97歳のご婦人=Kさん、78歳にご婦人=kさんと呼ばせてもらいます。
いま、Kさんが調べているのは、250年ほど前のこの地域(逗子・葉山)
のある家族の動きです。 Kさんは郷土史家として土地の旧家の古文書
や寺院の過去帳などを調べていて、ある一家の行方に関心をもったそう
です。
当時、農民の移住は禁止されていたのですが、現在の逗子市地域の
ある村から現在の葉山町地域のある村へ、移住した記録がありました。
それなりの事情と手続きを経てのことだろうと推測されます。
ところがその一家が逗子市内の別の村の寺院の過去帳に記載され
ているのだそうです。 そのことは当時の農民への諸規制のなかでは起
りえないことなのだそうですが、記録に残っているのですからもっと調べ
てみたいと言われます。
kさんは、いまインドへの旅たちを計画しているのこと。
今年、ミヤンマーを訪問し大怪我をして帰ってきたのです。 なんでも夜
中、真っ暗ななか列車が止ったのでドアを開けホームに降りた、つもりが
ホームではなかった!
この旅は息子さんを連れていったので、なんとか戻って来れたのですが、
この数年のカンボジア、中国雲南省、ベトナムなどへはすべて一人旅。
旅行社のツアーとは無縁の無頼旅行という感じです。 その地の人々の
暮らしを裸で知りたい、というのが旅の目的だとか。80歳まではこういう
外国へ無頼旅行をし、81歳以降は国内を回るのだと意気込んでいます。
後生畏るべしならぬ、「先生畏るべし、見習うべし」。
250年前の庶民の生活のなかに分け入るKさん、激動する東南アジア
の庶民のエネルギーを直に伝えてくれるkさん、お二人の話を聞きつつ過
去であろうと外国であろうと、現にこの地で日々を生きる者を支え動かし
ている力は庶民の生きるエネルギーであると、改めて確信を深めました。