今回のBKSのコンベンションで、マーク・ティクルさんが新作発表した"La Luna"(ラ・ルーナ)です。 月を意味するラテン系の言葉です。 この形状から名付けられたのかもしれません。
ティクルさんの作品といえば、大きな覗き口から見る3D映像の世界が特徴です。 この作品も写真から分かるように頂点から半分ぐらいまでが、覗き口になっています。頂点近くの覗き口(銀色の輪で囲まれているところ)は、真正面にオブジェクトセルが置かれているので、平面的な2ミラーの映像が見えます。 第三面がオープンになっていて、内部の模様を映しこんでいます。
大きくカーブする覗き口から見える映像はその視点によって見え方が違ってきますが、いずれも中央の立体をいろいろな角度から見る不思議な映像が展開します。
この金色の器は、奥行きのあるこの不思議な世界に存在しているようです。そして、その中に万華鏡の映像が見えています。 本当は存在していないのに、器があるように見える鏡のマジックです。 少し離れて見ると、このように立体的に層をなす映像になっています。
この形を生み出す仕組みが、この先端の部分です。
そしてここに光を当てると、万華鏡の内部の世界が赤く色づきます。
鏡とガラスから生み出されたイリュージョンの世界は、ただ不思議で面白いだけでなく、施された内部の模様、リバースペインティングで表現した外観の姿、技術を駆使して作られたオブジェクトの数々など、それぞれへのこだわりと美しさの追求を合わせたアート作品として、存在するのです。
マークさんには10カ月になるオリー君という息子さんがいて、コンベンションの場にも初お目見えし、大人気でした。 お父さんによく似た青い目、金髪のとってもかわいいお子さんです。BKSはとてもフレンドリーなグループで、ファミリーでの参加もOKです。今回このくらい小さいお子さんが二人いて、これからもみんなでオリー君たちの成長を見守っていくことになるんだろうなと温かい気持ちになりました。