今日の「てんがらもん川柳教室」に応募された53句は下の通りです。石神さんが推敲されたものは推敲句で掲示しました。さて、このなかから約半分の23句が入選、佳作、準特選、特選、ヨイショ賞に選ばれています。
あなたが23句選ぶとしたらどれでしょうか、そのなかで佳作から特選の7句は? ヨイショ賞は分かりやすいでしょう。
01 誤解とけ心もかるく青い空
02 名も告げず手をさしのべて去った人
03 さわやかな会釈の人とバスを待つ
04 てんがらもんさわやかすぎる熟女たち
05 初孫の寝顔さわやか夏の風
06 新婚の決意新たな白いシャツ
07 爽やかさ忘却の果て今の君
08 里山に春の息吹があふれだす
09 爽快に青竹しなうこいのぼり
10 湧き水に睡蓮浮かぶ爽やかさ
11 席譲るセーラー服がまぶしくて
12 郭公を聴いて若葉の散歩道
13 燃え尽きて涙も見せずアスリート
14 爽やかにおはよう揺れるランドセル
15 一陣の風も歌うよ草千里
16 爽快にテニスコートの孫エース
17 嵯峨野路の竹林の風爽やかに
18 爽やかな高原の宿鳥の声
19 宅配の若き笑顔の爽やかさ
20 てんがらもん七十歳のさわやかさ
21 桜島開聞岳も五月晴れ
22 幸せです心と体さわやかに
23 五月晴れ半音上げてこんにちは~
24 風薫り若葉目に沁む朝散歩
25 さわやかに会話が弾む散歩道
26 幼子の朝の挨拶さわやかに
27 五月晴れ山菜取りに老夫婦
28 さわやかな風に誘われ潮干狩り
29 若葉萌え心も前に歩き出す
30 空高く親の夢乗せこいのぼり
31 五月雨にまちも緑もよみがえり
32 どかばいを流してくれた雨嬉し
33 父ちゃんが空から見てるシーツかな
34 熊本城今年も負けず桜咲き
35 五月です風もさわやか出かけます
36 甦れ桜満開益城町
37 潮風がさわやか駆ける船上を
38 新緑のさわやかな風気持ちいい
39 さわやかに飛行機雲とこいのぼり
40 あせまみれスポーツマンのさわやかさ
41 誰も居ぬ露天一人で仁王立ち
42 爽やかの漢字大人の四人組
43 登山道這い松抜けた尾根の道
44 初夏の朝胸はる風のさわやかさ
45 半そでに帽子さわやか初夏の風
46 爽やかにかおるみかんとこいのぼり
47 花かおる風に誘われピクニック
48 爽やかな笑顔あふれる入社式
49 爽やかな笑顔にコロリ会いに行き
50 爽やかに恋ダンスかな空の鯉
51 新緑に流れる滝の水しぶき
52 泳ぐ鯉家族の願い風にのせ
53 孫たちと森林浴で深呼吸
石神紅雀さんの選ばれた句とコメントはこちらです。
http://blog.goo.ne.jp/chidori-t/e/ea58a82850fa9eb00234cc2744b84537
川柳ではありませんが、俳人の長谷川櫂さんの『一億人の俳句入門』に川柳でも通じることが書かれていますので紹介します。
「読む」と「詠む」
【 日本語の「よむ」という言葉には二つの意味がある。一つは人の書いたものをよむこと。これには「読」という漢字を当てる。もう一つは自分で詩をよむこと。こちらには「詠」という漢字を当てる。
この「読む」と「詠む」とはたまたま同じ音なのではなく、互いに深くかかわっている。俳句についていえば、人の俳句の読み方が上達すれば、自分の句の詠み方も上達する。反対に、片方が欠ければ、もう片方もうまくゆかない。いわば車の両輪。
(略)古典(川柳でいえば江戸時代の古川柳)や現代の俳句をきちんと読むこと、句のよしあしを見分けられること。これがそのまま……自分で俳句を詠むことにつながる。】
背筋が凍ります。
まな板の上に乗せられた気分です。
選者の品定めをされているみたい (>_<)
とはいえ、ありがたい試みですね。
川柳の「勘どころ」を掴むきっかけになりそうです。
私がどう思われるより、みなさんにそこを掴んでいただくことが大事です。
ありがとうございました!
生きるということは恥をかくことですものね。
生き恥をかいて楽しく日を重ね 紅雀
いつもありがとうございます。
陽子先生が凍り付くようなことだったんですか?
私はわからないのでそのままです。良かった。
句が「食材」として並べられ、石神シェフ
の手腕で料理され尾頭付きの鯛料理が出来
上がるわけです。
頭部胴部尾部と分かれるのは鯛一匹ですか
ら当然のことですが、やはり頭部に目がい
きやすいです。でもまな板にのせられて最
も勢いのいいのは尾です。
川柳の尾の部分のエネルギーは俳句をこえ
るのでは、と感じています。
まな板を打つ尾の力鯛料理 kaeru
でしょう、納得されなければ例えが悪いの
です。
「まな板の鯉」はつかまるまでは大奮闘す
るが、まな板にのせられるとあなたまかせ
になってしまう。「まな板の鯛」という諺
はありませんが、つくりましょう。狭い川や池にすむ鯉とは違い、鯛の活きてきた海
は自分をつかまえた人間が住む地上より広
く深いところです。この諺は潔い武士とは
違い生き抜かねばならない庶民のエネルギ
ーを言い表わすものとします。
誤解されるでしょうが、俳句を鯉に例える
なら川柳を鯛に例えましょう、庶民のエネ
ルギーはこちらにある、と思います。
川柳で最も大事なのは尾の部分だと言われています。座五、とも言われ、句の良しあしを左右する最も大切な部分です。
読む と 詠む も興味深く読みました。
おっしゃる通りですね。
呼ぶべき拠点をつくること、と田辺さん
が書かれていました。俳句界での俳句文
学館のようなものです。
川柳俳句相携えて五七五リズムのこの愛
すべき詩の分野の豊かな発展に向かいま
しょう。