ペンギン夫婦の山と旅

住み慣れた大和「氷」山の日常から、時には海外まで飛び出すペンギン夫婦の山と旅の日記です

2012ネパールの旅 1 (バクタプル-1)

2012-12-05 10:30:02 | 旅日記

この前にネパールを訪ねたのは2006年、ギャネンドラ国王の独裁時代でした。その後、民主化運動の高まりで王政は倒れ、現在の政体はネパール連邦共和国となりましたが、まだまだ政情は不安定なようです。一観光客の目で見たネパールの現状も、ありのままお伝えできればと思います。

11月26日、0時30分関空発で旅が始まりました。今回はJ社の「ネパールベストハイライト8日間」ツァーですが、集合が前日なので、すでに2日目です。12人の小じんまりしたグループで、うち5人が私たち「イタ友」山仲間です。おかげでバンコクで長い乗り継ぎ時間も退屈せずにすみました。


飛行機の窓越しに見るエヴェレスト (Photo By INOCCHI
san)

バンコクからは3時間半、ヒマラヤを見ながらのフライトで13時45分にカトマンドゥへ着きました。専用バスで今夜の泊地・ナガルコットへ向かう途中、まずカトマンドゥから東へ15kmほど離れた古都・バクタプルを観光します。



バクタプル(BHAKTAPUR)は田園地帯の小高い所にあり、バドガオン(帰依者、信仰の町)と呼ばれる、中世の面影を残す古い町です。バスを降りて赤レンガを敷き詰めた静かな道を少し歩くと、大きな木の下の祠を二匹の獅子が守っています。



左に折れて坂を上るとダルバール広場です。(ラジュ)ダルバールは王宮の意味で、ダルバール広場はカトマンドゥにもパタンにもありますが、このバクタプルが一番美しいと言われています、この白い門は「獅子門」(LionGate)と呼ばれ、両側に獅子像があるということですが見逃しました。



広場に入って正面を見たところ。右はパシュパティナート寺院。左奥の寺院はバグバティ寺院、その前にマッラ王の石柱が見えます。広場の左側が旧王宮です。



ブパティンドラ・マッラ王は17世紀終わりから18世紀にかけてネパールを治めたマッラ王朝の一人。彼が神に祈りを捧げる姿を刻んだこの石像は、ネパールの石像で一番美しいといわれています。



旧王宮の右翼部分は「55窓の宮殿」と呼ばれています。それぞれの窓には美しく精緻な装飾が施されています。



旧王宮への入り口「Golden Gate」。門の周囲はヒンドゥーの神々の姿の彫刻で飾られています。



この石造寺院はバトサラ・ドゥルガ寺院といいます。インドのシカラ様式と言われる建築様式です。右の二層になっているパシュパティナート寺院は、バクタプル最古の寺院(1492年建立)とされています。シヴァ神の化身の一つパシュパティを祀っています。屋根の支柱の彫刻がなかなかエロチックなんですが…。



この寺院の前から細い道でつながるトゥマディー広場へ急ぎます。ゴールデンゲート左の白い建物も王宮の一部です。



広場に入りまず目を引かれるのが、このニャタポラ寺院です。30mの高さがあり、1702年にプパティンドラ・マッラ王が建立したカトマンドゥ盆地で一番高い「五重塔」の寺院です。



石段の両側には守護神として、下から順に伝説の戦士(ジャヤ・マッラとバッタ・マッラ)、象、獅子、グリフィン、女神の像が並んでいます。

(Photo By MARU-san)

この戦士は人間の10倍の力があるとされていて、象は戦士の10倍、獅子は象の10倍と上に行くほど、その力は10倍づつパワーアップしていきます。このように厳重に守られている御本尊も女神さまですが、扉は釘付されていて一度も開かれたことがないとか…。しかし、この地方を襲った1934年(変愚院の生まれた年)の大地震にも、この寺院は殆ど被害はなかったそうです。女神の力によるかどうかは別として、往時の技術力の高さを示しています。     それでは5層の基壇を登ってみましょう。(続く)