見終わって数分経って何が印象として残っているか、人それぞれ違うでしょう。第4回目の「挑戦」という題名からいえば信長との対面の場、それが本命でしょうが、私がこうして寝転びながらタブレットに指を動かしつつ浮かぶのは真田の郷の光景です。
信濃の国 真田といわれた時代の、その頃はこうだったのだろうと思わせられる山と野の広がりです。現在の実際の映像から建物など人工物を取り除き、周りの山や野の光景に同化させて映像化するのでしょうか。
昌幸と信繁が信長の呼び出しに応じて諏訪へ向かう、生きて戻れるかの領主の列が里道を通る、小さな山間の道です。
「一生懸命」は「一所懸命」が転じた言葉だそうですが、自分の領地保全とさらなる拡大に生命をかける、封建時代の領主の立場であり覚悟です。この覚悟を軸にしてドラマは展開します。
昌幸の信長に賭けた「策略」と「挑戦」は効をそうし真田と上田は安堵されますが上野国の沼田・岩櫃領は織田重臣滝川一益のものとされてしまいます。これが天正十年四月のことです、しかし翌々月本能寺の変が起き信長の死、そして昌幸は……、とその先へ向かいます。