パタン(PATAN)はカトマンドゥの南5km、パグマティ川を渡ったところにある町です。1999年に訪れたときには、大阪から大和川を渡って堺へきたようだと思いました。この時はカトマンドゥから南下してダルバール広場の近くまでタクシーで乗り入れましたが、今回は渋滞がひどいということで南側から街に入ってバスを降りました。
別名「ラリトプル(美の都)」と呼ばれるだけに、この町には街角のちょっとした祠の飾りにも芸術の香りが漂っています。町の住民の多数を占めるネワール族は、工芸や彫刻、美術などの技に優れているのです。
それを証明する「タンカ学校」を見学します。看板にはSchoolとありましたが、工房兼ショップといった感じです。
タンカは仏様や曼荼羅などを描いたチベット仏教の仏画です。一枚一枚が手書きで金泥をたくさん使ったものが上等で、この店でも高いものは日本円で何十万円もします。
ショッピングタイムになったが、前にパトンの別の店で買っているので、窓から前の寺院を写したりして過ごしました。
両側に小さい店の並ぶ道を歩きますが、絶え間なく響く、けたたましいクラクションの音に脅かされます。以前はせいぜい自転車だったのに、今はバイクが我が物顔に狭い道を走り回っています。現地ガイドのラジャンさんによると、殆どが一ヶ月2~3000ルピー(日本円とほぼ同じレート)のレンタル・バイクということです。まさに10年ひと昔。危なくて、静かだった往時の灌漑にふけってもおれません。
ようやく広い道に出ました。マスクをして歩きましたが、排気ガスと土埃で喉がいがらっぽくなりました。
高い塔のある寺院が見えてきました。塀の前にはお供え物を売るお店が並んでいます。
パタンで唯一の五層の屋根を持つクンベシュワル寺院。 シヴァ神を祀るパタン最古のヒンドゥー寺院です。
クンベは水瓶、イシュワルは神の意味で、境内に湧き出る聖水の源は遠くヒマラヤ山麓の湖・ゴサインクンドに発すると信じられています。
ゴールデンテンプル Golden Temple の二頭の獅子が守る狭い門を潜ります。
門の天井を見上げると精巧な石のマンダラが目を引きます。
門の周囲は回廊で、石階を降りて中庭に入るにはベルト、靴などの革製品を受付で預けるようになっています。
本堂も中庭に立つ小さいお堂もすべて金箔に覆われています。最近、金箔が新しく張り替えられて一層きらびやかに輝いています。
「黄金寺院」が通り名ですが、正しくは クワ・バハールとヒラニャ ヴァルナ マハヴィハールという二つからなる寺院です。19世紀に成功したパタンの貿易商人によって、現在のバゴダ形式の建物にりましたが、建立は9世紀(12世紀とも)にも遡るといわれる、ネワール族にとって大切なチベット仏教の寺院です。
御本尊(Photo by Inocchi-san)を拝まして頂き、
回廊二階からチョーク(中庭)のお堂(Hiranya Varna Mahavihar ・ヒラニャ ヴァルナ マハヴィハール)と
本堂(クワ・バハール)を見たあと、
暗い階段を上がり、入口に大きなマニ車が置いてある二階僧院を見学。正面には観世音菩薩が安置されていました。
黄金寺院の見学を終わり、次はダルバール広場に向かいます。