学、学会など科学者の自律的集団に保障される必要があり、科学者集団の独立性・自主性の保障なくして科学者の自由な研究もありえないと強調しました。

 その上で、「理由を明らかにしないままの任命拒否は個々の科学者に萎縮をもたらし、自由な研究を阻害する」と指摘。日本の科学者を代表する日本学術会議の独立性への乱暴な侵犯であり、「総理の任命拒否は学問の自由を二重に侵害するものだ」と批判しました。

 菅首相は「学問の自由は広く国民に保護されたもの」と述べつつ、憲法15条を持ち出して「任命権の行使が、会員等が個人として有している学問の自由に影響を与え、これを侵害することや会議の職務の独立性を侵害することになるとは考えていない」と強弁しました。

 さらに志位氏は「日本国憲法が思想・良心の自由や表現の自由と別に、学問の自由の保障を独立した条項として明記した理由がどこにあると認識しているのか」とただしました。

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(写真)滝川事件を報じる「帝国大学新聞」1933年4月10日付

 1930年代、滝川事件や天皇機関説事件など政権の意に沿わない学問への弾圧が、すべての国民の言論・表現の自由への圧殺につながっていったと指摘。「科学者が戦争に総動員され、侵略戦争の破滅へと国を導いた。憲法に明記された学問の自由の保障が、歴史の反省の上に刻まれたものだ」と訴え、「この問題は日本学術会議だけの問題ではなく、全国民にとっての大問題です。強権で異論を排斥する政治に決して未来はありません。日本共産党は違憲・違法の任命拒否の撤回を強く求める」と迫りました。

 菅首相は、学問の自由が旧憲法下で圧迫されたことを踏まえ、明文で保障したものだと答えましたが、任命の変更は考えていないと改めて主張しました。

■PCR検査と医療の拡充が最大のカギ

 再拡大が危惧されている新型コロナウイルス感染症の対策をめぐって、志位氏は「PCR検査と医療の抜本的拡充が、感染防止と経済活動を両立させる最大のカギだ」と述べ、政府対応の二つの問題点をただしました。

 一つはPCR検査の立ち遅れです。日本での同検査の実施数は、人口比で世界152位にとどまっています。

 志位氏は、無症状感染者の把握・保護を含めた積極的検査への戦略的転換を行うべきだと強調。国の責任で、感染が急増しそうな地域への網羅的検査や、病院・介護施設などでの社会的検査、感染追跡を行う専門員の増員など保健所の体制強化、全額国庫負担による検査の仕組みづくりを行うよう求めました。

 菅首相は、「他国とは感染状況が異なる」「全体として検査体制は向上している」としてPCR検査の遅れを認めませんでしたが、検査体制強化の必要性は認めざるをえませんでした。

 志位氏は次に、感染拡大に伴う経営悪化などで医療機関が疲弊しきっている問題を告発。日本病院会など3団体の調査報告書は、国からの十分な支援がなくては「地域医療が崩壊する危険性すらある」と訴えています。

 志位氏は「総理は『医療従事者への感謝』と言うが、それなら医療機関への減収補てんに踏み切るべきだ」と主張。新型コロナとインフルエンザの同時流行への体制づくりを進めるためにも不可欠だと迫りました。

 菅首相は1次・2次補正予算での支援を述べるだけで、患者の受診控えで経営が悪化する多数の医療機関への減収補てんにはまったく触れませんでした。

■暮らしと営業を支える三つの緊急提起

 志位氏は「新型コロナの長期化で、事業と雇用の危機は深刻だ」と指摘しました。31万社を超える中小企業が廃業を検討し、8月の雇用者数はコロナ前より117万人減ったままだとして、「放置すればコロナ恐慌を引き起こしかねない」と強調し、次の3点を緊急に実行するよう提起しました。

 第1は、休業支援金は予算の5%、家賃支援給付金は2割しか支給が決まっていない実態を踏まえ、ただちに是正し、実効ある措置をとることです。第2は、事業者の「年を越せない」「事業継続をあきらめざるをえない」という声を紹介し、雇用調整助成金のコロナ特例の延長、持続化給付金の第2弾の実施、家賃支援給付金の延長と生活困窮者のための貸付金の延長、返済免除の拡充、国が数千億円規模を出資しての「文化芸術復興基金」の創設です。第3に、消費税の5%減税と経営困難な中小業者に対する2019年、20年の消費税免税です。

 菅首相は「雇調金の延長は適切に判断する」と回答。その他の支援策については「雇用情勢や経済動向などを踏まえる」と述べ、踏み込んで回答しませんでした。

 志位氏は、菅首相が自己責任を繰り返すもとで「国民は十分すぎるほど自助努力をしている。政治の仕事は『公助』。暮らしを守るために公の責任を果たすことに尽きる」と主張しました。しかし、菅首相は「国民の創意工夫を大切にしたい」というだけで、国民の窮状を理解しない姿勢を示しました。

志位氏質問「トレンド」入り

「首相たじたじ、勝負あり」

 インターネットの短文投稿サイト・ツイッターでは、日本共産党の志位和夫委員長による29日の衆院本会議での代表質問への反響や今後の追及への期待の声が相次ぎ、関東地方では一時、話題に上る頻度が上位を占めたことを示す「トレンド」に入りました。

 志位氏が、「多様性が大事」だと言う菅義偉首相が50歳代の若手や女性の研究者の日本学術会議会員任命を拒否した矛盾を追及した部分の動画には「流石(さすが)」との投稿が。「この後すっきりした回答が得られない事が非常に残念。総理には早急に退場してもらいたい」と続けています。

 学術会議推薦の名簿を「見ていない」のに会員に「偏り」があるなどと任命拒否を正当化する菅氏の矛盾を追及したことにも、「『名簿を見ていない』なら、『メンバーに偏りがあった』こともわからないはず。もし、『メンバーに偏りがあったので外した』という報告を受けたなら、それもまた問題(権限のない人間が勝手に行ったことになる)」と指摘し、「正直、志位首相で十分です」との投稿も。

 また、コロナ禍のもとでも「自助」などと自己責任論を強調する首相に対し、志位氏が「コロナのもとで多くの国民は十分過ぎるほどの自助努力をやっていますよ。政治の仕事は公助だ」と主張したことにも、「あくまで自己責任論を基本とする菅氏に対する質問の締め括(くく)りが本当に素晴らしかった」との感想も上がりました。

 党本部にも、「学術会議問題での志位さんの鋭い追及に菅首相はたじたじで、憲法15条を繰り返すだけだった。勝負ありです。予算委員会では徹底的に追及してほしい」などの声が寄せられました。


見る聞く読む「しんぶん赤旗」/穀田氏記者会見 20/10/28

2020-10-29 11:04:29 | kaeruの「しんぶん赤旗」

 

日本共産党の会見

 

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首相発言はでたらめ

学術会議任命拒否 穀田氏が会見

写真

(写真)記者会見する穀田恵二国対委員長=28日、国会内

 日本共産党の穀田恵二国対委員長は28日、国会内で記者会見し、日本学術会議の会員任命拒否問題にかかわって、菅義偉首相のNHKニュース番組での発言について、「『見ていない』と発言した名簿についてよくいえるなと思う。客観的事実について検証されるべきだ」と批判しました。

 穀田氏は、元日本学術会議会長の大西隆氏から野党国対に寄せられた、菅首相の発言に関連する資料を紹介。大西氏が「多様化(総合性・俯瞰=ふかん=性の確保)は、会員選考の際に…(中略)…『優れた研究又は業績のある科学者』に加えて、ジェンダー、地域、所属、分野、年齢の多様化を図ってきた成果」と指摘していることに触れて、「いかに首相の言っていることがでたらめかがわかる」と批判。同時に、「野党が開いてきた9回に及ぶ合同ヒアリングの成果ともいうべき内容として知ることができた」と強調しました。