kaeruのつぶやき

日々のつぶやきにお付き合い下さい

安全を担保するものは? 公の立場について。

2024-01-06 21:58:05 | 私の寅さん

今夜は土曜日、夜はテレ東の「男はつらいよ」です。

寅さん映画になぜこのタイトルが……ですが、今夜の寅さんは「第38作 男はつらいよ 知床慕情」でした。この「知床慕情」は一昨年に「男はつらい」全50作を放送した中でただこの一作だけが放送されず、第39作と変えられてました。

2022年7月2日(土)でしたので、その4月に知床で起きた遊覧船沈没事故があったからだと思いました。この事故についてネットに、

「ひとり残されるぐらいなら、自分も船に乗っていれば良かった」知床観光船沈没、元妻と息子はいまだに行方不明 それでも家族は取材に応じる「これは事件だから」(47NEWS) - Yahoo!ニュース

「ひとり残されるぐらいなら、自分も船に乗っていれば良かった」知床観光船沈没、元妻と息子はいまだに行方不明 それでも家族は取材に応じる「これは事件だから」(47NEWS) - Yahoo!ニュース

 2022年4月23日、世界自然遺産の知床半島を巡る観光船「KAZU Ⅰ(カズワン)」が乗客乗員計26人を乗せたまま沈没した。これまでに20人の死亡が確認されたが...

Yahoo!ニュース

 

この遊覧船に乗っていた息子さんとその母親(元妻)をなくしたある男性が「これは事件だから」と言っています。私もなんの疑問もなく「遊覧船事故」と思っていたのです。この事故に対する認識の甘さ、人命に対する公の責任を求める立場の曖昧さを指摘された思いです。

この作品で三船敏郎の存在感が遺憾なく発揮され、寅さん映画のなかでも心に残る一作です。その存在感の根っこにあるのは、一人の初老の男性の「惚れる」という生命力の発露です。

この「つぶやき」のYahoo!ニュースの一男性の元妻と息子さんに対する人間性ある愛情の深さが、観光船会社の経営者への責任追求となり、国の検査の不備などへの怒りとなっています。

私の「つぶやき」でも「事故と事件」の違いについて触れたことがありました。

「1945年10月20日の小坪砲台爆発による子供十数人の爆死問題」 - kaeruのつぶやき

「1945年10月20日の小坪砲台爆発による子供十数人の爆死問題」 - kaeruのつぶやき

タイトルをこのようにしたのは、この爆死が「事故」なのか「事件」なのかに関わるからです。「事故と事件に違い」は、この爆死の原因になった爆発の原因について言われてい...

goo blog

 

元日から続く能登半島の大震災、ここも自然の「動乱」に対する公・政治の責任を厳しく見ていかねばならないとの思いを強めています。


「男はつらいよ」 の魅力

2023-12-02 22:48:32 | 私の寅さん

ここ2回ほど自宅に居ることが出来ず、寅さんに会えない土曜の夜でしたが、今夜はじっくりと会えました。

冒頭に上田の電鉄別所線の駅が出る、ということで構えて見ておりました

これです、

まいた(舞田)と見えます。

 私の実家は別所線から離れた地域にあるので、この駅名には記憶がありません。それよりもこの地に実家が移ってきたのは、私が上田を離れてからですので実家と言っても住んだことがなく、この地に馴染みがないのです。

 しかし、別所温泉に繋がる駅と線路となればそれだけで懐かしい想いが湧き出します。

 映画「男はつらいよ」の魅力は寅さんの恋愛譚にあるのですが、その物語が日本各地の光景に彩られて展開する、そこが大きいでしょう。上の映像の駅は撮られた時期1985年頃の駅ホームで、こんなお地蔵さんの姿と共に見られることは嬉しいことです。

我が心の原風景、とでも言う気持ちになってきます。

今夜の「男はつらいよ」は第35作「寅次郎恋愛塾」でした、

失恋の名手・寅さんがこうすれば遂げられたであろう、手立てを伝授するさまはいつもの吉川孝昭さんの、こちらからご覧下さい。

http://www.yoshikawatakaaki.com//lang-jap/35saku02.html 

 


アンコ椿は恋の花 🎶

2023-11-04 22:45:10 | 私の寅さん

「男はつらいよ 旅と女と寅次郎」は歌手・都はるみのマドンナ役ということもあって、数多くの歌が歌われています。『みんなの寅さん』の佐藤利明さんによると鼻歌も交じり11曲も登場しているそうです。

私の印象に残っているのは「とらや」の裏庭に面した縁側で歌われた

あんこ椿は恋の花

この場面です。

このあと、こちらは1966年、鹿児島県国分市から です。

そして、17歳の都はるみの「アンコ椿は恋の花」、

 


田中裕子の2度目のマドンナで……、幻の第49作。

2023-10-28 23:51:00 | 私の寅さん

今夜の「男はつらいよ 寅次郎花も嵐も」のマドンナは田中裕子さんでした。

何時も勉強させてもらっている吉川孝昭さんの「男はつらいよ覚え書ノート」で田中裕子を追っていましたら、

「男はつらいよ」の第49作をマドンナ田中裕子で構想していました。

こちらで読めます、 

男はつらいよ覚え書きノート 寅次郎な日々 2006年12月分と2007年1月分 

このポスターについても「ノート」のなかに説明があります。

 

寅さんこと渥美清さんが、俳句を詠んでいたことはこの「つぶやき」でもすでに紹介済みですが、「花へんろ」で詠み込まれているのが、

この一句(愛媛県松山市北条鹿島)、


来年の紫陽花の時期には……。

2023-10-21 22:18:27 | 私の寅さん

「男はつらいよ 寅次郎あじさいの恋」を一口で言えば、夫を亡くし京都で娘を育てる為にも働いていた女・かがりの寅の親切に芽生えた恋心が、戻った丹後半島での一夜では一歩引いてしまい、恋の成就を願ってあじさい寺・成就院へ誘いはしたが寅さんのダメ男の有り様で、未成就に……、という物語でしょう。

丹後半島での娘を寝かせ、寅次郎と同じ屋根の下での一夜、闇に包まれていたその町・伊根町はここ、

寅次郎の寝たふりを背に……、闇の中でため息をつく寅次郎……。

 

そして舞台は鎌倉へ、までには一山ふた山の盛り上がりがあって、

ここへ寅さんが満男を連れずに行けば、正に恋の成就院として名を一層高めたでしょう、が。そうはならない寅次郎でした。

もしも来年の紫陽花の時期、寅次郎風の中年男が似合いの御婦人との恋を実らせるとすれば、鎌倉から一歩半島に踏み込んだ地・葉山というシナリオが書かれてもいいでしょう。


マドンナのその後は?

2023-10-14 22:00:00 | 私の寅さん

夕食中妻が「寅さん、見ないの?」と……。

夜7時をかなり回っていました、今夜は土曜日だったのです。

夕食に降りてきて、ニュースが気になってチャンネルを変えて、

ガサ、ウクライナ、アフガニスタンの地震……、で「男はつらいよ」を忘れていました。男も辛いですが、世界中が辛い、日本も。

でもやはり、寅さんだと「寅次郎紙風船」にチャンネルを、

29日の「つぶやき」で、

オレ、  所帯持つかもしれない。 - kaeruのつぶやき

オレ、 所帯持つかもしれない。 - kaeruのつぶやき

第25作「寅次郎ハイビスカスの花」での所帯話は寅さんの「つぶやき」でしたが、この告白は本格的です、さてここに至る前半とこのあとの展開はやはり「吉川ノート」にお願い...

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この番組、多分三度目くらいでしょう、映画でも観ている筈です。ただ寅さん映画・テレビは殆ど何度観ても「良い」です。もちろん、ほぼ筋は分かっています。でも観るたびに新しいものが感じられます。

今回意外な感じ。この「寅次郎紙風船」で寅さん映画を通じて、始めて「マドンナのその後は、どうなったのだろう」と感じました。ヤクザの亭主の死のあと、ひとり東京に出て来て小さな旅館の仲居生活。

寅さんは死んだヤクザの信頼も受けて、そんな彼女と所帯を持つ覚悟が出来つつあった、が、彼女の深い思いに添うことも出来ず、いつもの旅の空へ。

寅はそれでいい、しかし、光枝のその後は? この映画が「紙風船」と名付けられたことに繋がっているのでしょうか。


10月に入りました。

2023-10-01 17:53:43 | 私の寅さん

10月1日 に「10月に入りました」とタイトルしても、当たり前のことなのですが、実は昨日の夕方からこの「つぶやき」で難儀をしていまして……。

昨日夕方ネットで「あまちゃん」記事を見ていたら、カミさんがあがって来て「男はつらいよ、はじまっているけど見ないの?」と。

その時見ていた「あまちゃん」はこれでして、

圧力・忖度の問題はジャニーズだけではない 消えた“能年玲奈”さん「あまちゃん」再放送後の”復活”はあるか(東洋経済オンライン) - Yahoo!ニュース

圧力・忖度の問題はジャニーズだけではない 消えた“能年玲奈”さん「あまちゃん」再放送後の”復活”はあるか(東洋経済オンライン) - Yahoo!ニュース

 もし当時、能年玲奈さんと所属事務所にトラブルがあったとしても、仮に能年玲奈さんに何らかの非があったとしても、これほどの長期にわたって出演がないのは異様に見えま...

Yahoo!ニュース

 

「あまちゃん」面白い! だけでは済まないものを見せてくれます、これはこれで「つぶやき」ましょう、いずれ……。 

さて、寅さんに戻りまして。

もう始まって20分くらい経ったようで、寅さんが源ちゃんの財布の中身をのぞきこみ2万円を借りる場面寸前の場、こんな風にして、

今回も吉川孝昭さんの「男はつらいよ 覚え書ノート」に頼っての「つぶやき」です、全体はこちらで

男はつらいよ 全作品覚え書ノート 寅さん 映画 渥美清

さて、この場面に至る経過は、旅の空からとらやに戻って来た寅さんが、さくら夫婦が自宅を購入したことを知り見にいきます。

そこで2階の空き部屋が……、,

「それはね、お兄さんの部屋。泊まる部屋があると安心でしょ」

とさくらの返事。

ここで吉川孝昭さんのコメントです、

このあと折角のご祝儀を巡ってバタバタあり、お決まりの寅さんは旅立ち、着いた先の北海道江差で、仲間の常吉が亡くなっていたことを知ります。線香の一本もあげたいと奥尻島へ渡るのです。

そこで常吉が残した娘・すみれと知り合い物語が始まります。 

ここからが本篇の主題が展開するのですが、実はこのあたりまで「つぶやき」着くのに半日ほどかかって来ました。iPadに「異常なし」ならばkaeruの操作ミスなのですが、2回ほど書き込んだ文字も貼った諸情報も消えるという難儀に見舞われて来ました。

との言い訳を〆にして10月の「つぶやき」のスタートとします。


所帯を持たない、 持てない実態……。

2023-09-26 23:42:08 | 私の寅さん

映画「男はつらいよ」の第1作は1969年8月上映で、第48作「寅次郎紅の花」が1995年12月。

寅さんが映画館から消えると時期を合わせたように日本の男性の生涯未婚率が一気に上昇していきます。

【2023年最新】日本の「未婚」「独身」を調査 日本全体の未婚者は32,790,076人、生涯未婚率は男性が28.25%、女性が17.85%

【2023年最新】日本の「未婚」「独身」を調査 日本全体の未婚者は32,790,076人、生涯未婚率は男性が28.25%、女性が17.85%

期間工のプレスリリース(2023年3月20日 08時30分) 2023年最新 日本の[未婚][独身]を調査 日本全体の未婚者は32,790,076人、生涯未婚率は男性が28.25%、女性が17.85%

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それは当然女性にも連動していますが、その差は歴然で文字通り「男はつらいよ」です。

ひとり一人の実情はそれぞれですが、同時に同じ日本社会にいて、結婚の先の生活=所帯を想像して結婚に踏み切れないものがある時代、生活の不安定性(寅次郎的)は共通しています。

山田洋次監督が映画「こんにちは、母さん」に関連して、次のような趣旨の話をしていました。「男はつらいよ」当時の撮影現場は皆んな松竹の会社員でした、しかしこの映画も含め撮影現場では契約社員が大部で、大きく変わってきました、と。

その変化は日本社会を支えている労働現場の実態で、それが日本中の「男も女もつらいよ」の背景にあります。


オレ、 所帯持つかもしれない。

2023-09-25 22:31:25 | 私の寅さん

第25作「寅次郎ハイビスカスの花」での所帯話は寅さんの「つぶやき」でしたが、この告白は本格的です、

さてここに至る前半とこのあとの展開はやはり「吉川ノート」にお願いしておきます、

   寅を本気にさせた 『笛の音の人』

実は、 私は、 第28作 「寅次郎紙風船」 のマドンナである倉富光枝さんこそ、 寅とお似合いの人だと密かに思っている。
カラスの常こと倉富常三郎テキヤの女房であった光枝さんは寅の苦労も淋しさも分かってやれる数少ないマドンナなのだ。

もちろんリリーも同じように寅の悲しみが分かる人生を送っている。

いくら寅がマドンナに優しくしても、所詮は棲む世界が違うっていうのがこのシリーズのいつものパターンなのだが、
リリーや、光枝さんは寅と同じ裏街道をゆくマドンナなのである。 早く言えば堅気じゃないのだ。


寅を好きになった美しい マドンナはいろいろいるが、 本当に寅と結婚したとしたらとじっくり考えると、
どのマドンナも実は長く続かないような気がするのだ。 寅のフーテン気質が悪いのだが、 こればっかりは仕方ない。


リリーはもちろん最愛の女性だから、くっついたり離れたりしながらも一生を共に暮らすことは何とか想像できる。 緑が誰よりも深い。


そしてもう一人、リリー以外に最強の女性がいるとしたら、 あの笛の音の人。 倉富光枝さんだ。

こちらから、全文へ

 http://www.yoshikawatakaaki.com/lang-jap/28sakuhonpen.html

 

「所帯を持つ」ということに関してアップしておきたいのは、

そして、

吉川さんも言われていますが、リリー以外に寅さんと所帯を持つ最良の人はこの第28作「紙風船」のマドンナ・倉富光枝さんでしょう、3週間後の「男はつらいよ」で確認してみようと思います。

さて、ネットで見た記憶なのですが、山田洋次監督には渥美清さんの寅さんで、あと2本の企画があったそうです。その一は、吉永小百合のマドンナの3度目、もう一つはリリーと寅次郎の新所帯❗️

吉永小百合は「こんにちは、母さん」で恋をする老母を美しく演じて、息子役の大泉洋には「二代目寅さん」の声もニュースになっています。ならばリリー役の浅丘ルリ子は……、80歳代のリリーの生きざまを観たいと思います。


「リリー、 オレと所帯持つか…」

2023-09-24 22:24:14 | 私の寅さん

昨夜の「男はつらいよ 寅次郎ハイビスカスの花」を観て、やはり頭に残っているのが「タイトル」のこのコ・ト・バです。吉川孝昭さんの「男はつらいよ覚え書ノート」にはこう書かれています。

紆余曲折の後、ようやく二人はとらやに戻ってきて、リリーと寅は過ぎ去ったあの夏の夢の日々を回想する。

寅 「暑い一日が終わって、 夜になると、スーツと涼しい風が吹いてなあ...、遠くで波の音がザワザワザワザワザワザワ  」
リリー 「ほら、庭に一杯咲いたハイビスカスの花に、 月の光が差して...、 いい匂いがして」
寅 「うん。 昼間の疲れで横になってウトウトしてるとお母さんの唄う沖縄の哀しい唄が聞えて来てなあ」

リリー、懐かしい 『白浜節』 を静かに口ずさむ。
  まるで自分の気持ちを託すかのように。
リリー 「♪我んや白浜ぬ 枯松がやゆら 春風や吹かん 花や咲かん                  
二人やままならん 枯木心」
リリー 「私、幸せだった、あの時…..」

寅は未だ夢から覚めやらぬ感じでこうつぶやく。

「リリー... オレと所帯持つか…..」

全文はこちらから、

男はつらいよ全作品覚え書ノート 第25作「寅次郎ハイビスカスの花」

寅さんのこの場面での「所帯持つか・つぶやき」のかなり前ーーまだ二人とも沖縄にいた頃ーーこんなやりとりがありました。

吉川さんは映像以上にご自分の思い入れも存分に組み込まれて、かかれています、そこで読みとってもらえればと思いますが、この部分に関連して簡単にスジを記しておきます。

渡り鳥のように歌を生業として全国を渡り歩いているリリーから「とらや」に、旅先の沖縄で病に伏しているとの手紙「寅さんに会いたい」と。大嫌いな飛行機に乗りはじめての沖縄です。

寅さんの献身がリリーを元気づけ回復させます、回復すればリリーは仕事に出ると言い、寅さんは無理をするな

「オレがなんとかしてやるやるよ」

リリー「嫌だね」

寅「どうして」

リリー「男に食わしてもらうなんて、私、まっぴら」

寅「フフフ、水くさいこと言うなよ、お前とオレの仲じゃねえか」

リリー「でも…夫婦じゃないだろ」

寅「えっ?」

リリー、目を伏せがちに…

リリー「あんたと私が夫婦だったら別よ。…でも違うでしょう」

寅、ヘドモドしながら

馬鹿だなあ、

と、続くわけですが。

リリーに「あんた女の気持なんか分かんないのね…」と言われ、リリーの目に涙を見た寅は……、

長い沈黙の時へ……。

この「沈黙」からどういう経緯で、冒頭の「とらや」での寅さんの「つぶやき」に至るのかは是非「吉川男メート」で観て下さい。ここで私が「つぶやき」たいのは「所帯を持つ」ということです。