kaeruのつぶやき

日々のつぶやきにお付き合い下さい

kaeru の膀胱癌 ー自分への告知ー

2019-07-31 22:44:56 | 「がん」を読む

   入院前の医師は男性でしたが、入院中は主治医は女医で今日説明してくれた人です。説明のために描いたものを写しました、もちろん「kaeruの」はkaeru の付け足しです。

   膀胱の左側に2つあったそうです。削りとった肉片は、手術直後小ビンのなかで透明な液体に浮いているのを見せてもらいました。

    尿路上皮癌という名前です。タチは良くない=悪い、そうで顕微鏡で見ての判断なのでしょう。人相ならぬ細胞相が悪相なのでしょう。膀胱という皮袋は三層(3枚重ね)になっていて、内側から粘層ー間質ー筋肉です。15㍉20㍉の癌は中ほどの間質まで広がっていた、という説明です。

   「すると転移はないな」と思いつつ医師に「転移は?」と聞いてみました。「ない、と判断しています」とのこと。それでも同じところ(薄くなっている)を削るのは念には念を入れるということでしょう。来月の中ほど五日間ほど涼しい病室ですごそうと思います、そのあと一ヶ月半くらい週一で病院通いです。

   それにしても「がん告知」が当たり前の時代になったものだなー、と。ただ病院側はそういう時代に入っていますが、患者側(親族)が旧感覚だと思うのは、娘をめぐるこの間のことからの思いです、自分のなかにも旧感覚が残っています。

   このブログでは、がんに対する21世紀水準(4000年の歴史を経てきた)の感覚を感じ取りたいと思い、我が身への告知として「つぶやき」続けてみたいと思います。


明日の膀胱がん手術の結果説明を聞く前に……。

2019-07-30 23:06:46 | 「がん」を読む

 https://headlines.yahoo.co.jp/hl?a=20190729-00000004-binsider-int

これを見て私のフェイスブックにアップしましたのが、

 この名言とは『がん  ー4000年の歴史ー』上巻のp37から、

宮本さんの言われるように、戦争などという内向きのゴタゴタに気を向けていられるほど宇宙は「平和」ではないのです。内向きと言えば人間の本質=細胞分裂のなせる身体=に根拠を持つがんを克服することに、戦争に向ける関心の方向転換を人類史的規模でやることです。

などという思いを抱きつつ明日医師から説明と今後のことを聞きましょう。


『がん ー4000年の歴史ー』の面白さ。

2019-07-27 10:15:33 | 「がん」を読む

書き手のシッダールタ・ムカジーがこう書いています。

「私が書いていたのは、ある病気の歴史というよりも、より人間的で、より感情的なもの、そう、伝記だった」

続いて、

〝 伝記ならば、私も伝記作家の例に洩れず、まずは主人公の誕生から書きはじめたいと思う。がんはどこで「生まれたのか?」 がんは何歳なのか? がんを最初に病気として記録したのは誰なのか?〟

これらの?への答えが、

 

   一八六二年のこと、エドウィン・スミスという一風変わった人物ーー学者でもあり、小売り商人でもあり、骨董品の偽造者でもあり、たたき上げのエジプト学者でもあったーーが、エジプトのルクソールの骨董品売りから四 ・五メートルの長さのパピルス写本を買った(一説には、盗んだとも言われている)。写本は実にひどい状態で、今にも粉々に崩れそうな黄ばんだぺージには古代エジプトの筆写体文字がびっしりと書かれていた。今日ではそれは紀元前一七〇〇年に写本された、紀元前二五〇〇年の文書と考えられている。写本した人物一ー大慌ての盗用者ーーはいくつよものミスを犯しており、余白に赤いインクで修正が書き込まれている。

 

    そのパピルス写本は一九三〇年に翻訳され、今日では、紀元前二六二五年前後に活躍した偉大なエジプト人医師、イムホテプの教えを集めた書と考えられている。現在知られている王室の血を引かない数人の古王国時代エジプト人の一人であるイムホテプは、急速に発展するエジプト文化の中心にいたルネサンス的教養人で、ジェセル王朝の宰相をつとめながら、脳神経の手術をおこなったり、建築に手を出したり、占星術や天文学の世界を覗いたりした。それから何世紀も経ったあとでエジプトに行軍したギリ シャ人ですら、彼の知性の熱風に遭遇したあとでイムホテプを魔法の神と崇めるようになり、ギリシャの医神アスクレーピオスと同一視したほどだった。

 

    だが、スミスのパピルス写本の驚くべき特徴は、魔法や宗教ではなく、魔法も宗教も登場しないという点だ。魔法や呪文や魔力に浸りきっていた世界にあって、イムホテプは、折れた骨や椎骨脱白について、まるで現代の外科の教科書のように、客観的かつ淡々とした科学用語で書き記している。パピルス写本に登場する四八症例ーー手の骨折、ばっくりと開いた皮膚の膿瘍、粉々に砕けた頭蓋骨ーーはどれも神秘的な現象としてではなく、解剖学的な用語や診断名や経過や子後を持つ、医学的な状態として扱われているのだ。

 

    古代の外科医療のそんな明断なヘッドライトの下で、がんは歴史上初めて、他と区別された一つの疾患として登場する。症例四五についての説明のなかで、イムホテプ は次のように助言している。「乳房に隆起する塊のある(症例を)診察し、その塊がすでに患者の乳房全体に広がっており(その)乳房に手を置いた(ときに)冷たくて、塊自体も熱を持っておらず、肉芽がなく、切開しても液体の貯留がなく、乳汁の分泌もないが、触診で明らかに盛り上がっている場合には、その症例についてこう言わねばならぬ。"これは隆起するしこりの病である..….乳房の隆起するしこりは、しだいに広がる大きな硬い腫癌が乳房に存在することを意味する。手で触れた感じは丸めた梱包用の布や、まだ熟していない硬く冷たい血液の果実のようだ"」

 

「乳房の隆起するしこり」 ーー冷たく硬く、血液でできた果実のように身が詰まっており、皮膚の下を秘かに広がっていくーーという表現は、乳がんの描写としてはこれ以上望めないほどに鮮明だ。パピルスに記載された症例には必ず、たとえそれがただ単に症状を緩和すそためのものであっても、治療に関する簡潔な考察が添えられていた。たとえば、脳神経外科の患者の耳にはミルクを注ぎ、傷にはハップ剤を貼り、火傷には香油を塗る、といったよらに。だが症例四五については、イムホテプは珍しく沈黙している。「治療」と題したセクシンで彼が書いたのはたった一文だった。「治療法はない」

さて「伝記」でこう書かれていることを短く言うと、こちらでは、

 がんに関して現存する最古の記録は、紀元前2600年頃に活躍した古代エジプトの医師イムホテプが残したものだといわれています。48の症例を記載しているなかのひとつとして、「乳房の隆起するしこり」を取り上げ、「冷たく固く、血液でできた果実のように実が詰まっており皮膚の下をひそかに広がっていく」と表現しており、これが乳がんに関する記述であると考えらているのです。

と書かれています。

人間の記録にはじめて登場した「がん」は医師イムホテプに「治療法はない」と言わしめ、次に記録されるまでの2000年間「沈黙の覆いにつつまれます」。


がんー63ー 転移

2019-07-25 23:57:34 | 「がん」を読む

久しぶりにこの本です、

そしてこのページ、

 がんが「怖い病気」である理由はここに書かれています。

「どうして、がんで死ぬのか」という問いには「転移が起こるから」と答えることができます。「転移」とは、がん細胞が血液やリンパ液に乗って全身をめぐり、発生した場所とは異なる臓器やリンパ節に生着して、そこで増えることです。がんは発生した場所で大きくなる限りは、手術で取り除くことができます。しかし、血液やリンパ液に乗って全身をめぐり始めてしまったら、いつまた別の臓器で増えるかわからず、治療は困難になります。

娘の場合、乳がんからどう他の臓器に転移していったのか、その経過についてよく分かりません、昨年暮れに我が家にやってきた段階で既に全身転移という状況でした。

我が身のがんについて最大の関心事は、転移の恐れありや?ということにあります。31日に医師より手術の結果の報告説明がありますが、それがどういう内容になるか? 予測をしてみるのも勉強のひとつでしょう。希望的観測という面も含めて「転移無しの可能性大」とみています。それが素人の甘さだ、となると落差が大きすぎるのですが、「退院証明書」の「転帰」欄の「治癒に近い状態」という箇所に◯印、とりあえずはそれを拠り所に、です。

 


がんの友たち

2019-07-22 00:58:58 | 「がん」を読む

手術にあたって弾性ストッキングというくつ下を身につけました。こういう目的です、

読めませんね、「手術の際に血栓(深部静脈血栓:血液の中にできる血のかたまり)ができるのを防ぐ目的で装着します」

病院でいただいた説明書には血栓が肺に入るのを防ぐ、とありました。手術前の医師の話のなかでも術後制限が外されたらなるべく歩くようにとありましたが、それも血栓予防なのかもしれません。

私のスマホに計測されている1日平均の歩数は約6000歩ですが、入院日6705手術日91翌日223外出日3276退院日3733でした。多分外出していなかった3日目も500歩ぐらいだったでしょう。

(気がついたらこんな時間になっていました、久しぶりの我が家で娘の様子をみつつでしたので、この後は明日の今日に……)