鹿児島三大行事保存会事務局長の隈元忍さんをゲストにと声をかけるきっかけになったのがこの新聞紙面だそうです。
鹿児島三大行事のひとつ「曽我どんの傘焼き」についての記事ですが、「曽我どん」の曽我とは日本三大仇討あだうちのひとつ「曽我兄弟の仇討」です、その仇討がなぜ「傘焼き」なのか?
私の子供の頃、戦争中に読まれた「曽我兄弟仇討」の絵本が身近にあって父の仇かたき工藤祐経すけつねをねらって雨の中を行く二人の姿が描かれていた記憶があります。それは蓑みのをまとい笠をかぶったものでしたので、その笠だと勘違いしてました。ですから松明たいまつ代わりに燃やしたという説明で笠ではなく傘だと分かった次第です。
「曽我兄弟の仇討」については「吾妻鏡あずまかがみ」にも出てきます。『現代語訳 吾妻鏡』の第6巻は「富士の巻狩」という巻名です。頼朝の富士の裾野での巻狩りの場が近臣の工藤祐経の殺害の場になったこの事件について、背後には政治的な隠謀があり真の狙いは頼朝の暗殺にあったという見方が紹介されています。
薩摩藩からは遠く離れた富士の裾野での事件を藩の郷中教育の一環として取り入れ現在も「この火を消すな!」と取り組んでいることからは、三大行事のもう一つの「赤穂義民傳輪読会」とともに鹿児島の歴史の息づかいを生々しく感じさせられます。またもう一つの「妙円寺詣り」では関ヶ原における敵中突破、いわゆる「島津の退き口」が今でも受け継がれていることを知ります。誠に鹿児島の地には薩摩の時代からの歴史的郷土的マグマが胎動しているの感があります。
新聞記事の終わりの部分に隈元さんの思いが綴られています。
【同会の隈元忍事務局長は「傘がないことには、傘焼きを続けてはいけない。若い人も引き入れながら、緊張感をもって傘焼きを続ける方法を考えたい」と力を込める。】
この思いが郷土的マグマの熱量で実現されることを期待してます。
「曽我どんの傘焼き」の光景は以下で、
https://www.facebook.com/sogakasayaki/videos/514652738736096/
https://www.facebook.com/sogakasayaki/?fref=nf
最後に今日の番組を(残念ながら私のiPadでは視聴できないのですが)、
http://www.ustream.tv/recorded/88715939