ペンギン夫婦の山と旅

住み慣れた大和「氷」山の日常から、時には海外まで飛び出すペンギン夫婦の山と旅の日記です

私たちの富士登山(4)

2013-07-10 20:13:46 | 四方山話

富士宮登山道八合目は標高すでに3,250m。日本第二の高峰・北岳の高さを越えています。しばらく休んでいざ頂上目指して出発。


最初から急な登りで、八合目の小屋が次第に下になります。


ブル道を横切る辺りが八合五勺。小屋はありません。



この辺りに来ると気温もぐっと低くなり、10月には火山岩からツララがぶら下がっています。



右手に残雪のある谷を過ぎると九合目。万年雪山荘。ここには1986年と1988年の二度、お世話になりました。
 『小屋は月曜日のためか思ったほどの混雑もなく、カイコ棚にのんびり足を延ばす。素泊まり3,000円也。夕食は好きなメニューを選ぶ。卵丼1200円(味噌汁付)、紙コップ入り燗酒600 円』…『
食後、戸外に出ると降るような星空。南の火星も北斗にも手が届きそうで、明日の好天を約束するかのよう』とこれは1986年の山日記です。この時は15時10分に五合目を出て、当初予定の八合目を見送って18時50分着。所用時間3時間40分、75歳の義父が頑張りました。


1988年は町内のハイキングの会で10人のパーティでしたが、足並みが揃わず八合目を過ぎた辺りで『星が瞬き始め、眼下に町の灯が見える。ライトで足元を照らし、励ましあって登る。』連絡のため♀ペンとSL役の男性に小屋へ先行してもらいました。『すぐ頭上に見える小屋の灯りがなかなか近くならない。何歩かごとに足を休め、ようやく全員が九合目・万年雪山荘に』着いたのは20時35分でした。

標準タイムでは八合目から九合目まで約30分です。九合目でいったん傾斜は緩くなりますが、砂礫のジグザグの道が続きます。1988年にあった上の写真の鳥居は

 

2011年にはこんな有様に。ここは落石の多いところで、何度か整備して下さっている人に出会いました。前に見えるパーティのすぐ先で左に折れ、再び大きく折り返すと九合五勺です。九合目から30分、標高3,590m。


山頂までの最後の小屋・胸突山荘は頑丈な石組で厳しい自然から守られています。


山荘の名前通り、いよいよ「胸突き八丁」に差し掛かります。


最後は溶岩塊の中の急坂を小さくジグザグを繰り返して登ります。距離は僅かですが辛い登りで、思いのほか時間がかかります。九合五勺から30分ほど…


この鳥居を抜けると、いよいよ富士宮口頂上です。


登りきった所は広場になっていて、南面する切り立ったテラスからは大きな展望が拡がります。反対側に立つ鳥居の奥が富士浅間神社奥宮。シーズン中は参詣人で混み合いますが、今は戸が閉ざされています。

富士浅間神社奥宮 祭神はコノハナサクヤヒメ(木花之佐久夜毘売命)とされていますが、もともとは富士山そのものの神霊「浅間大神」でした。かなり古い時代に神話に登場するコノハナサクヤヒメと習合したようです。なお富士山の八合目以上全体が山梨・静岡両県に所属せず、富士山本宮浅間神社(富士宮市)の境内です。

頂の浅間神社に額づきてほっと息づく攀じたりなわれも(花田比露思)


上の場所から右(東)へ少し登って見下ろした写真。正面左は頂上富士館で宿泊もできます。右の赤い屋根(浅間神社に続いています)の建物は富士山頂郵便局。奥に見える日本最高峰・剣ヶ峰(3,776m)へは二つの建物の間を抜けて行きます。