デビッド・スーギッチさんの「May Celebration」です。 5月を祝うという意味でしょうか? この季節を迎えて喜ぶ気持ちを表現する万華鏡です。
大きな三角錐の先端には3本のワンドがついています。 オブジェクトはこのワンドの中を流れる細かいビーズです。
筒の3面のガラスのうち2面はグリーンですが、もう1面は白いイリデッセントガラスです。 この白いガラスから光を取り込んで明るい映像が浮かび上がります。
覗き口は大きな三角形で、中には花の咲き乱れる景色が見えています。
先端に見える球体にオブジェクトが映り込みます。 テイパードミラーシステムと呼ばれる先の細くなった鏡の筒は、立体的な映像を創りだすのです。
周りに見えるたくさんのアイリスやひなげしの花は、鏡の反射が生み出すものですが、目の前に迫ってくる力強さが感じられます。
奥行きのある映像で手前は少しボケていますが、実際は花も蝶もすべてくっきりと見えています。
手前の蝶に焦点を合わせるとこんな感じになってしまいますが・・・
初めてこのタイプの万華鏡を見たのは20年ほど前のことで、まだミラーの仕組みも現代の万華鏡のこともあまり知らない時でした。 とてもびっくりして、いったい中はどうなっているんだろうと悩んだことを思い出します。 スーギッチさんのワンドスコープは、その頃から日本人を驚かせ、ワンドを変えて楽しめる作品がたくさん販売されました。
最近も立体的な3D映像で、驚きをもたらすような作品を創り続けています。 ご本人がとても体格の良い方なので、作品ももっとずっしりと大きくなっても気にならないようです。 覗き続けるのがちょっと大変ですが、その分迫力と面白さもあり、鏡の生み出す不思議を見せてくれます。 今度のコンベンションで新作を拝見するのがとても楽しみです。