「古都に春を呼ぶ…」などの常套句がつけられる東大寺二月堂修二会のクライマックス、
「お水取り」が今日深夜に行われます。
「修二会」は3月1日から14日まで連日行われているのですが、本来はお籠りの僧
(練行衆)の足元を照らす役目の篝火である「お松明」が見物客には華やかで印象深い
ために、「修二会」=「お水取り」というように考えられる向きもあるようです。
今日は大混雑が予想されるので、一日早い昨夜、この「お松明」を見物してきました。
18時15分。
何年か前には明るいうちからお堂のすぐ下に陣取り、お松明の火の粉を浴びたのですが
上の芝生の段は既に大勢の人で埋まり、下の段も正面に行けずここまで来るだけで精一杯。
それでも後からあとから人が押し寄せ、警備の警官が声をからして整理しています。
19時00分。
警告されていた通り境内の灯りが消され、回廊と燈籠の灯りが暗闇に浮かび上がります。
19時05分。
左手から回廊を登ってきたお松明が堂上に登り回廊を走ってくると、大きなどよめきが
見物の人たちから起こりました。
19時10分。
お松明は全部で10本(今日12日は籠松明が加わり11本)、次々と走ってきて回廊角で
クルクルと廻して火の雨を降らします。
19時20分。
最後に火の竜の舞いのように炎が闇を照らして、境内に電灯が点きました。
ひと時の夢から覚めたような思いで、遠くから来たらしい人や外国人らと一緒に
ぞろぞろと参道を下りました。